プラウシオン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

プラウシオン(-PROUSION、PROUSION、/praʊʃ(ə)n/)は、数種類の鉱石等の特殊混合体である。

厚生労働省の機能性表示食品における信頼性担保の為のデータ取得とエビデンスの提示は、食品以外の健康関連品にとっても必要な条件であるとして、機能性表示素材としてエビデンスを得ることを第一義に開発された。

素材としての応用範囲が広く、含有、含浸する材料に即してμ-nサイズに粉砕されたものである。

概要[編集]

1990年代初頭から、生体内ではなく生体外から生体バランスを調整しうる事を目的として開発された。多種混合体である為、それぞれが比重、硬度、効能に差異を持ち、その配合によって効能に影響する事から困難な研究であったが、1994年にアスリートに対するメンタル・パフォーマンスアップの研究により基本の配合比率が確定したとされる。その作用は一般に健康産業でよく言われる遠赤外線効果マイナスイオン効果ではなく、生体に触れる事、身につける事で反応が起こる触媒・共鳴作用による末梢血液循環の改善等に現れる。これは Primary Restoration 作用✽bであり、医薬品のように強制的に変化させる作用ではない為、開発初期以来、副作用は一切報告されていない。非常に微量な配合率で効果が確認される為、様々な原材料からなる製品に活用する事が可能で、” Wearable supplement “や“ 生体環境調整作用素材 ”とされ、“ PROUSION(プラウシオン)効果 ” と言われる。素材としてのプラウシオンは還元系であり、高い酸化還元能を持つ。その為、天然系のものであれば大概のものに含有、含浸させる事が可能で同様の効果が期待できるが、石油系、化学系等の酸化能がある物質とは合わない。原材料、混合材料、研究成果、商標は、2004年から「特定非営利活動法人 日本健康事業促進協会」が管理している。製品応用に際して機能性表示に拘ったエビデンス重視の素材で、効果の研究結果は各種学術会議等で発表されている。

学術研究[編集]

 2001年(〜2005年)に中国・上海の復旦大学 医学院 中華薬物研究室(Department of Pharmacology, School of Pharmacy, Fudan University Shanghai, China)と共同研究が締結された。実験ではまず動物実験で無毒性✽c、更に「活性酸素(フリーラジカル)の除去」「SOD(抗酸化酵素)の賦活化」が確認され、第12回 中日薬理学会 併 第8回 国際遺伝性高血圧学会 で発表された1)

 2005年から(〜2010年)は、日本・郡山の日本大学 工学部 次世代工学技術開発センター(Worldwide Research Center for Advanced Engineering & Technology, College of Engineering, Nihon University, Japan)と「代替医療物質プラウシオンの医療工学的研究」締結のもとに研究された。この研究で「SOD1 mRNAの賦活化」や「MyoD mRNAの賦活化」がされる事が確認され、第21回 日本トレーニング科学会 大会で発表された2)

 これらの研究結果をもとに、2010年代から代替医療物質として研究が続けられ、特に含有、含浸させた製品の機能性についてのエビデンスが公表されている。

 当初のものと比べると混合物や配合比率、製品化での配合率、また効果、効能が進化しているとされる。当初は2種類の混合体で、1990年代後半には3種類〜7種類の混合体とされ、現在は第七世代とされるが混合の種類は公表されていない。

 分析すれば元素は解析できるが、鉱石の種類が公表されておらず、更に特殊な配合率、製法で作られている事から詳細が解らず、敢えて特許申請はされていない。

 主たる効果は、活性酸素除去1)2)末梢血液循環改善3)4)9)11)12)14)自律神経系安定5)6)である。これにより、ストレスホルモンの分泌低下5)14)α脳波の増幅6)、睡眠の質改善などが認められ、各種学術会議で発表されている。

1)PAN Jia-Hu, et.al. : Effects of PROUSION on scavenging free radicals, The 12th China-Japan joint Meeting on Pharmacology & The 8th International Symposium on Biopetides Medical Sciences, Shanghai, China, Oct. 27-30, 2002

