コンテンツにスキップ

ベルジャーンシク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ベルジャーンシク
Бердянськ
ウクライナの旗
ベルジャーンシク港
ベルジャーンシク港
ベルジャーンシクの市旗 ベルジャーンシクの市章
位置
ベルジャーンシクの位置(ウクライナ内)
ベルジャーンシク
ベルジャーンシク (ウクライナ)
ベルジャーンシクの位置(ザポリージャ州内)
ベルジャーンシク
ベルジャーンシク (ザポリージャ州)
座標 : 北緯46度45分35秒 東経36度47分04秒 / 北緯46.75972度 東経36.78444度 / 46.75972; 36.78444
歴史
建設 1827年
行政
 ウクライナ
  ザポリージャ州の旗 ザポリージャ州
ベルジャーンシク
地理
面積  
  域 82.65 km2
標高 10 m (30 ft)
人口
人口 (2017年1月1日現在)
  域 113,139人
    人口密度   1,380人/km2
その他
等時帯 東ヨーロッパ時間 (UTC+2)
夏時間 東ヨーロッパ夏時間 (UTC+3)
郵便番号 71100-71127
市外局番 +380-6153
ナンバープレート AP,08
公式ウェブサイト : Berdyansk City Council - Official

ベルジャーンシクウクライナ語: Бердянськ, 発音 [berˈdʲɑnʲsʲk] ( 音声ファイル); ロシア語: Бердянск, 英語: Berdyansk)はウクライナ南東部に位置するザポリージャ州の港湾都市。黒海の北に延びるアゾフ海の北海岸に位置している。市には、サファリパークウォーターパーク、また、泥を用いた健康療法が施されるリゾートなどがある。町の名は、ベルジャーンシク砂嘴ウクライナ語版を形成し、アゾフ海に注ぐベルダ川ウクライナ語版に由来する。

市の名前

[編集]

最初の名はクトゥール・オグリであったが、1830年ノボ・ノガスクНово-Ногайск)と改名された。これは「新しいノガイの町」[注釈 1]という意味で、当時、現地で人口の多数を占めていたノガイ人にちなんだ名であった。現在の名であるベルジャーンシクは、1841年ニコライ1世の法令により、市の近くを流れるベルダ川にちなんで名づけられた。ちなみに、1939年から1958年までは、ソ連の英雄で飛行家ポリーナ・オシペンコ[2]にちなんで名づけられたオシペンコОсипенко)として知られていた。しかし、現在その名は、近くに位置する彼女が生まれた村の村名となっている。

歴史

[編集]

この地区には古くから人が居住し、現在の町の建設までこの地方はアーグリヤディーケ・ポーレ、ベールドィなどと呼ばれていた。1780年代にはペトル要塞ロシア帝国によって建設され、クリミア・ハン国からの防備に使用された。1783年にはクリミア・ハン国が滅ぼされ、翌1784年にはこの地域はターヴリダ州に編入された。ターヴリダ州は、1802年ターヴリダ県となった。19世紀はじめ頃には、ロシアは沿アゾフ地方左岸ウクライナでの商業権益の確保のため、アゾフ海沿海に港を建設する必要に迫られた。1827年にペトル要塞の周辺に港湾施設が建設され、周囲に入植が始まった。これが現在の町の基礎となった。

2022年2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻が開始。同年2月28日までに市内はロシア軍により占拠された[3]2023年5月21日、ウクライナ軍はベルジャーンシクのロシア軍部隊本部を攻撃したことを発表。ロシア側は、この攻撃をイギリスが供与した長距離ミサイルであるストーム・シャドウによるものと発表している[4]。ミサイルによる攻撃は同年7月12日にも行われ、ロシア軍の第58諸兵科連合軍の司令部が置かれていた市内のホテルを直撃。将官を含む多数の犠牲者が出た[5]

地理・気候

[編集]

ケッペンの気候区分では温暖湿潤気候(Cfa)に属する。アゾフ海に面するこの地域では、夏は乾燥した暑い日が続き、冬は比較的暖かい。海水温度クリミアコーカサス黒海沿岸地域よりも高く、5月では22度に達し、6月では30度に達することがある。海にはチョウザメを始め70種類もの生物が生息している。また、海底には多くの軟体動物が生息しており、この海域にはイルカも生息している。

周辺一帯はホシハジロホオジロガモの生息地で、1997年にラムサール条約登録地となった[6]

文化

[編集]

市には複数の美術館を始め、シュミット博物館、第二次世界大戦博物館、ベルジャーンシク歴史博物館がある。

また市は、年におよそ10回ものフェスティバルを開催している。

モニュメント

[編集]

市には「アレクサンドル・プーシキン」、「シュミット中尉」、「シュミット中尉の子供達」、「衛星技術者」、「少年の釣り人」、「嫉妬深いカエル」、「ハゼ好きの人」などの珍しいモニュメントがある。また、「欲望の肘掛け椅子」というモニュメントがあり、その肘掛け椅子に座って願い事をすれば、それが叶うといわれている。

著名な出身者

[編集]

姉妹都市

[編集]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 「ノガイの町」- ノガイスクは現在のプルィモールシク

出典

[編集]
  1. ^ ロシア、占領地から穀物輸送…ウクライナ「略奪して輸出」と非難”. 読売新聞オンライン (2022年6月9日). 2022年7月2日閲覧。
  2. ^ Осипенко, Полина Денисовна
  3. ^ プーチン氏、ウクライナ終戦条件を提示 都市砲撃で11人死亡”. AFP (2022年3月1日). 2022年3月1日閲覧。
  4. ^ ウクライナ軍、最前線から100キロの露軍部隊本部を攻撃…長射程兵器を使用か”. 読売新聞 (2023年5月22日). 2023年5月23日閲覧。
  5. ^ 「休養中」、解任、恐らく死亡 ロシアの消えた将官たちが明らかにする軍内の亀裂”. CNN (2023年7月14日). 2023年7月14日閲覧。
  6. ^ Berda River Mouth and Berdianska Spit and Berdianska Bay | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2022年6月8日). 2023年4月5日閲覧。
  7. ^ ビェルスコ=ビャワの姉妹都市 - © 2008 Urzędu Miejskiego w Bielsku-Białej. Retrieved 2008-12-10.

外部リンク

[編集]