ペニー・オレクシアク

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ペニー・オレクシアク Swimming pictogram white.svg
Penny Oleksiak.jpg
国籍 カナダの旗 カナダ
泳法 自由形
バタフライ
所属 トロント競泳クラブ[1]
生年月日 (2000-06-13) 2000年6月13日(17歳)
生誕地 オンタリオ州トロント
身長 186センチ"[1][2][3]
体重 68kg[1]
 
獲得メダル
女子 競泳
オリンピック
2016 リオデジャネイロ 100m自由形
2016 リオデジャネイロ 100mバタフライ
2016 リオデジャネイロ 4x100mフリーリレー
2016 リオデジャネイロ 4x200mフリーリレー
世界ジュニア
2016 シンガポール 4x100m混合フリーリレー
2016 シンガポール 100m自由形
2016 シンガポール 50mバタフライ
2016 シンガポール 100mバタフライ
2016 シンガポール 4x200mフリーリレー
2016 シンガポール 4x100mフリーリレー
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ペニー・オレクシアク (Penelope "Penny" Oleksiak 2000年6月13日- ) はカナダスカーバロー出身の競泳選手[4]。専門は自由形バタフライ。2016年のリオデジャネイロオリンピックでは2000年代に生まれた選手として初となる金メダルを獲得した[5]。1度のオリンピックで4つのメダルを獲得した初めてのカナダ選手であり、100m自由形で優勝したことにより、カナダ史上最年少の金メダリストともなった。さらには100mバタフライで銀メダル、4x100mフリーリレー及び4x200mフリーリレーでも銅メダルを獲得した。2015年にオレクシアクは世界ジュニアで6つのメダルを獲得していた。2016年8月現在、100m自由形と100mバタフライの世界ジュニア記録英語版カナダ記録英語版を保持している。15歳の時に樹立した世界ジュニア記録をオリンピックではさらに更新した。100m自由形では52秒70の同着で優勝したアメリカのシモーネ・マニュエル英語版とともにオリンピック記録も有している[6]

経歴[編集]

近所のプールで水泳に慣れ親しむと、9歳の時には父親に勧められて本格的に始めた。また、体操ダンスも習っていた[7]。最初、トロントにあるいくつかのスイミングクラブへの入門を試みたが、クラブが要求する基準を満たす泳ぎができずに門前払いを喰らった。結果としてゲイリー・ノールデンが指導するトロント・オリンピアン・競泳チームに受け入れられると、そこで基礎をみっちり仕込まれることになった。オレクシアクは当時を振り返って、「コーチは本当によく指導してくれたし、私に多大な信頼を寄せてくれた。あのクラブに通っていなかったら今の私はなかったでしょうね」と語っている[8]

オレクシアクが最初にその潜在能力の高さを示したのは、2015年の世界ジュニアで6個のメダルを獲得した時だった。その大会では4x100m混合フリーリレーで金、100m自由形と50m及び100mバタフライで銀、4x100m及び4x200mフリーリレーで銅をそれぞれ獲得した[1]

次の目標はカナダナショナルチームの一員として、2016年のリオデジャネイロオリンピック代表に選出されることだった。その選考会では100m自由形で世界ジュニア記録を樹立した。レース後には、「世界ジュニア記録を打ち立てたことは自分にとって本当に大きな出来事だった」と語った[2]。この記録はチャンタル・ヴァン・ランドゲム英語版の持つカナダ記録をも上回ることになった。ヴァン・ランドゲムはオレクシアクとともに100m自由形と4x100mフリーリレーの代表となった。なお、オレクシアクは100mバタフライでもカナダ記録を樹立した[9]

リオデジャネイロオリンピック[編集]

