ヘンリ・ナウエン

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ヘンリ・ナウエンナウエン)(Henri Jozef Machiel Nouwen、1932年1月24日 - 1996年9月21日)は、オランダ出身のカトリック司祭であり、元ハーバード大学教授スピリチュアリティに関する著作を数多く残した著作家、研究者としても著名である。日本語にも多くの翻訳がある。

略歴[編集]

カトリックの司祭でありながらイェール大学、ハーバード大学の実践神学の教授を務めた異色の存在であった。類いまれな説教者であったと同時に現代のスピリチュアリティに関する概念において鋭い洞察が高く評価された。しかし1985年アカデミックな領域としての大学教授を突然辞し、ジャン・バニエ(Jean Vanier)の影響を受け、1986年にカナダトロントラルシュ共同体(知的ハンディをもつ人々のためのグループ・ホームで、祈りを中心としたコミュニティーを形成している)に移り住み、そこで知的ハンディを持つ人々とともに生きる道を選んだ。1996年心臓発作で死去したが、カトリック、プロテスタントを問わず、その著作は今日まで幅広く支持されている。とりわけその霊性に関する聖書解釈や思想は、聖書信仰にたつ福音派にも支持されている。

日本におけるナウエンに関する研究等[編集]

日本でも近年幅広い領域で関心が強く、英文学者の大塚野百合[1]、ナウエンに師事した酒井陽介[2]らの信仰や霊性の観点からの紹介や、社会福祉学者の木原活信[3] のキリスト教社会福祉学の立場からの学術的研究[4]などがあり、邦訳も多くすすみ、幅広く支持され、紹介され、ナウエンの思想の紹介や研究がすすめられている。

  • 河野信子(1978)「問いを生きる:宗教を教える人の霊性」 西南学院大学児童教育学論集 4(1), pp.121-134.
  • 木原活信(2003)「ヘンリ・ナウエンの福祉思想―スピリチュアリティと「創造的弱さ」をめぐって」『キリスト教社会福祉学研究』 No.36.,pp.17-28.
  • 米田綾子(2004) 「ソーシャルワーク実践における共感的(compassionate)パートナーのまなざし―Henri Nouwenの『傷ついた癒し人』に学ぶ」『東京純心女子大学紀要』 (8), pp.79-94.
  • 木原活信(2005)「福祉原理の根源としての「コンパッション」の思想と哲学」 『社会福祉学』 46(2), pp.3-16.
  • 丹澤桂 (2005)書評「ヘンリ・J.M.ナウエン監修(野村祐之編訳)『砂漠の知恵 砂漠の師父母の言行録』」『基督教論集』 pp.152-157.
  • 大塚野百合 (2005)『ヘンリ・ナウエンのスピリチュアル・メッセージ : レンブラントの名画「放蕩息子の帰郷」をめぐって』キリスト教新聞社
  • 酒井陽介 (2008)『ヘンリー・ナーウェン : 傷つきながらも愛しぬいた生涯』 ドン・ボスコ社
  • 廣戸直江訳 『傷ついた預言者-ヘンリ・ナウエンの肖像』 聖公会出版(= Ford, 1999 Wounded Prophet: A Portrait Of Henri J. M. Nouwen, Darton, Longman and Todd, Ltd., and Doubleday) (2009)
  • 大塚野百合(2010)『あなたは愛されています―ヘンリ・ナウエン』 教文館

原著[編集]

以下の原作の多くが日本語訳が出ている。

脚注[編集]

  1. ^ 大塚野百合 『あなたは愛されています―ヘンリ・ナウエン』 教文館](2010)
  2. ^ 酒井陽介 『ヘンリー・ナーウェン : 傷つきながらも愛しぬいた生涯』 ドン・ボスコ社 (2008)
  3. ^ 木原活信 「ヘンリ・ナウエンの福祉思想―スピリチュアリティと「創造的弱さ」をめぐって」 『キリスト教社会福祉学研究』 No.36, (2003),pp.17-28.
  4. ^ 科研費データ参照[1]
  5. ^ 片岡伸光訳『放蕩息子の帰郷―父の家に立ち返る物語』あめんどう、2003年