ハンマーブロス

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ブーメランブロスから転送)
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ハンマーブロス
マリオシリーズのキャラクター
初登場作品スーパーマリオブラザーズ
作者宮本茂

ハンマーブロス (Hammer Bros.) は、任天堂が発売したコンピュータゲームソフト「マリオシリーズ」に登場する架空のキャラクター。同社の登録商標。

概要[編集]

2足歩行をするカメ。頭にヘルメットを被っており、マリオに向かって無数のハンマーを投げてくる。ノコノコメットとは違い、踏みつけても甲羅にはこもらない。

1985年発売のファミリーコンピュータ用ソフト『スーパーマリオブラザーズ』で初登場。「ブロス」とは元々は「ブラザーズ(兄弟)」の略で、その名のとおり2匹1組で登場する場合が多いが、単独で出現することもある(この場合、英名は「Hammer Bro.」と単数形になっているが、日本名では区別されていない)。

大量のハンマーを連続で投げて攻撃し、また不規則にジャンプするので、ほかの敵と比べて対処しにくい。また、踏んで倒そうとするとハンマーに当たる可能性が高く、ノーマルの状態では倒すのがとても難しい。一定時間放置していると歩き回りマリオを追ってくるが、『スーパーマリオブラザーズ2』では最初から前進してくる者もいる。また、『スーパーマリオブラザーズ』と『スーパーマリオブラザーズ2』ではワールド7のクッパの正体でもある。『スーパーマリオコレクション』からはハンマーを投げるとき、「ヒョイヒョイ」という効果音がするようになった。『マリオパーティ3』以降は靴を履くようになった。

基本的にはトゲノコカメックなどと同様に、クッパ軍団の上級兵士として登場する。

スーパーマリオスタジアム ミラクルベースボール』や『スーパーマリオストライカーズ』シリーズ、『マリオパーティ8』にはプレイヤーキャラクターとしてゲッソーとともに登場している。

スーパーマリオRPG』では、キノコ城への道を阻むマッシュロードのボスとして登場(ここでも2匹1組)。倒せばそのハンマーを武器として入手できる。また、「カルディ」という味方のハンマーブロスも登場する。カルディはパズル好きで、パズルを解くと先に進ませてくれる。

マリオパーティ』シリーズなどにも登場し、雲に乗っている者や2つのハンマーを同時に投げてくる者、コインを落としてくる者なども現れている。また、ハンマーの威力も上がり、潰したり、小さくさせたりできるようにもなった。『マリオパーティ8』ではプレイヤーキャラクターとして登場する。

スーパーマリオスタジアム ミラクルベースボール』でもプレイヤーキャラクターとして登場しているが、使用できるようになるのはかなり後。バット代わりに使うハンマーの威力はすさまじく、クッパにも勝るとも劣らない強力なパワーでホームラン級の当たりを連発するが、ハンマーだけありミートエリアが狭いという欠点も持つ(逆にいえば、中途半端に打って凡退することがないとも言える)。色違いでブーメランブロスとファイアブロスも登場。ブーメランブロスはブーメランをバット代わりに使い、カーブを描く打球を打つという特徴がある。得物を持たないファイアブロスは炎の絵柄のバットを使うが、縦のままで振るのでほかのブロス同様ミートエリアが狭い。いずれもパワータイプに属している。同じカメ族のクッパの他、クッパJr.とも相性が良い。

Dance Dance Revolution with MARIO』にも登場しており、以降のシリーズでブレイクダンスを披露することもある。

『スーパーマリオスタジアムミラクルベースボール』では少し不気味な声だったが、2006年『スーパーマリオストライカーズ』以降の作品では、声優の高城元気が務め、活発な声で喋るようになった[1]