オレクシアクはカナダ競泳代表英語版としてリオデジャネイロオリンピックに参加した[10]。競泳競技の初日には100mバタフライ英語版に出場すると、予選でカナダ記録及び世界ジュニア記録となる56秒73を記録した。また、4x100mフリーリレーではアンカーを務めた。他のメンバーはヴァン・ランドゲム、テイラー・ラック英語版サンドリーヌ・メンヴィーユ英語版及び、予選のみ出場のミシェル・ウィリアムス英語版だった。決勝ではアメリカ、オーストラリアに次いで3位に入り、この種目ではここ40年間でカナダとして初となるメダルを獲得した[11]。レース後にオレクシアクは、「カナダがここまでやれるとは誰も予想していなかったでしょうけど、私たちはやり遂げた。人々は私たちの活躍ぶりに驚いているでしょうね」と語った[11]。翌日には100mバタフライ決勝で素早く飛び出して前半の50mを3位でターンすると、彼女独特の力強い泳ぎにより2位でフィニッシュして銀メダルを獲得した。この決勝では世界ジュニア記録とカナダ記録をさらに更新した。オレクシアクはオリンピックの最初の2日間でそれぞれメダルを獲得した最初のカナダ選手となった。 「カナダに誇りをもたらして本当に幸せよ」と、メダルを手にしながらオレクシアクは叫んだ。さらに、観客席を見渡して両親を見つけると、「驚くようなことをやってのけて最高の気分よ」と喜びを表現した[12]

大会5日目にオレクシアクは100m自由形の準決勝で世界ジュニア記録となる52秒72を樹立するが、それは全体でも2位のタイムだった。さらに4x200m自由型リレーではアンカーを務めて銅メダルを獲得した。他のメンバーはラック、カトリーヌ・サヴァール英語版ブリタニー・マクリーン英語版だった [13]。オレクシアクがこのリレー種目で記録した1分54秒94は200m自由形英語版でメダルを獲得した上位3名の記録に次ぐ速さだった[14]

大会6日目にオレクシアクは100m自由形決勝で52秒70のオリンピック記録でシモーネ・マニュエルとともに同着の金メダルを獲得した。この優勝により、カナダ史上最年少のオリンピック金メダリストとなった。夏季オリンピックの1大会で4つのメダルを獲得した最初のカナダ選手ともなった。冬季オリンピックを含めると、2006年のトリノオリンピック1大会で5つのメダルを獲得したシンディ・クラッセンに次ぐ記録となった[15]。さらには、2000年以降に生まれた選手としてオリンピックの個人種目で初めて金メダルを獲得した選手にもなった[16]リオデジャネイロオリンピックの閉会式では旗手を務めることにもなった[17]

なお、池江璃花子とは同い年で、ともに自由形とバタフライを専門にしており、リレーを含めて多種目をこなすという共通点がある。 2015年の世界ジュニアでは50m及び100mバタフライで池江に負けて2位に終わっていたが、ここ1年ですっかり立場が逆転して、リオデジャネイロオリンピックでは金メダルを含めてメダルを4つも獲得したことで、7種目に出場しながら1つもメダルを取れなかった池江に大きな差を付けることとなった[18]

人物[編集]

オレクシアクは5人兄弟の末妹で、兄弟の1人はアイスホッケーNHLダラス・スターズでディフェンスを務めるジェイミー・オレクシアク英語版[19]。 他の家族もアスリートとしての資質を備えている。彼女の両親は元ランナーで、姉のヘイリーはノースイースタン大学ボートの選手、兄のジェイクは大学でアイスホッケーの選手としてそれぞれ活躍している[20]。 オレクシアクはトロントにあるモナークパーク公立高等学校英語版に通っている[9]。飼い犬はアイスホッケーの選手であるヤロミール・ヤーガーの名を取ってヤーガーと名付けた。飼い猫の名はリオという[21]。 なお、オレクシアクの父親はニューヨーク州バッファロー出身でもあることから、オレクシアク自身はアメリカとカナダ両方の市民権を有している[22]

自己記録[編集]

長水路[編集]

種目 タイム 会場 日付
100mバタフライ 56秒46 五輪水泳競技場 2016年8月7日 世界ジュニア記録 カナダ記録
100m自由型 52秒70 五輪水泳競技場 2016年8月11日 オリンピック記録*, 世界ジュニア記録, パンナム記録
  • *52秒70はアメリカのシモーネ・マニュエルとタイ記録

