ヘルマンミヤマクワガタ
| ヘルマンミヤマクワガタ | |||||||||||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ヘルマンミヤマクワガタ(小型個体)
| |||||||||||||||||||||||||||
| 分類 | |||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||
| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||
| Lucanus helmani De Lisle, 1973 |
ヘルマンミヤマクワガタ(Lucanus helmani )は、節足動物門昆虫綱鞘翅目クワガタムシ科のミヤマクワガタ属の一種。
生息地
[編集]中国南部の福建省、雲南省、広東省、湖南省、広西壮族自治区、浙江省、貴州省、四川省、海南島、等の1000m級の高地に生息している。
特徴
[編集]大型のミヤマクワガタの一種で、体つきはクワガタムシの中ではやや細身体型の本属の中でも更に細身な種類で、頭部も本属他種に比べて横幅がやや小さめである。
本属オス個体特有の張り出し板のような頭部突起が、他の種に比べて頭部が小さい為か、やや垂直にめくれ上がっているようにも見える。本属の他種と比較すると大顎が長くすらりと伸びているのが特徴だが、細いので、やや華奢な印象も与える。また、頭部中央の頭楯と呼ばれるV字状の二叉部分が、本属他種よりも目立って長くなるのが特徴(一部のホソアカクワガタや、リノケロスフタマタクワガタにも見られる)。
オスの体長は33〜92mmに達し、体長の半分近くを長い大顎で占める。メスはオスより小型で、他のクワガタ同様に顎が小さくなり、体長は30〜48mmになる。

生態
[編集]1000m級の高地に生息しており、そこの広葉樹の森の土化した腐蝕物となった木や、腐葉土を食べて、幼虫は1〜2年ほどで成虫となる。成虫はブナやシイの仲間の木に集まり、その樹液を吸う。
輸入
[編集]生息地である中国では、(天然記念物)に指定されている為、野外個体の輸入は原則できない。規制前に輸入された個体が飼育品として現在、出回っている。
保護
[編集]2021年6月、中国において国家重点保護野生動物名録の大幅な改訂が行われ、本種を含む517種が新たに追加された。本種は、国家第二種保護動物(天然記念物)に指定され、現地での野生個体の採集及び輸出は原則禁止となった。[1]
近似種
[編集]
(上中と右はヨーロッパミヤマクワガタ)
本種のような形態のミヤマクワガタの種類として、代表的なものが4種類いる。
- プラネットミヤマクワガタ L. planeti
- 中国南部と、ベトナム北部に生息。体長32〜88mmで本種に似ているが、大顎基部の内歯が本種より小さい。
- タイワンミヤマクワガタ L. formosanus
- 台湾に生息。本種に比べ、大顎の内歯が大きく、大型個体の顎はマンディブラリスフタマタクワガタの大顎形状にも似ている。やや体色の赤みが濃い。体長は27〜84mm
- 名前からタカサゴミヤマクワガタと混同しがちだが、日本のミヤマクワガタを大型化したような姿のタカサゴミヤマに比べ、体型と顎が華奢な事で容易に区別できる。
- ラミニフェルミヤマクワガタ L. laminifer
- 亜種 L. l. vitalisi
- 亜種 L. l. lucidulus
- インド北東部、中国南部、タイに生息。体長は33〜85mmで、内歯の発達が弱くて、目立たない。頭楯も本種や前2種と違い、発達しない。頭部の耳状突起が垂直に近くになる形で起き上がるため、和名でタテイタミヤマクワガタ(立板深山鍬形虫)とも呼ばれている。
- ベトナムとラオスに亜種のL. l. vitalisi 、ミャンマーに L. l. lucidulus がいる。
- アングスティコルニスミヤマクワガタ L. angusticornis
- 亜種 L. a. inclinatus
- ラオスやベトナム北東部に生息。前種よりも大顎内歯はやや大きくなるが、同じく頭楯は発達しない。やや赤みの強い体色。体長35〜75mm。
- 亜種に大顎が湾曲し、中国雲南省に生息する L. a. inclinatus がいる。
参考文献
[編集]- 学研の図鑑『カブトムシ・クワガタムシ』 学研 ISBN 4-05-500421-4
- 世界のクワガタ大図鑑 趣味の昆虫編 枻出版社 ISBN 4-87099-668-5
- 吉田賢治 世界のクワガタムシ カブトムシ 成美堂 ISBN 4415027350
- ^ 中华人民共和国国家林业和草原局・中华人民共和国农业农村部 (2021). 《国家重点保护野生动物名录》.