大乱闘スマッシュブラザーズX』、『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』では、戦いを支援する“アシストフィギュア”としてゲスト出演し、近くにいる敵にハンマーを投げつける。そのほか、『X』のアドベンチャーモードの「亜空の使者」や『3DS』のフィールドスマッシュでは、敵キャラクターとしても登場している。『SPECIAL』ではアタッカースピリットにもなった。

スーパーマリオギャラクシー2』で3Dアクションに初出演する(『スーパーペーパーマリオ』は除く)。ハンマーをマリオたちに向けて正確に放つようになり、踏みつけやスピンに一度は耐えられるようになった。

マリオスポーツ スーパースターズ』では、サッカーと野球で登場し、力のあるプレーをする。

スーパーマリオ オデッセイ』では、ハンマーの代わりにフライパンを投げてくるものも存在する。

ハンマーブロスの生みの親は株式会社SRDプログラマーである森田和明[2]

登場作品[編集]

個別[編集]

カルディ
『スーパーマリオRPG』に登場する、パズルが好きなハンマーブロス。前述のとおり、マリオに友好的。
エムシー
『ペーパーマリオRPG』に登場する闘技場上位ランカーのハンマーブロス。ファイアブロス、ブーメランブロスとトリプルブロスというチームを組んでいる。マリオとは同じ控え室仲間であり、ライバルでもある。ハンマー職人の祖父とサラリーブロスの父を持つ。
ブロス隊長(Hammer Bro. captain)
『スーパープリンセスピーチ』に登場するハンマーブロス軍団のボスでクッパの側近。キド・アイラック島にてキド・アイラックの杖を強奪した他マリオ達を捕まえる事にも成功している。黒い甲羅で一部トゲのついたものを背負っている。ピーチとの対戦時には『怒』状態になり速度を増してブロス隊と共に攻撃してくる。
ブロス軍団(Army Hammer Bro.)
『スーパープリンセスピーチ』に登場。

ハンマーブロスの派生種[編集]

