ブロードアピール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
ブロードアピール
Broad Apeal 20001112P1.jpg
2000年11月12日 東京競馬場
欧字表記 Broad Appeal
品種 サラブレッド
性別
毛色 黒鹿毛
生誕 1994年4月13日(23歳)
死没 (現役繁殖牝馬)
Broad Brush
Valid Allure
母の父 Valid Appeal
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国オレゴン州
生産 ダイアン C. ケム
馬主 金子真人
調教師 松田国英栗東
競走成績
生涯成績 中央競馬32戦12勝
地方競馬3戦1勝
日本国外1戦0勝
獲得賞金 5億445万2千円
テンプレートを表示

ブロードアピール日本の元競走馬で、現在は繁殖牝馬外国産馬で、おもな勝ち鞍は、シルクロードステークスガーネットステークスシリウスステークスプロキオンステークス根岸ステークスなど。小さなストライド(歩幅)からの、ダートでの強烈な追い込みが有名である。馬名の由来は父名の一部+母父名の一部。

デビュー[編集]

デビューが大きく遅れた同馬は5歳(現4歳)の秋になった1998年9月12日、4歳上500万下(札幌・芝1200メートル)のレースで初出走し、8番人気という低評価ながら3着と好走する。続いて連闘で4歳上500万下(札幌・ダート1000メートル)のレースに挑むと、評価を2番人気にまで上げ、2着とハナ差の接戦を制し初勝利を挙げる。

その後、4歳上500万下の堀川特別(京都・芝1600メートル)にて鞍上に岡部幸雄を迎え2番人気に評価されるも11着と惨敗する。

芝での適性[編集]

その後関西での500万下から900万下の芝のレースを4連勝し、その次走に選んだ京都牝馬特別でも負けはしたものの3着という成績を残し、芝の適性を証明することとなった。一方で、これらは後年ダート路線で活躍することとなる当馬の路線転向が遅れた要因の一つにもなっている。

その後も芝コースの重賞で好走を続け、初勝利戦以来ダート戦を使うことはなく、第5回シルクロードステークスで重賞初勝利をあげたが、このレースが芝での最後の勝利となった。

高松宮記念8着、マイラーズカップ12着と惨敗を喫した後、2000年5月14日初勝利戦以来のダート戦となるオープン特別の栗東ステークス(ダート1200メートル)に出走すると、牡馬を含めても最高斤量(57キログラム)でしかも6番人気という低評価でもあったにもかかわらず鋭い追い込みでエイシンサンルイス、サウスヴィグラスらを破ってレコード勝ちを収めた。

しかしこの時点で陣営はダート路線への転換をせず、函館スプリントステークスキーンランドカップ(当時はオープン特別)、スプリンターズステークススワンステークスと4戦続けて芝のレースを使い続けたがいずれも勝利を収めることは出来なかった。なお、スプリンターズステークスではダイタクヤマトの4着という成績を残している。

転機となった根岸ステークス[編集]

ブロードアピールの転機ともいえるのが、3戦目のダート戦となった第14回根岸ステークスである。デビュー以来ダート戦では2戦2勝であったが、芝のレースを重点的に使われそれなりの成績を残していた。しかしながら前述の栗東ステークスでのレコード勝ちという実績もあり1番人気に支持されることとなった。

鞍上にシルクロードステークスで騎乗した武幸四郎を起用してのレースは最後方からのスタートとなり、先頭が残り400メートルの標識を通過する直前まで最後方に位置していたが、そこから後に鬼脚と呼ばれる末脚を見せる。直線だけで7馬身以上離れ、更に残り200メートル標識通過時点で5馬身ほど離れた先頭を差し切り、逆に2着のエイシンサンルイスに1 1/4差をつけて重賞2勝目を飾った。

このときのレースがあまりにも衝撃的であったためか、JRAにおける2007年の年間キャンペーン「FEEL LIVE」の特設サイトで行われた「FEEL LIVE ベストテン」と称するレース投票企画では、用意されている20候補のなかにブロードアピールが勝利を収めた第14回根岸ステークスも含まれている。

ダートでの活躍[編集]

以降もダート短距離のレースを走り続け、2001年のプロキオンステークスを制した際には、鞍上のケント・デザーモが「飛んでいるようだった」とコメントを残した[1]。8歳になった2002年の年明けにはガーネットステークスを勝利する。JRAで8歳牝馬が平地重賞を勝ったのはこの馬が初めてである(交流重賞では後に牝馬のメイショウバトラーが平地重賞マリーンカップを8歳、9歳時に連覇している)。そしてその年のドバイゴールデンシャヒーンにも参戦し、5着という戦績を残して引退した。GII以上での最高着順は第1回JBCスプリントでの2着。

