ヘメーンテ (オランダ)

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ヘメーンテ(オランダ語:Gemeente)とはオランダ基礎自治体の事。

ヘメーンテ分割図

オランダは12の行政区分である(Provincie)に分割されており、州はさらに443のヘメーンテ(Gemeente)に分割されている。(2007年現在の数)ヘメーンテは最小の自治体単位であり、人口の多少に係わらず同格である。日本のように市町村といった区分は無い。なお、ヘメーンテはさらに地区(約7000地区)に分けられるが、これらに自治権は存在しない。(後述するデールヘメーンテがある場合を除く)

概要[編集]

ヘメーンテの最高機関は議会(gemeenteraad)である。ここが、立法だけでなく行政も担う。この点はイギリスの地方議会に類似する。議員数はアムステルダムで45人だが、最小のヘメーンテにおいては9人とされる。行政まで担う議会には首長がおかれる。首長は公選によらず、各州の弁務官・知事の推薦により国王が任命する。日本の行政と最も異なる点は、警察の所轄である。自治体警察は人口2万5000人以上のヘメーンテないし連合でないと所轄できない。この場合、国家警察の所轄となる。一方、財政構造は国庫助成金に依存している。さまざまな面におき、ヘメーンテはオランダの中央集権体制を象徴する。

なお、警察や消防防災に関しては、本土を25の区域に分割した治安・防災広域行政区域を採用している。本土の全てのヘメーンテはこの広域行政区域の一つに属し、区域内の他のヘメーンテと共同して警察や消防防災の事務を執行している。(日本における広域消防組合の仕組みに類似する)

デールヘメーンテ[編集]

なお、大規模なヘメーンテであるアムステルダムロッテルダムは、デールヘメーンテ(Deelgemeente)に細分化され、それぞれのデールヘメーンテに一部自治権が移譲されている。日本の政令指定都市行政区のような位置付けであるが、オランダでは区長・区議会議員の選挙があることなど自治権が広範に認められている。(日本に於いて戦前の三都の区には区会と区長がったのと類似する。)アムステルダムのデールヘメーンテは特にスタッズデール(Stadsdeel)と呼ばれている。

日本語訳[編集]

オランダのヘメーンテを日本語で言うとき、大規模な人口を有するヘメーンテの地区を便宜上「市」、中規模な地区を「町」、小規模な地区を「村」と翻訳することがあるが、行政上このような区別は存在していない。また、デールヘメーンテは前節の理由から「区」と翻訳されることが多い。