ハンマーブロスを皮切りに、マリオシリーズには「ブロス系キャラクター」、「ハンマーブロスの仲間」と呼ばれるキャラクターが登場した。以下はその一例である。

ブーメランブロス(Boomerang Bro.)
『スーパーマリオブラザーズ3』から登場。ブーメランを最大2発投げてくる。投げたブーメランは戻ってくる。無敵マリオでブーメランを掻き消せる。
『スーパーマリオアドバンス4』ではカードe+リーダーにより特定コースにのみ青いブーメランをもった特殊なブーメランブロスが登場し、投げているときに倒せばブーメランを奪うことができる。また、このブーメランはマップアイテムとしても登場する。
『スーパーマリオ 3Dランド』にはマリオのパワーアップとして、ブーメランブロスをイメージした「ブーメランマリオ」が登場する。また、その変身アイテムである「ブーメランフラワー」をブーメランブロスが落とすこともある。
『スーパーマリオギャラクシー2』、『スーパーマリオ 3Dランド』のブーメランは踏みつけなどで破壊することができる。
イメージカラー(ヘルメット、甲羅、靴の色)は基本的に青。
『マリオ&ルイージRPG』にはマメーリア王国に同名の亜種が登場し、サングラスを掛けているなど、見た目も異なる。『マリオ&ルイージRPG1 DX』では従来のブーメランブロスも登場したことで、亜種の方がブーメランマメブロスに改名された。
ファイアブロス(Fire Bro.)
『スーパーマリオブラザーズ3』から登場。ファイアマリオと同様のファイアボールで攻撃する。『スーパーマリオブラザーズ3』では口からファイアボールを吐くが、『New スーパーマリオブラザーズ』以降は手から投げる。性質はマリオのものとほぼ同じ。ファイアボールは無敵マリオで掻き消せる。『スーパーマリオブラザーズ3』ではワールド2のある場所にて上下に待避場所のない場所で2匹組で登場し、ファイアボールを短い間隔で吐いてくるため、滞空時間の長いしっぽマリオでもよけるのは難しい。ワールド8でも登場。イメージカラーは赤。
アイスブロス(Ice Bro.)
『New スーパーマリオブラザーズ Wii』から登場。アイスボールを手から投げる。アイスボールに当たったものは敵味方問わず凍ってしまう。動作は概ねファイアブロスと同じだが、アイスボールの描く軌道はファイアボールとは異なり、高く、近くに落ちる。イメージカラーは水色。
ヒマンブロス / メガブロス(Sledge Bro.)
『スーパーマリオブラザーズ3』から登場。名称は『スーパーマリオブラザーズ3』ではヒマンブロス、『New スーパーマリオブラザーズ』以降ではメガブロスと異なる。
かなり太った肥満のハンマーブロス。ヘルメット・甲羅・色はハンマーブロスと同じだが、靴は履いていない。ジャンプの際に震動を起こすことが可能で、食らうと少しの間動けなくなるが、ジャンプで回避できる。また、地震で真下のブロックを破壊することもある。
『スーパーマリオメーカー』では全てのスキンで登場、初出の『スーパーマリオブラザーズ3』のスキンでも名称がメガブロスとなった。
アッパレ
『スーパーマリオワールド』から登場。パタブロックの上に乗っており、そこからハンマーを落としてくる。空を飛んでいるが、一定の区間を往復しているのみである。倒してもパタブロックは残るため、足場にできる。英語名は「Amazing Flyin' Hammer Bro.(アメイジングフライングハンマーブロス)」で、ハンマーブロスの亜種とされている。
スーパープリンセスピーチ』の「楽」状態のものは攻撃せず眠ってしまう。
K・K
『スーパーマリオワールド』から登場。四股を踏むと真下に雷が落ち、地面が燃え上がる。英語名は「Sumo Bro.(スモウブロス)」で、ハンマーブロスの亜種とされている。「New スーパーマリオブラザーズ U」「ペーパーマリオ オリガミキング」では巨大な「ボスK.K.」も登場する。「オリガミキング」ではオリビアから「カミナリ兄弟」と呼ばれていた。上から踏めない。
トゲブロス(Spiky Pirate)
ワリオランド』シリーズの中ボスキャラクター。全身にトゲがあり、体もかなり大きい。の中に潜ることもできる。
ノコブロス(Koopa Bros.)
『マリオストーリー』に登場。4匹で1グループのボス。ブロスと名乗っているものの、その姿はノコノコそのもので、本来の意味である「ノコノコの兄弟」という意味合いが強い。合体して「ノコブロス スクリューアタック」という技を繰り出せる。また、自作のクッパ型ロボットに乗ることもできる。そのロボットはクッパからも褒められたとのこと。昔はノコノコ村で生活する普通の4兄弟だったが、刺激を求めてクッパ軍団に入った。
ヨーヨーブロス(Yo Bro.)
『マリオ&ルイージRPG』に登場。ヨーヨーを両手に持っており、それでマリオたちを攻撃してくる。大道芸人のような格好をしている。
ワンマーブロス(Chomp Bro.)
『マリオ&ルイージRPG』に登場。ワンワン型のハンマー、「ワンマー」を持っており、ハンマー投のようにそれを投げてくる。ワンマーは戻ってくる。ほかのブロス系キャラクターと比べ、かなりマッチョなのが特徴。ただし、ワンマーを踏むと自信をなくすのか、攻撃しなくなりそのうち戦闘から逃げ出す。
リンボーブロス(Limbo Bro.)
『マリオ&ルイージRPG』に登場。砂漠に住むブロスの一種。打撃攻撃だけでなく、手に持った松明でも攻撃してくる。バクショー遺跡では黄色の肌、デヘヘバレーでは緑色の肌をした同名の2種類が存在しており、後者は『マリオ&ルイージRPG1 DX』にて区別のためオコリンボーブロス(Elite Limbo Bro.)に改名された。
カゲハンマーブロス
カゲの力を有したハンマーブロス。ステータスも高く、強敵である。同様に「カゲブーメランブロス」、「カゲファイアブロス」も存在する。
ペーパーハンマーブロス
マリオ&ルイージRPG ペーパーマリオMIX』で登場。ペーパーマリオシリーズに登場するハンマーブロスを、「ペーパーハンマーブロス」と呼ぶ。
ペーパーファイアブロス
『マリオ&ルイージRPG ペーパーマリオMIX』で登場。ペーパーマリオシリーズに登場するファイアブロスを、「ペーパーファイアブロス」と呼ぶ。
ペーパーブーメランブロス
『マリオ&ルイージRPG ペーパーマリオMIX』で登場。ペーパーマリオシリーズに登場するブーメランブロスを、「ペーパーブーメランブロス」と呼ぶ。
ちびハンマーブロス
「ペーパーマリオ カラースプラッシュ」で登場。小さなハンマーブロス。
やさぐれメガブロス
「ペーパーマリオ カラースプラッシュ」で登場。サングラスをかけた不良風のメガブロス。
サーカスブロス
「ペーパーマリオ カラースプラッシュ」で登場。サーカス帽をかぶったブーメランブロス。
ジャグリングブロス
「ペーパーマリオ カラースプラッシュ」で登場。サーカス帽をかぶったハンマーブロス。ハンマーでジャグリングをしている。
チャリオットブロス
「ペーパーマリオ カラースプラッシュ」で登場。イギーとともに現れるハンマーブロス。
ファイアブロス8
「ペーパーマリオ カラースプラッシュ」で登場。8枚の束になったファイアブロス。マッカッ火山の一部の場所に登場。
ブーメランマメブロス
『マリオ&ルイージRPG1 DX』に登場。『マリオ&ルイージRPG』でヘラヘラグーンに登場したブーメランブロスの名称が変更されたもの。
オコリンボーブロス
『マリオ&ルイージRPG1 DX』に登場。『マリオ&ルイージRPG』でデヘヘバレーに登場するリンボーブロスの名称が変更されたもの。
キャプチャーハンマーブロス
スーパーマリオオデッセイ』で登場。マリオにキャプチャーされたハンマーブロス。マリオの帽子を被り髭が生えている。