ダートのレースでの安定感は抜群であった。引退レースとなった前述のドバイゴールデンシャヒーンでの5着を除いたダート戦においては全て3着以内を確保しており、日本国内でのダート戦では全て3着以内を確保しているが、その内訳も1着7回・2着2回・3着2回と勝率にして63%・連対率にして81%にもなる。直線での末脚に賭ける追い込み馬は、その末脚が不発だと大敗を喫するケースがあることを考慮に入れると、この数値は優秀である。

ブロードアピールは短距離路線を中心に使われ、1600メートルを超えるレースには一度も出走していない。ダート戦に限定すると全て1400メートル以下のレースに出走している。

繁殖入り後[編集]

引退後はノーザンファーム、のちに坂東牧場で繁殖牝馬として繋養されているが、まだこれといった産駒は出ていない。

繁殖成績[編集]

馬名 生年 毛色 厩舎 馬主 戦績 備考
初仔 クイックシューター 2003年 鹿毛 サンデーサイレンス 名古屋角田輝也
→栗東・松田国英
金子真人
→金子真人ホールディングス(株)
地方3戦2勝
中央17戦1勝
(引退)
2番仔 オートクレール 2004年 鹿毛 アグネスタキオン 美浦・小島茂之 (有)キャロットファーム 11戦1勝 (予後不良)
3番仔 カイゼリン 2005年 青鹿毛 アドマイヤベガ 栗東・松田国英 (有)キャロットファーム 23戦3勝 (引退・繁殖)
4番仔 ミスアンコール 2006年 鹿毛 キングカメハメハ 栗東・池江泰寿 金子真人ホールディングス(株) 9戦1勝 (引退・繁殖)
5番仔 アガルタ 2007年 黒鹿毛 キングカメハメハ - 不出走 (繁殖)
6番仔 ブロードピーク 2008年 鹿毛 ディープインパクト 栗東・松田国英 (有)キャロットファーム 14戦1勝 (引退・繁殖)
7番仔 ブロードソード 2010年 黒鹿毛 ダイワメジャー 栗東・松田国英
→船橋・川島正一
→佐賀・山下定文
(有)キャロットファーム
→角田喜継
中央19戦3勝

地方11戦0勝

(現役)
8番仔 チュウワアピール 2011年 青鹿毛 マンハッタンカフェ 栗東・大久保龍志
→笠松・加藤幸保
→美浦・金成貴史
中西忍 中央9戦0勝
地方8戦3勝
(引退・繁殖)
9番仔 アドマイヤシャイ 2012年 黒鹿毛 キンシャサノキセキ 栗東・梅田智之 近藤利一 19戦4勝 (現役)
10番仔 スタンリープール 2013年 黒鹿毛 キンシャサノキセキ 栗東・吉田直弘 (有)キャロットファーム 5戦0勝 (引退)
11番仔 ブロードアリュール 2014年 鹿毛 ゴールドアリュール 美浦・尾関知人 有限会社シルク 2戦1勝 (現役)
12番仔 ビービーアピール 2015年 黒鹿毛 ビービーガルダン
13番仔 2016年 青鹿毛 パイロ

※2017年4月2日現在

血統表[編集]

ブロードアピール (Broad Appeal)血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系

Broad Brush
1983 鹿毛
父の父
Ack Ack
1966 鹿毛
Battle Joined Armageddon
Ethel Walker
Fast Turn Turn-to
Cherokee Rose
父の母
Hay Patcher
1973 鹿毛
Hoist the Flag Tom Rolfe
Wavy Navy
Turn to Talent Turn-to
Hidden Talent

Valid Allure
1985 黒鹿毛
Valid Appeal
1972 黒鹿毛
In Reality Intentionally
My Dear Girl
Desert Trial Moslem Chief
Scotch Verdict
母の母
Alluring Girl
1980 黒鹿毛
Secretariat Bold Ruler
Somethingroyal
Water Cress Hail to Reason
Hillbrook
母系(F-No.) Hillbrook系(FN:4-r) [§ 2]
5代内の近親交配 Turn-to 4・4×5、Alsab 5×5、Princequillo 5×5 [§ 3]
出典
  1. ^ [2]
  2. ^ [3][2]
  3. ^ [2]

出典[編集]

  1. ^ 追い込み一代記 ブロードアピール - JRA Video Interactive
  2. ^ a b c 血統情報:5代血統表|ブロードアピール(USA)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2017年2月17日閲覧。
  3. ^ 平出貴昭 (2014年9月17日). “『覚えておきたい日本の牝系100』収録の全牝系一覧”. 競馬“血統”人生/平出貴昭. 2017年2月17日閲覧。

外部リンク[編集]