  Effects of prousion on scavenging free radi­cals, Acta Pharmacologica Sinica, 24 (4), p. 347-348, 2003

  Effects of prousion on rabbit models with high plasma lipid, Acta Pharmacologica Sinica, 24 (4), p. 356-357, 2003

2)安納弘道 他『ジャンプトレーニング後の遠赤外線環境暴露がマウス下肢骨格筋に与える影響』第21回 日本トレーニング科学会 大会, 2008年

3)橋本政和『PROUSION含有品の末梢血流に対する作用-1:含有クリーム』第2回 日本健康促進医学会 共同国際会議, 2015年

4)橋本政和『PROUSION含有品の末梢血流に対する作用-2:含浸繊維』第3回 日本健康促進医学会 共同国際会議, 2016年

5)橋本政和 他『PROUSION配合クリームによるストレス軽減作用の検討』第4回 日本健康促進医学会 共同国際会議, 2017年

6)橋本政和, 亀井勉『複数種混合ミネラルPROUSIONによるα波増幅効果』第21 回 日本補完代替医療学会 学術集会 一般演題27, p.69-70, 2018年

7)橋本政和, 榊信一『PROUSION配合クリームを活用した筋膜施術による末端冷え性の改善報告』第11回 国際健康健美長寿フォーラム, 2019年

8)橋本政和, 亀井勉『PROUSION透過ミネラルウォーターの生体に対する安全性試験』第11回 国際健康健美長寿フォーラム, 2019年

9)橋本政和『PROUSION含浸品の継続使用による末梢血流改善効果』第11回 国際健康健美長寿フォーラム・博覧会, 2019年

10)橋本政和『複数種無機ミネラル混合PROUSIONの触媒としての作用の検討』第11回 国際健康健美長寿フォーラム・博覧会, 2019年

11)橋本政和『複数種鉱石粉砕物含有『24-7ジュエリー』の末梢血液循環 および 体温に対する効果についての検討』第24回 日本統合医療学会 学術大会, 2020年

12)[1]橋本政和, 村田幸治『複数種鉱石粉砕物"PROUSION"含有マスクの末梢血液循環 及び ストレスに対する効果についての検討』第1回 日本機能性香料医学会 併 日本ヘルスケアプロダクツ研究会 学術総会, 2020年, ヘルスケアプロダクツ  1(1):  40-46  2021

13)橋本政和『生体環境調整作用素材 "PROUSION" 含有貴金属製品の酸化還元電位測定報告』第2回 日本機能性香料医学会 併 日本ヘルスケアプロダクツ研究会 学術総会, 2021年

14)橋本政和 他『鉱物混合体粉体の微細化要望に応える開発事業』経済産業省 中小企業生産性革命推進事業「令和元年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金に係る補助金交付」独立行政法人中小企業基盤整備機構, 2021-2022年


✽a Mental Build-up System:脳波コントロールと自律訓練法等によるリラクセーションと脳力開発のシステム。企業研修やアスリートに応用、活用される。ストレス・コントロール、メンタル・リハーサル、ブレイン・キャパシティ・アップを目的としている。スピリッチュアル系や心理学ではなく、生理学的アプローチでボディ・ビルディングならぬメンタル・ビルディング行うシステムとして提唱する。メンタルヘルス検定「セルフケアコース」(大阪商工会議所)副学習映像教材((株)日本マンパワー)としても活用されている。

✽b Primary Restoration 作用:生活習慣や環境により生体はストレスを受けるが、生体恒常性(homeostasis)により個体またはシステムとしての秩序を安定した状態に戻そうとする。戻れずにその閾値を超えた時に、様々な失調が起き更に様々な病態に進行する。ここではその生体恒常性を補助し、個体の本来性に回帰させる作用を示す。

✽c 潘家祐 他『プラウシオン素材の生体に対する急性毒性測定』復旦大学医科学院 中華薬物研究室「プラウシオン研究(8)」, 2002

脚注[編集]