コンテンツにスキップ

ベートーヴェン (クレーター)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ベートーヴェン
ベートーヴェンの画像
惑星 水星
座標 南緯20度 西経124度 / 南緯20度 西経124度 / -20; -124座標: 南緯20度 西経124度 / 南緯20度 西経124度 / -20; -124
直径 643 km
名祖 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン[1]
丸で囲まれた部分がベートーヴェンである。

ベートーヴェンは、水星の南緯20°西経124°に位置するクレーターである。直径は643km[注釈 1]。名前はドイツの作曲家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンにちなむ[1]。ベートーヴェンはのクレーターのような同心円状に広がった多環系のものではない[3]。名前の付いたクレーターの中では太陽系では11番目、水星では3番目に大きい。

ベートーヴェンの輪郭には火山噴出物が表面上に堆積されているため、輪郭の部分は火山噴出物で埋もれており、かろうじて見える程度である[2]。また、クレーター内部がクレーター外とほぼ同じ反射率を持つ物質から成っているため更に見えにくくなっている。

ベートーヴェンの深さはマリナー10号の撮影画像[4]から2.5 ± 0.7 kmと見積もられている。大きさが同等の月のクレーターと比べるとはるかに浅いため、ベートーヴェンはおそらく衝突後から形状が変化したと思われる[5]。また、ベートーヴェン中の北東部にはBelloと呼ばれるクレーターがある。

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 他の文献には625kmともある[2]

出典

[編集]
  1. ^ a b Beethoven”. Gazetteer of Planetary Nomenclature. International Astronomical Union (IAU) Working Group for Planetary System Nomenclature (WGPSN) (2011年3月7日). 2019年7月7日閲覧。
  2. ^ a b André, S.L.; Watters, T.R.; Robinson, M.S. (2005). “A topographic analysis of Beethoven Basin, Mercury”. Lunar and Planetary Science XXXVI: 1871. Bibcode2005LPI....36.1871A. http://www.lpi.usra.edu/meetings/lpsc2005/pdf/1871.pdf.  2019年7月7日閲覧
  3. ^ Trask, N.J. (15–17 November 1976). "History of basin development on Mercury". Lunar Science Institute Contribution. Conference on Comparisons of Mercury and The Moon. Vol. 262. p. 36. Bibcode:1976LPICo.262...36T
  4. ^ Spudis, P.D.; Prosser, J.G. (1984). “Geologic map of the Michelangelo quadrangle of Mercury”. U.S. Geological Survey Miscellaneous Investigations Series. Map I-1659, scale 1:5,000,000. http://www.lpi.usra.edu/resources/mercury_maps/MichelangeloI-1067/.  2019年7月7日閲覧
  5. ^ Mohit, P. Surdas; Johnson, Catherine L.; Barnouin-Jha, Olivier; Zuber, Maria T.; Solomon, Sean C. (2009). “Shallow basins on Mercury: Evidence of relaxation?”. Earth and Planetary Science Letters 285 (3-4): 355–363. Bibcode2009E&PSL.285..355M. doi:10.1016/j.epsl.2009.04.023.  2019年7月7日閲覧