プリメーラ・ディビシオン (アルゼンチン)1990-1991

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
プリメーラ・ディビシオン
年間王者のニューウェルズ
シーズン 1990-1991
優勝 ニューウェルズ (3回目)
昇格 キルメスAC
CAベルグラーノ
降格 CAラヌース
チャコ・フォーエバー
リベルタ杯1992

ニューウェルズ

ボカ
得点王 エステバン・ゴンサレス (18点)


この項では、アルゼンチンのプロサッカーリーグ1部、プリメーラ・ディビシオンの1990-1991シーズンについて記述する。このシーズンはプロ化以降通算61シーズン目であり、アペルトゥーラとクラウスーラ (前期リーグと後期リーグ)が導入された最初のシーズンである[1]

方式[編集]

前述のとおり、このシーズンから1回戦総当たりのリーグを2回戦う前後期制が導入された。対戦カードのホーム・アウェイの組み合わせは相互に逆である。導入初年度のこのシーズンでは、前期・後期の優勝チームが異なる場合はチャンピオンシップを行い年間王者を決めた。だが翌シーズン以降はしばらく廃止され、前期・後期どちらのタイトルも年間優勝1回分相当にカウントされるようになる。アルゼンチンのコパ・リベルタドーレス出場枠は2つであり、年間優勝を決めたチームがまず1枠目を獲得する。2枠目は、年間王者を除く前期・後期の上位計8チームによって争われるプレーオフ、「リギージャ・プレ・リベルタドーレス」を制したチームに与えられる。3シーズンの平均勝ち点順位表の下位2チームは、プリメーラB・ナシオナルに自動降格する。

1990-1991シーズンのチーム[編集]

昨シーズンまでの3季平均勝ち点で19位のラシン・デ・コルドバと最下位のインスティトゥートACコルドバが自動降格した。代わってプリメーラB・ナシオナル1989-1990優勝のCAウラカン、昇格プレーオフ1位のCAラヌースがプリメーラ・ディビシオンに昇格した。

チーム ホームタウン
アルヘンティノス・ジュニアーズ ブエノスアイレス
ボカ・ジュニアーズ ブエノスアイレス
CAチャコ・フォル・エベル レシステンシア
デポルティーボ・エスパニョール ブエノスアイレス
デポルティーボ・マンディジュ マンディジュ
エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ ラプラタ
フェロカリル・オエステ ブエノスアイレス
ヒムナシア・イ・エスグリマLP ラプラタ
CAウラカン ブエノスアイレス
CAインデペンディエンテ アベジャネーダ
CAラヌース ラヌース
ニューウェルズ・オールドボーイズ ロサリオ
CAプラテンセ ビセンテ・ロペス
ラシン・クラブ アベジャネーダ
CAリーベル・プレート ブエノスアイレス
CAロサリオ・セントラル ロサリオ
サン・ロレンソ・デ・アルマグロ ブエノスアイレス
タジェレス・デ・コルドバ コルドバ
ウニオン・デ・サンタフェ サンタフェ
ベレス・サルスフィエルド ブエノスアイレス

地域分布[編集]

地域 チーム数 チーム
ブエノスアイレス 8 アルヘンティノス、ボカ、エスパニョール、フェロカリル・オエステ、
ウラカン、リーベル・プレート、サン・ロレンソ、ベレス
ブエノスアイレス州 4 インデペンディエンテ、ラヌース、プラテンセ、ラシン
サンタフェ州 3 ニューウェルズ、ロサリオ・セントラル、ウニオン
ラプラタ 2 エストゥディアンテス、ヒムナシア・イ・エスグリマ
チャコ州 1 チャコ・フォル・エベル
コルドバ州 1 タジェレス
コリエンテス州 1 マンディジュー

トルネオ・アペルトゥーラ1990[編集]

