ブルーフォックス・レーダー

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ブルーフォックス
種別 モノパルス・レーダー[1]
目的 火器管制
開発・運用史
開発国 イギリスの旗 イギリス
就役年 1979年
送信機
形式 マグネトロン
周波数 Xバンド(8~10 GHz)
アンテナ
形式 プレーナアレイ・アンテナ
素子 スロットアンテナ
直径・寸法 約50.8 cm径
その他諸元
重量 85 kg未満

ブルーフォックス英語: Blue Fox)は、フェランティ社(後のGEC マルコーニ英語版、現在のBAEシステムズ)社が開発したモノパルス・レーダー[1]。社内呼称はARI 5982。名称はレインボーコードに準拠している。

来歴[編集]

1960年代後半、ホーカー・シドレー社は初の実用垂直離着陸機としてハリアーの開発を進めており、1970年にはイギリス空軍において初の実戦飛行隊の作戦能力獲得に至っていた。同機は、航続距離や兵装搭載量で通常型の実用機に劣る点が多かったものの、Tu-95「ベア」のような洋上哨戒機に対する要撃機としては有望と考えられたことから、イギリス海軍は、1969年よりその艦載機版の研究に着手、1972年11月にはマリタイム・ハリアー(後にシーハリアーFRS.1に改称)として、正式な開発が発注された。

イギリス空軍では、ハリアーを基本的には昼間攻撃機として運用しており、アビオニクスは比較的簡素なもので、レーダーも備えていなかった。一方のイギリス海軍は、シーハリアーを全通甲板巡洋艦(後のインヴィンシブル級航空母艦)と組み合わせて、上記の通りに外洋域で敵の長距離偵察機爆撃機の撃攘にあたらせることを計画していたことから、全天候性能の必要上、火器管制レーダーの装備は必須とされていた。この要請に応じて開発されたのが本機である[2]

設計[編集]

開発にあたっては、重量・容積面の制約が厳しかったこともあり、基本的にリンクスHAS.2哨戒ヘリコプター向けに同社が開発したシースプレーをもとに、リフレクタ・アンテナをプレーナアレイ・アンテナに換装するなど戦闘機用に設計変更するとともに、商用オフザシェルフ化したものとなっている。中-高高度対空捜索および対水上捜索、対地マッピング能力を備えているが、ルックダウン能力TWS能力は備えていない。またシースプレーの周波数アジリティ機能は踏襲されたものの[2]パルスドップラー処理には対応しておらず、クラッター抑制も不十分であった[1]

動作モードとしては、捜索、攻撃、ボアサイト、トランスポンダーの4モードを持つ。平均故障間隔(MTBF)は120時間であった[1]1984年には、プロセッサ受信機の性能を向上させた改良型(非公式にブルーフォックス-Bと称される)が配備に入った。

1982年のフォークランド紛争の戦訓を受けて、1984年より、同社ではシーハリアー向けのパルスドップラー・レーダーとしてブルーヴィクセンの開発に着手した。そして、その配備までの弥縫策として、同機の開発過程で得られた技術(ECCM関連の技術2つやILIC(In Loop Interpretative Control)など)を本機にバックフィットした漸進的な改良型とであるブルーフォックスMk.2が開発された。その後、ブルーヴィクセンの完成を受けて、Mk.2改修の直後より、ブルーフォックスは順次に運用を終了した。上記のような新技術の漏洩を防ぐため、廃棄されるブルーフォックスは念入りに破壊された。

搭載機種[編集]

参考文献[編集]

  • International Defense Review, 8&9 1992.

関連項目[編集]