プラヴォ・ヤズディ

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プラヴォ・ヤズディ (Prawo Jazdy) は、アイルランドにおいて交通違反を繰り返したとされていた架空のポーランド人。本来は「運転免許証」を意味するポーランド語であるが、これをアイルランド警察が人名と誤認してしまったことから生じた。

発端[編集]

ガーダ(アイルランドの警察官)

アイルランドは1990年代から「ケルトの虎」と呼ばれるほどの経済成長が進み、ポーランドなどの旧東側諸国から労働者を受け入れていた。しかしその一方で、アイルランド警察はポーランド出身の人物「プラヴォ・ヤズディ」に手を焼いていた。ヤズディはアイルランドの国内各地でスピード違反や駐車違反など、およそ50件の交通違反を繰り返していたが、取り締まりのたびに住所が異なっているなど不審な点が見られた。そこでアイルランド警察はプラヴォ・ヤズディというポーランド人について調査を開始した。

真相[編集]

ポーランドで発行される運転免許証 - アイルランドの警察官は右上に書かれた PRAWO JAZDY を運転手の名前と勘違いした。なお、この式様の運転免許証は2013年1月19日をもって発行終了となった。

アイルランド警察がプラヴォ・ヤズディについて調査した結果、意外な真実が明らかになる。実は Prawo Jazdy とはポーランド語で「運転免許証」という意味であることがわかったのである。すなわちプラヴォ・ヤズディというなぞの人物の真相とは、交通違反を犯した運転手のポーランド人から提示された、ポーランドで発行された運転免許証の冒頭に書かれている PRAWO JAZDY を、取り締まりにあたった警察官が運転手の名前と誤認していた事例が50件近く繰り返されていたというものであった。しかも取り締まりのたびに違反者のデータベースに Prawo Jazdy という人物が登録されたために、その存在性を高めてしまっていたのである。この真相は2007年6月の日付が入った警察の内部メモにまとめられており、そのメモには「プラヴォ・ヤズディという人物を創り上げてしまったことはきわめて恥ずべきことだ」と書かれている。

「怪人物プラヴォ・ヤズディ」の一連の経緯は2009年2月にアイルランドの新聞が上述の内部メモを入手したことで報じられ、それらの記事のなかには「警察がたった2つのポーランド語の単語を知ってさえいれば、プラヴォ・ヤズディという悪名高いポーランド人ドライバーが出現することはなかった」と揶揄するものもあった。

アイルランド警察はこのことによって2009年度のイグノーベル賞文学賞を受賞した。


参考[編集]

関連項目[編集]