プラット・アンド・ホイットニー R-2800

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
R-2800-21

R-2800(通称:ダブルワスプエンジン)は、アメリカプラット・アンド・ホイットニーによって開発・製造された空冷星型複列18気筒の航空用エンジン第二次世界大戦期において、F4UコルセアP-47サンダーボルト、グラマンF6Fヘルキャットなどのアメリカの主力戦闘機やダグラスA-26インベーダーなどの爆撃機に採用され大いに活躍した。

特筆すべき事項として、大出力発揮に比例して生じるクランク・シャフトの二次元的振動を前後両端に2倍の速さで逆回転するダイナミックバランサー(慣性平衡装置)を取り付けることで解決させたことが挙げられる(一方、大戦時の日本側技術陣は墜落したアメリカ機からその存在を確認できたにも関わらず、その重要性を理解できずに国産発動機にこの機構を採用せず、結果として終戦まで高出力発動機の振動問題に悩まされていた事から、このR-2800こそが大戦時における日米間の技術力の決定的な乖離を象徴する発動機だったと見る向きもある)。

主要諸元[編集]

R-2800-8[編集]

  • タイプ:空冷星型18気筒
  • ボア×ストローク:146 mm×152.4 mm
  • 排気量:45.9 L
  • 全長:2,241 mm
  • 直径:1,321 mm
  • 乾燥重量:1,000 kg
  • 過給機:遠心式スーパーチャージャー2段2速
  • 燃料供給方式:キャブレター
  • 離昇馬力:2,000 hp/2,700 rpm
  • 高度馬力 
    • 1,675 hp/2,550 rpm(高度1,676 m)
    • 1,550 hp/2,550 rpm(高度6,705 m)

採用機[編集]

製造元 機体名
Curtiss Wright C-46 (R5C)、P-60A/E、XC-113、XF15C、SB2C-6
Douglas A-26、JD-1、XC-112A、DC-6 (C-118, R6D)
Fairchild C-82、C-123B
Goodyear FG-1/3/4
Grumman F6F、F7F、F8F、AF-2W/S
Lockheed RB-24 (PV-1)、PV-2、C-69E
Martin B-26 (JM-1/2)、AT-23、PBM-5、Model 202,A、4-0-4 (RM-1)
North American XB-28、AJ-1/2
Northrop XP-56、P-61 (F2T)、F-15F (RF-61)
Republic P-47
Vought AU-1、F4U、XTBU-1

その他Aero Nord、Aero Sud-Ouest、Bell、Breguet、Brewster、Chase、Consolidated Vultee、Eastern、Fairchild、Hughes、Sikorsky、Stroukoff、Warwick、Vulteeなどに提供され、1939年から1960年の間に125,334機の生産が行われた。[1]

ワスプシリーズ[編集]

  • R-1340 ワスプ
  • R-985 ワスプ・ジュニア
  • R-1535 ツインワスプ・ジュニア
  • R-1830 ツインワスプ
  • R-4360 ワスプ・メジャー

脚注[編集]

関連項目[編集]