プレッジ (担保)

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プレッジ: pledge)は、英米法における担保または担保権の一種

  • 英米法における担保権の一種。日本の民法の質権に類似する[1][2]
  • 英米法で担保のこと[2]

担保権[編集]

英米法における担保権の一種であるプレッジ(pledge)は動産質または質入抵当と訳される[3]。債務者が債務を完済するまで債権者に自己の所有物を質入れする担保である[3]。弁済の約定期日までに債務者が完済すれば質物は返還される[3]

設定の目的が原則として動産とされている地域もある[4]。そのため動産質と訳されることもある[3]シンガポールのように不動産にも設定することができる地域もある[1]

リプレッジ[編集]

米国の統一商事法典(UCC)は占有を対抗要件とする担保権のほか支配を対抗要件とする担保権(投資財産、預金口座、信用状の権利、電子的動産担保証券)にも転担保(リプレッジ)を設定できるとしている[5]

ネガティブプレッジ条項[編集]

債権者と債務者の間で他の債務の担保として債務者のいかなる財産に対しても担保を設定しないとする財務上の特約をネガティブプレッジ条項(Negative pledge clause)、担保化否定条項または担保提供制限条項という[5]

脚注[編集]

  1. ^ a b 福島崇之. “財産調査及び責任追及の観点からみたシンガポール共和国の法制度”. 預金保険機構. 2019年7月14日閲覧。
  2. ^ a b 小山貞夫『英米法律語辞典』研究社、2011年、838頁、ISBN 9784767491073
  3. ^ a b c d 福田守利 『アメリカ商事法辞典』ジャパンタイムズ、1995年、209頁
  4. ^ 植田淳「イギリス担保物権法の特質について」『神戸外大論叢』第52巻第3号、神戸市外国語大学研究会、2001年9月、119-137頁、CRID 1050845764026482048ISSN 028979542024年1月15日閲覧 
  5. ^ a b 社債・CP・融資法制の構造と改革への視点”. 企業財務協議会 および 日本資本市場協議会. 2019年7月14日閲覧。

関連項目[編集]