ブラジルから来た少年

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ブラジルから来た少年』(ブラジルからきたしょうねん、The Boys from Brazil)は、アメリカの作家アイラ・レヴィン1976年に発表した小説。映画化、ラジオドラマ化されている(下参照)。

小説は日本語版が早川書房ハヤカワ文庫から出版されている。

ブラジルヒトラークローンを再生させようとする科学者ヨーゼフ・メンゲレと、それを阻止しようとするナチ・ハンターのユダヤ人・リーベルマンとの葛藤を描く。

同じくメンゲレについて取り上げたスレイヤーの「エンジェル・オブ・デス」にフレーズが引用された。

あらすじ[編集]

映画[編集]

ブラジルから来た少年
The Boys from Brazil
監督 フランクリン・J・シャフナー
脚本 ヘイウッド・グールド
原作 アイラ・レヴィン
製作 マーティン・リチャーズ
スタンリー・オトゥール
製作総指揮 ロバート・フライアー
出演者 グレゴリー・ペック
ローレンス・オリヴィエ
ジェームズ・メイソン
音楽 ジェリー・ゴールドスミス
撮影 アンリ・ドカエ
編集 ロバート・スウィンク
製作会社 ルー・グレード
プロデューサー・サークル
ITC Entertainment
配給 アメリカ合衆国の旗 20世紀フォックス
公開 アメリカ合衆国の旗 1978年10月5日
上映時間 125分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
イギリスの旗 イギリス
言語 英語
製作費 $12,000,000[1]
興行収入 アメリカ合衆国の旗 $19,000,000[1]
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映画化は、英国貴族で映画製作者のルー・グレード卿により製作された。監督はフランクリン・J・シャフナーである。1978年10月5日に公開された。日本では劇場未公開となり、1984年3月3日にフジテレビ系列の「ゴールデン洋画劇場」でテレビ初放送された。本作品に対しては公開後、有識者より過度の遺伝子決定論的内容に対し批判が向けられた。そのためか、ヒトラーの遺伝子をもつ子供一人が、自ら撮影したメンゲレの死体の写真を現像し、見て悦んでいるラストシーンがビデオソフトでは削除されている(DVDには存在する)。

第51回アカデミー賞作曲賞の候補となっている。テーマ曲はウィンナ・ワルツ風であり、これは主人公がウイーンに在住している場面から始まるためである。この注文を監督から受けた作曲家は、あまり賛成ではなかったが、注文どおりに作曲した。また、メンゲレらナチの残党が潜む南米の場面ではギターを使用してラテン情緒を醸し出し、ナチ残党の陰謀を表現する際はオーケストラがワーグナー風の和音を響かせる。

ストーリー(映画)[編集]

パラグアイでナチスハンターの若者が旧ナチス党員の不可解な動きを察知し、追跡で実績のあるリーバーマンに情報提供するが相手にされなかった。若者はアウシュヴィッツの主任医師だったメンゲレ博士が招集した会議の盗聴に成功するが、気づかれてリーバーマンへの電話の途中に殺される。メンゲレの計画は約65歳の公務員などを94人暗殺するというもので、事故に見せかけ、家族に危害を加えてはならないというものだった。リーバーマンは通信社の友人に「60代の不審死があったら教えてくれ」と頼む。

西ドイツのグラドベックで、郵便局長が最初の犠牲者になる。リーバーマンが調査に訪れると、黒髪で色白で青い瞳の少年がいて、利口だけど怠け者だといわれ、夫とは年齢のかけ離れた母親は息子を溺愛していた。ロンドンでもスウェーデンでも似たような事故が起きる。マサチューセッツの事件を調べにいくと、グラドベックの男の子と双子以上に声までそっくりの子を見つけ、その子の母親は不安から養子だったことを打ち明けてしまう。昔捕まえたナチスの女から養子斡旋会社の話を聞く。北欧系の家族を優先し、夫が1910年から14年の生まれで、妻が1933年から37年生まれの夫婦という条件だった。子供たちはブラジルから送られてきていた。最後に犬を飼っていたペンシルベニア州ランカスター・ニュープロビデンス(en)のウィーラーから70日でもらったという犬の誕生日を聞く。12月11日生まれだから2月20日で後4日。一方、リーバーマンが調査を進めていることを知った上層部(ラウシュ将軍とその部下の陸軍大佐たち)は作戦中止を命令するが、メンゲレは計画の成功(第2のアドルフ・ヒトラーの誕生)の確率が低いかもしれないため続けると主張する。

リーバーマンは生物学研究所のブルックナー教授に話を聞き、クローンだとモーツァルトやピカソが大勢生まれるが、環境も同じでなければいけないと言われる。リーバーマンは子供たちが「こわい父親を持った陰気な子、税官吏だった父が52の時に生まれ、彼を甘やかして育てた母親は29歳。父親が65歳で死んだ時、彼は14歳になるところ」だった男(ヒトラー)のクローンだと悟る。

ニュープロビデンス。ドーベルマンを飼っている家にメンゲレが先に着き、リーバーマンに成り代わって中に入り家の主人を殺してしまう。リーバーマンが遅れて家を訪れると、家の主人に成り済ましていたメンゲレに銃撃される。メンゲレは、ヒトラーの血液と皮膚の一片を採取してクローンを作ることを計画し、ヒトラーの承認を得て計画を実行したことを語る。2人は揉み合いになり、別室にいたドーベルマンが入ってきてメンゲレをかみ殺そうとする。そこにヒトラーのクローンであるボビーが帰宅し、血だらけの2人を見てカメラで趣味の写真を撮る。リーバーマンから「彼が父親を殺した」と告げられたボビーは家中を探し回り父親の死体を発見し、彼はドーベルマンにメンゲレを殺させる。入院したリーバーマンはナチスハンターたちに少年の名簿を渡すように要求されるが、「罪もない少年を殺すなど、ナチスと同じだ」と返答し、名簿を燃やしてしまう。その頃、ボビーは暗室で写真を現像し、「いい出来だ」と言いながらメンゲレの死体を見つめる。

キャスト[編集]

※括弧内は日本語吹替(1984年3月3日『ゴールデン洋画劇場』版 BD収録)

ラジオドラマ[編集]

この作品はNHK-FM青春アドベンチャー』でラジオドラマ化され、1996年5月20日から5月31日にかけて全10回放送された。

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

ほか

関連項目[編集]

参考文献[編集]

外部リンク[編集]