ブロンディ (犬)

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ヒトラーとブロンディ。左はエヴァ・ブラウン。

ブロンディBlondi1934年 - 1945年4月29日)は、アドルフ・ヒトラーの愛ジャーマン・シェパード・ドッグ(アルサシアン)のメスで、マルティン・ボルマンから贈られたものである。

生涯[編集]

1934年に生まれたブロンディは、1941年、7歳の折にマルティン・ボルマンから愛犬家であったヒトラーに贈られた。ヒトラーはブロンディを溺愛し、誰に聞かれてもブロンディが一番大好きだと答えていたほどであった。ブロンディ自身もヒトラーのことを信頼し、休暇によく一緒に散歩をしたり遊んだりした。ナチの宣伝記事において、ブロンディはヒトラーの「動物の恋人」として紹介されるなど、その緊密な関係が有名な犬であり、ブロンディを描いた本や絵葉書が売り出されたこともある。

1945年1月、ヒトラーが総統地下壕に移転したのちも、ブロンディはヒトラーと行動をともにした。ヒトラーはブロンディが総統防空壕の寝室に泊まるのを許していた。

同年4月、ブロンディは Gerdy Troost の所持するジャーマン・シェパード・ドッグのHarass との間に5匹の子犬をもうける。ヒトラーはそのうちの1頭の子犬に、彼の大好きな名で彼自身の名前の由来であり、を意味する「ヴォルフ」 (Wolf) という名前をつけた。

4月29日、ヒトラーが自殺に用いる青酸カリの効力を試すため、殺害される(11歳)。幼い4匹(ヴォルフだけは現在に至るまで行方不明)の仔犬も同様に毒殺された。ブロンディは口に毒を詰め込まれることを最期まで拒み、眼差しはヒトラーにずっと向けられていた。ヒトラー退室後もその先をずっと見続けて息絶えた。ヒトラーは翌30日に自殺する。

その他[編集]

  • ヒトラーの愛人、エヴァ・ブラウンはブロンディを嫌っており、ブロンディを蹴とばしていたことが知られている。
  • ブロンディのようなジャーマン・シェパード・ドッグは、狼のような容姿と高い忠誠心からドイツの軍人に非常に好まれていた犬種であった。ジャーマン・シェパード・ドッグの犬種名は、一時期「アルサシアン」に変更されたことがある。これは、ナチズムやドイツに対する嫌悪感に配慮したためである。

参考文献[編集]

  • 山元毅『戦禍に散った忠犬たちのまなざし』(央端社、1999年)

関連項目[編集]