1990年8月20日から12月22日まで行われ、ニューウェルズ・オールドボーイズが優勝しチャンピオンシップ出場を決めた。

順位 チーム 勝点 試合
1 ニューウェルズ・オールドボーイズ 28 19 11 6 2 30 13 17
2 リーベル・プレート 26 19 11 4 4 29 13 16
3 ベレス・サルスフィエルド 24 19 8 8 3 27 18 9
4 アルヘンティノス・ジュニアーズ 23 19 9 5 5 25 17 8
5 ロサリオ・セントラル 23 19 9 5 5 26 21 5
6 フェロカリル・オエステ 23 19 7 9 3 19 16 3
7 エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ 20 19 6 8 5 17 17 0
8 ボカ・ジュニアーズ 19 19 6 7 6 18 16 2
9 CAウラカン 19 19 5 9 5 20 19 1
10 CAインデペンディエンテ 18 19 6 6 7 21 22 -1
11 サン・ロレンソ・デ・アルマグロ 18 19 4 10 5 15 18 -3
12 タジェレス・デ・コルドバ 18 19 7 4 8 23 27 -4
13 ラシン・クルブ 17 19 2 13 4 19 21 -2
14 ヒムナシア・イ・エスグリマLP 16 19 2 12 5 15 20 -5
15 CAプラテンセ 16 19 5 6 8 16 22 -6
16 CAチャコ・フォル・エベル 16 19 6 4 9 19 28 -9
17 デポルティーボ・マンディジュ 15 19 4 7 8 17 21 -4
18 デポルティーボ・エスパニョール 14 19 4 6 9 18 24 -6
19 ウニオン・デ・サンタフェ 14 19 4 6 9 21 28 -7
20 CAラヌース 11 19 3 5 11 11 27 -16
チャンピオンシップ出場権獲得
リギージャ・プレ・リベルタドーレス出場権獲得

トルネオ・クラウスーラ1991[編集]

1991年2月22日から6月30日まで行われた。ボカ・ジュニアーズが優勝し、前期王者ニューウェルズとのチャンピオンシップ出場を決めた。

順位 チーム 勝点 試合
1 ボカ・ジュニアーズ 32 19 13 6 0 32 6 26
2 サン・ロレンソ・デ・アルマグロ 27 19 11 5 3 29 18 13
3 デポルティーボ・マンディジュ 23 19 8 7 4 20 13 7
4 ラシン・クラブ 23 19 9 5 5 23 22 1
5 CAインデペンディエンテ 22 19 6 10 3 22 15 7
6 ベレス・サルスフィエルド 21 19 7 7 5 25 22 3
7 CAウラカン 21 19 7 7 5 16 16 0
8 ニューウェルズ・オールドボーイズ 20 19 6 8 5 21 14 7
9 エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ 19 19 6 7 6 18 15 3
10 リーベル・プレート 19 19 4 11 4 19 19 0
11 CAプラテンセ 19 19 5 9 5 11 16 -5
12 CAラヌース 18 19 5 8 6 15 16 -1
13 ウニオン・デ・サンタフェ 18 19 3 12 4 21 26 -5
14 ヒムナシア・イ・エスグリマLP 17 19 4 9 6 16 22 -6
15 ロサリオ・セントラル 16 19 4 8 7 15 23 -8
16 フェロカリル・オエステ 15 19 2 11 6 15 20 -5
17 デポルティーボ・エスパニョール 14 19 4 6 9 22 25 -3
18 アルヘンティノス・ジュニアーズ 13 19 3 7 9 19 30 -11
19 CAチャコ・フォル・エベル 12 19 1 10 8 15 26 -11
20 タジェレス・デ・コルドバ 11 19 4 3 12 24 34 -10
チャンピオンシップ出場権獲得
リギージャ・プレ・リベルタドーレス出場権獲得

前後期通算順位表[編集]

順位 チーム 勝点 試合
1 ボカ・ジュニアーズ 51 38 19 13 6 50 22 28
2 ニューウェルズ・オールドボーイズ 48 38 17 14 7 51 27 24
3 リーベル・プレート 45 38 15 15 8 48 32 16
4 ベレス・サルスフィエルド 45 38 15 15 8 52 40 12
5 サン・ロレンソ・デ・アルマグロ 45 38 15 15 8 44 36 8
6 CAインデペンディエンテ 40 38 12 16 10 43 37 6
7 CAウラカン 40 38 12 16 10 36 35 1
8 ラシン・クルブ 40 38 11 18 9 42 43 -1
9 エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ 39 38 12 15 11 35 33 2
10 ロサリオ・セントラル 39 38 13 13 12 41 44 -3
11 デポルティーボ・マンディジュ 38 38 12 14 12 37 34 3
12 クルブ・フェロ・カリル・オエステ 38 38 9 20 9 34 36 -2
13 アルヘンティノス・ジュニアーズ 36 38 12 12 14 44 47 -3
14 CAプラテンセ 35 38 10 15 13 27 38 -11
15 ヒムナシア・イ・エスグリマLP 33 38 6 21 11 31 42 -11
16 ウニオン・デ・サンタフェ 32 38 7 18 13 42 54 -12
17 タジェレス・デ・コルドバ 29 38 11 7 20 48 61 -13
18 CAラヌース 29 38 8 13 17 26 43 -17
19 lデポルティーボ・エスパニョール 28 38 8 12 18 40 49 -9
20 CAチャコ・フォル・エベル 28 38 7 14 17 34 54 -20

