ベンタブラック

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アルミ箔にコーティングされたベンタブラック

ベンタブラック(Vantablack)は、ナノチューブから構成される[1]、可視光の最大99.965%を吸収する既知の最もい物質である[2]。「成長」する垂直なチューブの森から成っている。ベンタブラックに光が当たると、それを跳ね返すのではなく捉えて、チューブ内を何度も屈折させ、最終的には熱になる。

語源[編集]

Vertically Aligned NanoTube Arrays(垂直に並べられたナノチューブの配列)の頭文字をとっている[3]

発展[編集]

初期の発展は、イギリス国立物理学研究所によって進められたが[4]、VANTAという言葉は、この頃は生まれていなかった[5]。現在は、Surrey NanoSystemsで開発が進められている[6]

応用[編集]

この物質には、望遠鏡迷光防止や赤外線カメラの性能向上等、様々な応用がある[6]

Surrey NanoSystemsのCTOであるベン・ジェンセンは、次のように説明する[6]

例えば、この物質は、望遠鏡の感度を向上させることで、遠い微かな星の光も捉えられるようにする。また、非常に低い反射率のため、地上や宇宙空間、大気中の機器の感度を向上させる。

また、ベンタブラックは、集光型太陽熱発電の素材として用いることで、熱の吸収を高めることができる。また軍事では、熱カモフラージュ等の応用がある。ベンタブラックの放射率と拡張性が、幅広い応用を可能にしている。

芸術家のアニッシュ・カプーアは、この物質を創作に用いている[7]

既存の物質からの改善[編集]

Vantablack 02.JPG

ベンタブラックは、これまで開発された物質の改善となっている。木炭は、入射光の4%を反射する。既知の2番目に放射を吸収する物質は、0.04%を除いた全ての光を吸収するが、ベンタブラックは0.035%を除いた全ての光を吸収する。また、この新しい物質は、400℃で形成される。アメリカ航空宇宙局は似たような物質を開発しているが、その成長温度は750℃である。従って、ベンタブラックは、高温に耐えられない物質の上にも成長させることができる[1]

ベンタブラックのガス放出や粒子降下は少ない。かつての似たような物質は、これが多いために商用化が妨げられてきた。また、ベンタブラックは、振動耐性や耐熱性も優れている[3]

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b Vantablack, the world’s darkest material, is unveiled by UK firm” (2014年7月15日). 2014年7月19日閲覧。
  2. ^ Vantablack: U.K. Firm Shows Off 'World's Darkest Material'” (2014年7月15日). 2014年7月19日閲覧。
  3. ^ a b Kuittinen, Tero (2014年7月14日). “[https://ca.news.yahoo.com/scientists-developed-black-deep-makes-3d-objects -look-233004466.html?pt=Array Scientists have developed a black so deep it makes 3D objects look flat]”. 2014年7月19日閲覧。
  4. ^ Theocharous, E.; Deshpande, R.; Dillon, A. C.; Lehman, J.. “Evaluation of a pyroelectric detector with a carbon multiwalled nanotube black coating in the infrared”. Applied Optics 45 (6): 1093. doi:10.1364/AO.45.001093. 
  5. ^ Theocharous, S.P.; Theocharous, E.; Lehman, J.H.. “The evaluation of the performance of two pyroelectric detectors with vertically aligned multi-walled carbon nanotube coatings”. Infrared Physics & Technology 55 (4): 299–305. doi:10.1016/j.infrared.2012.03.006. 
  6. ^ a b c Howard, Jacqueline (2014年7月14日). “This May Be The World's Darkest Material Yet”. 2014年7月19日閲覧。
  7. ^ How black can black be?”. BBC News (2014年9月23日). 2014年12月7日閲覧。

外部リンク[編集]