ヘレディタリー/継承

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ヘレディタリー/継承
Hereditary
監督 アリ・アスター英語版
脚本 アリ・アスター
製作 ケヴィン・スコット・フレイクス
ラース・クヌードセン英語版
バディ・パトリック
製作総指揮 トニ・コレット
ライアン・クレストン
ガブリエル・バーン
ジョナサン・ガードナー
出演者 トニ・コレット
アレックス・ウルフ
ミリー・シャピロ英語版
ガブリエル・バーン
音楽 コリン・ステットソン英語版
撮影 パヴェウ・ポゴジェルスキ
編集 ジェニファー・レイム
ルシアン・ジョンストン
製作会社 パームスター・メディア英語版
ウィンディ・ヒル・ピクチャーズ
フィンチ・エンターテインメント
配給 アメリカ合衆国の旗 A24
日本の旗 ファントム・フィルム
公開 アメリカ合衆国の旗 2018年6月8日
日本の旗 2018年11月30日
上映時間 127分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $10,000,000[1]
興行収入 世界の旗 $69,035,670[2]
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ヘレディタリー/継承』(ヘレディタリー/けいしょう、Hereditary)は2018年アメリカ合衆国ホラー映画。監督はアリ・アスター英語版、主演はトニ・コレットが務めた。なお、本作はアスターの長編映画監督デビュー作である。

本作はサンダンス映画祭でプレミア上映された直後から絶賛されており、「直近50年のホラー映画の中の最高傑作[3]」「21世紀最高のホラー映画[4]」と評されている。

概略[編集]

女家長エレンの死をきっかけに、グラハム一家は怪現象に苛まれるようになり、ついには孫娘が命を落とすことになった。母が遺した謎を追求する過程で、アニーは一族が呪われていることを知った。アニーは悪しき運命から逃れようと必死になるが、一家を利用せんとする悪魔崇拝カルトの魔の手が迫ってきた。

ストーリー[編集]

ミニチュア模型アーティストのアニー・グラハムは長年疎遠であった母エレンの死をきっかけにグループ・カウンセリングに参加するようになる。アニーはカウンセリングの席で、エレンが解離性同一性障害を発症していたこと、父が精神分裂病餓死したこと、兄が極度な被害妄想が原因で自殺したこと、そして自身も夢遊病に悩まされるいることを語る。先天性遺伝による精神疾患がいずれは自分の子ども達にも発現するだろうとアニーは恐怖している。

高校生の息子ピーターは友人宅のパーティーに行くためアニーの車を借りようとする。アニーは13歳の妹チャーリーも連れて行くことを条件にこれを許可する。パーティーで一人きりにされたチャーリーはナッツ入りのケーキを食べアレルギー発作を起こす。ピーターはチャーリーを病院に運ぶため車で夜道を疾走する。息苦しくなったチャーリーは車の窓から顔を出し空気を吸おうとする。ピーターが路上に横たわった動物の死骸を避けるためハンドルを切った時、チャーリーの頭部が道路脇の電柱に当たり、彼女を即死させてしまう。ピーターはショック状態になり誰にも事態を報告しないまま、自宅の寝室に戻る。翌日、車の中で頭部のないチャーリーの死体を発見したアニーの悲壮な叫び声が響き渡る。道路脇に転がったチャーリーの生首は無数の蟻に覆われている。

チャーリーの悲惨な死をきっかけにアニーとピーターは険悪な関係になる。悲しみに沈んだアニーは、カウンセリングで息子と孫を事故で同時に亡くした女性ジョーンと知り合う。アニーはある日、ジョーンの自宅に招かれ彼女が交霊会の儀式を行っているところを見る。テーブルの上のグラスが一人でに動き出し、アニーは交霊の儀式が本物であると信じる。アニーはチャーリーのスケッチブックを使い自分も交霊を儀式を行いチャーリーと交信しようと試みる。アニーはチャーリーの霊と交信に成功するが、夫スティーブによって儀式が中断される。一方ピーターもチャーリーの幻覚を見たり、アニーに殺される悪夢にうなされたりし精神を病んでいく。