3シーズンの平均勝ち点順位表[編集]

19位のチャコ・フォーエバーと20位のCAラヌースは来季プリメーラB・ナシオナルへの自動降格が決まった。

順位 チーム 平均 1988-89 1989-90 1990-91 合計勝ち点 試合数
1 ボカ・ジュニアーズ 1.254 49 43 51 143 114
1 リーベル・プレート 1.254 45 53 45 143 114
3 CAインデペンディエンテ 1.236 55 46 40 141 114
4 サン・ロレンソ・デ・アルマグロ 1.070 42 35 45 122 114
5 ラシン・クルブ 1.061 42 39 40 121 114
6 CAウラカン 1.052 - - 40 40 38
7 ベレス・サルスフィエルド 1.052 33 42 45 120 114
8 ニューウェルズ・オールドボーイズ 1.043 35 36 48 119 114
9 ロサリオ・セントラル 1.035 36 43 39 118 114
10 アルヘンティノス・ジュニアーズ 1.017 42 38 36 116 114
11 エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ 1.008 42 34 39 115 114
12 タジェレス・デ・コルドバ 0.956 44 36 29 109 114
13 ヒムナシア・イ・エスグリマLP 0.947 36 39 33 108 114
14 デポルティーボ・マンディジュ 0.938 33 36 38 107 114
15 クルブ・フェロ・カリル・オエステ 0.938 30 39 38 107 114
16 デポルティーボ・エスパニョール 0.921 46 31 28 105 114
17 CAプラテンセ 0.912 33 36 35 104 114
18 ウニオン・デ・サンタフェ 0.894 - 36 32 68 76
19 CAチャコ・フォル・エベル 0.789 - 32 28 60 76
20 CAラヌース 0.763 - - 29 29 38

チャンピオンシップ[編集]

ホームでの第1戦に勝利したニューウェルズは、強い雨が降りしきる敵地での第2戦に敗れてPK戦に持ち込まれた。不利な環境ながらもこのPK戦を制して3度目の優勝を飾ったことは、ニューウェルズのファンに強い印象を残している。のちにサッカーアルゼンチン代表などを率いるマルセロ・ビエルサは、これが初めての国内メジャータイトル獲得であった。おなじく21世紀にアルゼンチン代表監督を務めることになる、当時18歳のヘラルド・マルティーノもニューウェルズの選手として先発で出場したが、前半途中で負傷交代した[2]

ホーム 結果 ビジター 会場 試合日
ニューウェルズ・オールドボーイズ 1 - 0 ボカ・ジュニアーズ ヒハンテ・デ・アロジート 7月6日
ボカ・ジュニアーズ 1 - 0
(1 - 3) (pen.)
ニューウェルズ・オールドボーイズ ラ・ボンボネーラ 7月9日

リギージャ・プレ・リベルタドーレス[編集]

チャンピオンシップ終了後、その敗者であるボカ・ジュニアーズを交えた前期・後期の上位チームがホーム・アンド・アウェー2戦制のトーナメントを戦った。決勝でボカを破ったサン・ロレンソ・デ・アルマグロが第2出場枠を獲得し、年間王者ニューウェルズとともにコパ・リベルタドーレス1992に出場することが決まった。

  準々決勝
7月13日 - 21日
準決勝
7月28日・ 8日4日
決勝
8月8日・11日
                                   
ラシン・クルブ 0 5 5  
ベレス 3 1 4  
  ラシン・クルブ 1 0 (2) 1  
  ボカ (PK)  1 0 (4) 0  
アルヘンティノス 1 0 1
 ボカ 0 2 2  
  ボカ 0 0 0
  サン・ロレンソ 1 1 2
サン・ロレンソ 1 2 3  
 インデペンディエンテ 1 1 2  
  サン・ロレンソ (PK) 0 0 (4) 0
  リーベル 0 0 (1) 0  
マンディジュ 0 0 0
リーベル 2 2 4  

出典[編集]

  1. ^ Alejandro Rebossion (2012年5月10日). “El fin del Apertura y el fin del Clausura”. エル・パイス. 2022年4月23日閲覧。
  2. ^ Newell's, Martino y la hazaña ante Boca en 1991”. Infobae (2013年5月28日). 2022年4月23日閲覧。


外部リンク[編集]

RSSSF:Argentina 1990/91