カメ以外のブロス系キャラクター[編集]

ドンブリブロス
ヨッシーアイランド』に登場。2匹のドンブリくんがペアで行動する。
ビッグドンブリブロス
『ヨッシーアイランド』に登場するボス敵。『ヨッシーアイランドDS』では2体おり、どちらかに攻撃が当たると、もう片方もダメージを受ける。
クラウンブロス
『スーパーマリオRPG』に登場するボス敵。道化師のような格好をしており、兄と弟の2人いる。途中で合体して戦ってくる。
ドン・ブロス
マリオパーティ2』の「ヒップでドン!」に登場するトーテムポールに似たキャラクター。5体で縦に繋がっている。

備考[編集]

『スーパーマリオブラザーズ3』で登場するマリオのパワーアップスーツの中に、ハンマーブロスをモデルにした「ハンマースーツ」が登場する。このスーツで変身するハンマーマリオはテレサバブルなど、さらにはラスボスのクッパですら簡単に倒せてしまう。また、ファイアパックンなどの炎を防げたりする事もできる。

各国の日本国外名[編集]

  • 英語:Hammer Bros.
  • 韓国語:ヘモブロス(ハングル해머브로스)
  • スペイン語:エルマーノマルティージョ(Hermano Martillo)

脚注[編集]

  1. ^ 2014年現在は『スーパーマリオギャラクシー2』『スーパーマリオ 3Dランド』『スーパーマリオ 3Dワールド』などの3D作品が中心になっている。
  2. ^ 社長が訊く『ゼルダの伝説 大地の汽笛』 携帯機ゼルダの歴史 篇

関連項目[編集]