アニーはチャーリーのスケッチブックを暖炉で燃やそうとするが、自分の手が炎に包まれる。スケッチブックを燃やすと自分も焼け死ぬというルールを知ったアニーは、スケッチブックの処分をあきらめる。さらにアニーは、自宅の屋根裏部屋で母エレンの首のない腐乱死体を発見する。そこにはカルト教団の儀式のようなものを行う生前のエレンとジョーンの姿が映った写真が残されている。アニーは、母エレンが「パイモン」と呼ばれる悪魔を崇拝するカルトの長だったことを知る。アニーはスティーブに屋根裏のエレンの死体を見せ、悪魔崇拝カルトの実態を説明しようとするが、スティーブは夢遊病持ちのアニーがエレンの死体を墓から掘り返したのだと思い込み、取り合わない。絶望したアニーは、自分も焼け死ぬ覚悟で再度スケッチブックを暖炉に捨てる。アニーの背後でスティーブの身体が炎に包まれ彼が焼け死ぬ。これを目にしたアニーの精神は遂に完全崩壊する。

ピーターは暖炉の前で父スティーブの焼死体を発見する。天井を這って移動する悪魔に憑依されたアニーが、背後からピーターに襲いかかる。ピーターは屋根裏部屋へと逃げ込むが、そこには祖母エレンの腐乱死体と、天井近くに浮揚するアニーがいる。アニーはワイヤーで自らの首を切り落とす。正気を失ったピーターは屋根裏の窓から身を投げ自殺を遂げる。

青い光がピーターの体を包み込み、何かが彼の身体に憑依する。ピーターは、庭に作られた木の小屋に入っていく。そこにはジョーンと他のカルト教団員が集まっており、チャーリーの頭部が飾りつけられた像が祀られている。カルト教団員はピーターの前にひれ伏しパイモンの復活を祝う。

キャスト[編集]

製作[編集]

2017年2月、本作の主要撮影ユタ州で始まった[5]

トラブル[編集]

オーストラリア西部の映画館で『ピーターラビット』(PG指定)が上映された際、R指定を受けている本作の予告編が誤って流されるというトラブルがあった。家族連れで賑わっていた室内は一時騒然とし、少なくとも40人の子供が予告編を視聴してしまった[6][7]

興行収入[編集]

本作は『オーシャンズ8』及び『Hotel Artemis』と同じ週に封切られ、公開初週末に1200万ドル前後を稼ぎ出すと予想されていたが[8]、実際の数字はそれを上回るものであった。2018年6月8日、本作は全米2964館で封切られ、公開初週末に1357万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場4位となった[9]。この数字はA24が配給を行った作品としては過去最高のものである[10]

評価[編集]

本作は批評家から絶賛されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには257件のレビューがあり、批評家支持率は89%、平均点は10点満点で8.2点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「『ヘレディタリー/継承』はその古めかしい舞台設定を凄惨なホラー映画のフレームワークとして活用している。凍てつくほどの恐怖はエンドクレジット終了後も消えてくれない。」となっている[11]。また、Metacriticには42件のレビューがあり、加重平均値は87/100となっている[12]。なお、本作のシネマスコア英語版はD+となっている[13]

ローリング・ストーン』のピーター・トラヴァースは本作に4つ星評価で3つ星半を与え、「2018年で最も怖い映画」「キャリアの集大成とも言うべき演技を披露したコレットは、アニーの肉体と精神の分離へと観客を没入させ、観客に残っている度胸の類いの一切を破壊する。コレットの一世一代の演技は一晩寝たくらいでは忘れ去ることができないほどの刺激に満ちあふれている。尤も、忘れ去ろうとする前に、観客は全身の血が沸き立たんばかりに叫び出すだろうが。」と評している[14]。「A.V.クラブ英語版」のA・A・ダウドは本作にA-評価を下し、「そのシリアスさと身の毛もよだつほどの技巧のお陰で、『ヘレディタリー』は傑作ホラー映画の系譜に属す作品となった。その系譜はアメリカ産ホラー映画の試金石の山、つまり、『ローズマリーの赤ちゃん』や『エクソシスト』のような邪悪な時代精神を反映した古典的名作にまで遡るものである。驚くべきことに、この作品はアリ・アスターの監督・脚本家デビュー作である。これは恵まれたことである。」と述べている[15]

出典[編集]

外部リンク[編集]