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ベンゼンセレノール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ベンゼンセレノール
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.010.417 ウィキデータを編集
EC番号
  • 211-457-2
性質
C
6
H
5
SeH
モル質量 157.085 g·mol−1
外観 無色の液体
匂い 特徴的な不快臭
密度 1.479 g/cm3
沸点 71 - 72 °C (160 - 162 °F; 344 - 345 K) (18 mmHg)
わずかに溶ける
その他溶媒への溶解度 ほとんどの有機溶媒に溶ける
屈折率 (nD) 1.616
構造
1.1 D
危険性
労働安全衛生 (OHS/OSH):
主な危険性
有毒
GHS表示:
急性毒性(高毒性)経口・吸飲による有害性水生環境への有害性
Danger
H301, H331, H373, H410
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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ベンゼンセレノール (benzeneselenol) とは、有機セレン化合物、セレノールのひとつ。有機合成においてフェニルセレノ基の導入のために用いられる。フェノールの酸素がセレンに置き換わった構造から、セレノフェノール (selenophenol) とも呼ばれる。

強い悪臭を持つ無色透明の液体で、保管中次第に黄色みを帯びる。水にはほとんど溶けず、多くの有機溶媒に溶ける。

他の有機セレン化合物同様に強い毒性を持つため取り扱いには注意が必要。

合成

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ベンゼンセレノールはグリニャール試薬を単体セレンで捕捉して得られる[1]。

ベンゼンセレノールの合成法
ベンゼンセレノールの合成法

チオフェノールと同様に、ベンゼンセレノールは空気により容易に酸化を受け下式のようにジフェニルジセレニドを与える。

4 PhSeH + O2 → 2 PhSeSePh + 2 H2O

保管してあるベンゼンセレノールが黄色を示すのは、このジセレニドを含むためである。ジセレニドは還元とプロトン化によりセレノールに戻すことができる。

ベンゼンセレノールはチオフェノールよりも7倍強い酸性を示す。どちらも塩基性の水溶液に溶ける。

有機合成において、フェニルセレニドアニオン (PhSe-) を発生させるための前駆体とされる[2]。フェニルセレニドアニオンはフェニルセレノ基を導入するための求核剤となる。

歴史

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ベンゼンセレノールは、塩化アルミニウム (AlCl3) 存在下にベンゼンと四塩化セレン (SeCl4) との反応により最初に合成された[3]。

出典

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  1. ↑ Foster, D. G. (1955). “Selenophenol”. Organic Syntheses (英語).; Collective Volume, vol. 3, p. 771
  2. ↑ Sonoda, N.; Ogawa, A.; Recupero, F. "Benzeneselenol" in Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis (Ed: L. Paquette) 2004, J. Wiley & Sons, New York. DOI: 10.1002/047084289.
  3. ↑ Chabrié, M. Camille "Premiers essays de synthèse de composés organiques séléniés dans la série aromatique" Bull. soc. chim. France, 1888, 50, 133; Ann. chim. phys., 1890, 20, 229.