脚注[編集]

  1. ^ a b c d Penny Oleksiak”. Swim Canada. 2016年4月9日閲覧。
  2. ^ a b Donna Spencer (2016年4月9日). “Teenage star Oleksiak mows down records at Olympic swimming trials”. CBC Sports. http://www.cbc.ca/sports/olympics/summer/aquatics/oleksiak-records-swim-trials-1.3528976 
  3. ^ 金メダリストの略歴=ペニー・オレクシアク(女子100M自由形)
  4. ^ http://news.nationalpost.com/sports/rio-2016/a-welcome-challenge-for-canadian-swimming-following-breakthrough-in-brazil
  5. ^ http://news.nationalpost.com/sports/rio-2016/a-welcome-challenge-for-canadian-swimming-following-breakthrough-in-brazil
  6. ^ Ng, Callum (2016年8月12日). “Penny Oleksiak wins gold, captures historic 4th Olympic medal”. CBC Sports. 2016年8月12日閲覧。
  7. ^ Kevin Sherrington. “How 16-year-old Penny Oleksiak, Stars defenseman Jamie's sister, became the latest Olympic star”. Dallas News. 2016年8月8日閲覧。
  8. ^ Teenager Penny Oleksiak still growing into her swimming potential” (en-US) (2016年8月3日). 2016年8月18日閲覧。
  9. ^ a b Person of interest: Swimming Canada’s best-kept secret, Penny Oleksiak”. SportsNet (2016年8月9日). 2016年8月10日閲覧。
  10. ^ Olympic Team Nominated for Rio 2016”. Swimming Canada (2016年4月10日). 2016年4月27日閲覧。
  11. ^ a b Jonathon Gatehouse (2016年8月6日). “The Young and the Fast: Canada wins relay bronze in Rio”. Maclean's. http://www.macleans.ca/olympics/canadian-swimmers-win-relay-bronze/ 
  12. ^ “Canada's Penny Oleksiak wins 2nd medal of Rio Olympics”. CBC Sports. (2016年8月7日). http://olympics.cbc.ca/news/article/canada-penny-oleksiak-wins-silver-100-metre-butterfly.html 
  13. ^ Penny Oleksiak leads Canada to bronze in 4x200 freestyle relay
  14. ^ Oleksiak Leads As Canada Destroys National 4×200 Free Relay Record
  15. ^ Penny Oleksiak gives Canada its first gold a Rio, shattering records
  16. ^ Arthur, Bruce (2016年8月11日). “Swimming phenom Penny Oleksiak earns Canada’s first gold in Rio: Arthur”. Toronto Star. 2016年8月12日閲覧。
  17. ^ Rumley, Jonathan (2016年8月21日). “Penny Oleksiak to carry flag for Canada at Rio closing ceremony”. CBC. 2016年8月21日閲覧。
  18. ^ 池江、飛躍誓う「来年は肩を並べたい」
  19. ^ Kerry Gillespie (2016年4月7日). “Canada’s Penny Oleksiak makes waves at Olympic swim trials”. Toronto Star. http://www.thestar.com/sports/amateur/2016/04/07/canadas-penny-oleksiak-makes-waves-at-olympic-swim-trials.html 
  20. ^ Get to know Penny Oleksiak, Canada’s 16-year-old swimming medallist | Toronto Star”. 2016年8月14日閲覧。
  21. ^ Brandon Share-Cohen (2016年8月16日). “Olympian Penny Oleksiak Names Dog After Jaromir Jagr”. http://thehockeywriters.com/olympian-penny-oleksiak-names-dog-after-jaromir-jagr/ 
  22. ^ Penny Oleksiak leaves former Canadian Olympians 'stunned'”. Canadian Broadcasting Corporation (2016年8月9日). 2016年8月22日閲覧。

外部リンク[編集]