プラタナス
スズカケノキ属 | ||||||||||||||||||
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![]() フランス北部
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Platanus L. | ||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||
スズカケノキ属 | ||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||
sycamore、plane tree |
プラタナス(学名: Platanus)は、スズカケノキ科スズカケノキ属に属する植物の総称。街路樹・庭園樹として広く用いられている。北半球に自生する樹木であるが、種の数は少ない。大抵30–50 mの高さに育つ。P. kerriiを除いてすべてが落葉性であり、殆どが水辺や湿地で見られ、栽培時に旱魃に耐性があることが証明されている。雑種であるモミジバスズカケノキは都市部でも育ちやすいことが証明されている。
プラタナスの語源は、ギリシャ語の platys(広い)であり、大きな葉に由来する[1]。また、英語では、planes、plane treesと呼ばれる[1]。また、北アメリカの種(特に、アメリカスズカケノキ)は、シカモア(sycamore)と呼ばれることも有るが、もとはエジプトイチジク(学名:Ficus sycomorus)がそう呼ばれており、セイヨウカジカエデも同様にシカモアと呼ばれる[2]。
外来種であり、和名はスズカケノキ。スズカケとは篠懸、もしくは鈴懸とも書き、山伏の装束のことである。大峰山の山伏が胸に装着する「結袈裟」につける球形の房(梵天という)に、本種の果実が似るところからきた。
特徴[編集]
葉が大きく落葉樹である(夏は木陰を作り、冬は陽を遮らない)、虫がつきにくい(下に毛虫が落ちてこない)等の特徴から街路樹に適する。ニレ、ボダイジュ、マロニエとともに世界四大街路樹の一つに数えられる[3]。海外では古くから街路樹に使われていたが、日本には明治初期に輸入され、目黒林業試験場のほか新宿御苑、日比谷公園に少数が植えられていたのみであった。明治40年、東京市の都市計画の中で街路樹として初めて採用され、新宿御苑から挿し木用の枝を採取して2万本を目標に培養し、明治43年に当時の芝区桜田本郷町に十数本が植えられたのが街路樹としての最初である。翌44年には神田御徒町に397本、日本橋に63本が植えられ、以後普及を見るに至った[4]。
樹皮が剥がれるとまるで迷彩柄のような見た目になる。 1937–1942年、Johann Georg Otto Schickによってデザインされた ドイツのPlatanenmuster 迷彩パターンは最初のドット迷彩パターンである[5]。
主な種[編集]
- Platanus gentryi
- Platanus kerrii
- Platanus mexicana
- アメリカスズカケノキ Platanus occidentalis
- スズカケノキ Platanus orientalis
- Platanus racemosa
- Platanus rzedowskii
- Platanus wrightii
- モミジバスズカケノキ Platanus x acerifolia(スズカケノキとアメリカスズカケノキの雑種)
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特徴的な樹皮
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モミジバスズカケの葉
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日本のプラタナス発祥の地・新宿御苑のプラタナス並木
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プラタナスの実
プラタナスが登場する作品[編集]
- 音楽
- 「オンブラ・マイ・フ」(ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル)、詩はプラタナスの木陰への愛を歌ったもの。
- 「鈴懸の木の道で「君の微笑みを夢に見る」と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの」(AKB48)
- 「やさしさなら間に合ってる」 (乃木坂46)
- 「Gradation」(五十嵐浩晃 Duet With RAJIE)
- 「家路」(拝郷メイコ)
- 「永遠」(BoA)
- 「永遠のたそがれ」(斉藤由貴)
- 「風」(はしだのりひことシューベルツ)
- 「風のInvitation」(福永恵規)
- 「白い天使が降りてくる」(RAG FAIR)
- 「主人公」(さだまさし)
- 「鈴懸の径」(佐伯孝夫)(灰田有紀彦)(灰田勝彦)
- 「星のルージュリアン」(松任谷由実)
- 「September Blue Moon」(松任谷由実)
- 「サンドキャッスル」(松任谷由実)
- 「小さな街のプラタナス」(小椋佳)
- 「ハロー・グッバイ」(柏原よしえ他)
- 「Bitter Memories」(爆風スランプ)
- 「冬来たりなば」(堀込高樹(キリンジ))
- 「プラタナス」(ACIDMAN)
- 「星降る街角」(敏いとうとハッピー&ブルー)
- 「真冬の帰り道」(ザ・ランチャーズ)
- 「プラタナスの葉末に風は眠る」(ALI PROJECT)
- 「Atlas」(二枚目 (アルバム) ゴスペラーズ)
- 「プラタナス」(BARICANG)
- 「別離(わかれ)」(サザンオールスターズ)
- 「E-JAN」(忌野清志郎)
- 「たそがれの銀座」(黒沢明とロス・プリモス)
- 文学
脚注[編集]
- ^ a b Plane - Online Etymology Dictionary
- ^ Merriam Webster.
- ^ 田中潔『知っておきたい100の木:日本の暮らしを支える樹木たち』主婦の友社〈主婦の友ベストBOOKS〉、2011年7月31日、119頁。ISBN 978-4-07-278497-6。
- ^ 東京市編「東京市道路誌」462p 昭和14年
- ^ Beaver,, Michael D.; Borsarello, J. F. (1995). Camouflage Uniforms of the Waffen-SS. Schiffer. p. 202. ISBN 1-84176-854-5
参考文献[編集]
- 茂木透写真『樹に咲く花 離弁花2』高橋秀男・勝山輝男監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2000年、6-13頁。ISBN 4-635-07004-2。
- “Sycamore”, Merriam-Webster Online Dictionary 2009年8月4日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- "Platanus L." (英語). Integrated Taxonomic Information System. 2011年11月28日閲覧。 (英語)
- "Platanus". National Center for Biotechnology Information(NCBI) (英語). (英語)
- Platanus - Encyclopedia of Life(英語)
- 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)”. 2012年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年11月28日閲覧。