ブルームズベリー・グループ

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ブルームズベリー・グループは、1905年から第二次世界大戦期まで存在し続けたイギリス芸術家学者からなる組織である。

概要[編集]

もともとは、姉妹であるヴァネッサ・ベルヴァージニア・ウルフを含む4人のケンブリッジ大学生によって、結成された非公式な会合がきっかけであり、メンバーたちの卒業後もこの集いは存続した。

1910年のドレッドノートを舞台とした「偽エチオピア皇帝事件」にはメンバーの多くが参加したが非国民という悪名を負う羽目となり、また彼らのストレートな平和主義左派自由主義の信念は戦時中において非難を引き起こすことがあった。第一次世界大戦後その組織統一は弱まり、意見や信念もばらばらなものとなってしまった。

ブルームズベリー・グループの意見や信念は第二次世界大戦を通して話題を呼び、広く非難されたが、次第に主流となりそれは終戦まで続いた。ブルームズベリー・グループのメンバーであった経済学者ジョン・メイナード・ケインズの著作は経済学の主要な理論となり、作家ヴァージニア・ウルフの作品は広く読まれ、そのフェミニズムの思想は時代を超えて影響を及ぼしている。他には伝記作家リットン・ストレイチー、画家のロジャー・フライ、作家のデイヴィッド・ガーネットE・M・フォースターがいる。また早くから同性愛に理解を示していた。イギリスの哲学者で熱心な反戦活動家であったバートランド・ラッセルも、このグループの一員と見なされることがある[1]

ブルームズベリー・グループは組織一丸となっての活動成果よりも個々人の芸術的な活動成果が主に評価されているが、20世紀の終わりが見えた頃から、組織内での複雑な人間関係が、学問的注目を集め研究対象となっている。

日本語文献[編集]

  • クウェンティン・ベル 『ブルームズベリー・グループ 二十世紀イギリス文化の知的良心』
    出淵敬子訳、みすず書房、1972年、新装版1991年
  • クウェンティン・ベル 『回想のブルームズベリー すぐれた先輩たちの肖像』 
    北條文緒訳、みすず書房、1997年。著者は、ヴァネッサ・ベルの次男
  • 北條文緒 『ブルームズベリーふたたび』 みすず書房、1998年
  • 橋口稔 『ブルームズベリー・グループ ヴァネッサ、ヴァージニア姉妹とエリートたち』
    中央公論社<中公新書>、1989年
  • 坂本公延 『ブルームズベリーの群像 創造と愛の日々』 研究社出版、1995年
  • 『存在の瞬間 回想記』、ヴァージニア・ウルフ「著作集別巻」
    J.シュルキンド編、出淵敬子ほか訳、みすず書房、1983年
  • クウェンティン・ベル 『ヴァージニア・ウルフ伝』 黒沢茂訳、みすず書房(全2巻)、1977年
  • フランセス・スポールディング 『ヴァネッサ・ベル』 宮田恭子訳、みすず書房、2000年
  • ナイジェル・ニコルソン 『ヴァージニア・ウルフ』 市川緑訳、岩波書店<ペンギン評伝双書>、2002年
  • 中矢俊博 『ケインズとケンブリッジ芸術劇場 リディアとブルームズベリー・グループ』同文舘出版、2008年

関連人物[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 中村久司 『観光コースでないロンドン イギリス2000年の歴史を歩く』 高文研2014年、220頁。ISBN 978-4-87498-548-9