ブエノスアイレスの鉄道

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ブエノスアイレスの近郊鉄道路線図
ブエノスアイレスRER計画路線図

ブエノスアイレスの鉄道(ブエノスアイレスのてつどう)では、アルゼンチンブエノスアイレスを走る鉄道路線について記述する。

近郊鉄道[編集]

アルゼンチンのMaterfer社によるCMM 400-2
中国製車両のCNR CKD8は中・長距離列車に使用される
ベルグラーノ北線の大学駅に停車したフェロビアスの車両
ベルグラーノ北線を走るアルゼンチン製車両のEmepa Alerce
ベルグラーノ南線を走る中国製車両
レティーロ駅に停車するミトレ線の中国製車両
改築されたサン・マルティン線のPalermo駅
サン・マルティン線に投入された中国中車のCSR SDD7
サン・マルティン線路線図
サルミエント線を走る中国製車両と再建されたVilla Luro駅
ロカ線の中国製の新車両
ロカ線を走る日本製"Toshiba"電車
ロカ線で進められている電化工事
治安を守るSOFSEのセキュリティー
近郊鉄道の電化路線 2008年時点
コンスティトゥシオン駅構内

民営化後2007年まで近郊鉄道は

の4つの事業者によって運営されていた。2005年にUGOFE(緊急鉄道運用管理組織)という合併組織が設立されサービスに大きな問題があるメトロポリターノの3路線を引き継いだ。 一方でTBAでは2000年代後発にもなるとミトレ線・サルミエント線で主力として活躍していた日本製のToshiba電車及び踏切や線路等の鉄道インフラの整備不良と老朽化で2011年フローレス駅列車衝突2012年ブエノスアイレス鉄道惨事等事故がが頻発したりサルミエント線ではあまりの混雑で電車の自動ドアが閉まらずに走るなど問題が多かった。そこでTBAを解体してUGOMS(Unidad de Operativa Mitre Sarmiento、ミトレ・サルミエント運用管理組織)という組織に暫定的に運営を移管させた後、 2014年にロカ線とベルグラノ南線をアルヘントレン、ミトレ線とサンマルティン線を鉄道運行へ移管させた。サルミエント線は一足早く再国有化された。 翌2015年にはそれらの企業が運用していた4路線も再国有化され経営が健全なメトロビアスのウルキサ線とフェロビアスベルグラーノ北線以外の全近郊路線で再国有化されたアルゼンチン国鉄の旅客部門であるOperadora Ferroviaria Sociedad del Estado(SOFSE)(通称:Trenes Argentinos)が運行するようになった。

市内・郊外両路線を含んだ全路線の総延長は813km、295駅、7主要路線におよび、毎年4億4500万人の旅客を輸送し南北アメリカ大陸ではニューヨークに次ぐ第二の都市鉄道網を誇っている[1]

国営化したことで民営化時代にはあまり出来なかったアルゼンチン政府による積極的な投資が可能となり、新車両の導入、新駅の新設、駅施設の改築、安全設備の近代化、治安向上のためのセキュリティ強化等のプロジェクトが進行中である。

多くの路線で電化が行われており、ロカ線など日本政府も協力して電化を進めた。現在もロカ線の非電化区間やサン・マルティン線[2]などで電化事業が進められている。

  • ベルグラーノ南北線はメーターゲージ(1,000mm)の狭軌
  • ウルキサ線は標準軌(1,435 mm)
  • その他の路線は広軌(1,676 mm)である。

車両についてはSOFSEは主に中国から沢山の新型車両を安く購入しているが自国製造の車両も多数登場している。

この新型電車はロカ線でも活躍している。

  • ベルグラノ南線でも中国製の車両(3両編成の気動車ユニット)が活躍している。
  • メトロビアスのウルキサ線では今もなお民営化前からの日本製"Toshiba"電車が走っている。
  • フェロビアスのベルグラノ北線ではMaterfer又は親会社のEmepaで改良した近代的な客車が各駅停車の運用で、またEmepaが製造した新型気動車"Alerce"が急行の運用で使用されている。
  • SOFSEでは民営会社及びUGOFE・SOFSE発足当時の時代にスペインポルトガルオランダから輸入した中古車両も保有しているがあまり使用されていない。

前ブエノスアイレス市長で第57代大統領となったマウリシオ・マクリが中心となってパリのRERをモデルとしたRER計画が進められており、都心部を16kmの地下トンネルを建設して相互乗り入れを行う計画となっている。

ブエノスアイレス大都市圏近郊鉄道
路線 運営 総延長 (km) 駅数 年間利用客数(2014年)
ロカ線 アルゼンチン国鉄 237,2 70 115,032,946
サルミエント線 アルゼンチン国鉄 184,1 40 39,663,847
サン・マルティン線 アルゼンチン国鉄 56,3 19 39,239,510
ベルグラーノ北線 フェロビアス
アルゼンチン国鉄
54,3 22 28,876,619
ミトレ線 アルゼンチン国鉄 185,5 55 18,330,512
ウルキサ線 メトロビアス 29,9 23 12,585,106
ベルグラーノ南線 アルゼンチン国鉄 66,3 30 10,974,454
合計: 813 259 264,702,994

ベルグラーノ北線[編集]

ベルグラーノ北線レティーロ駅とVilla Rosa駅を結ぶ、総延長55km、1,000mmの狭軌・非電化路線であり、フェロビアスアルゼンチン国鉄のディーゼル車によって運行されている。2015年にアルゼンチン国鉄によってアルゼンチン製の新車両Emepa Alerceが投入され、朝晩を中心にレティーロ駅から途中駅はBoulogne Sur Mer駅とLos Polvorines駅の二つの駅のみ停車しDel Viso駅まで運行する急行運転を開始した。フェロビアスによる運行は終日の運行、各駅停車となる。ブエノスアイレス大学に隣接した都市大学駅等の新駅の設置や改築等の近代化が行われている。

  • Retiro - Villa Rosa

ベルグラーノ南線[編集]

ベルグラーノ南線は1,000mmの狭軌・非電化路線であり、アルゼンチン国鉄が2015年に中国の大連機車車輛から購入したディーゼル気動車及びディーゼル機関車と客車3両程の編成によってブエノスアイレス駅からのGonzález Catán、Marinos del Belgranoまでの2系統、Puente Alsina駅からAldo Bonzi駅までの1系統の計3系統が運行されている。新駅の設置や改築等の近代化が行われている。ターミナル駅が都心部から離れているために近郊鉄道の中では利用客数は最も少ない。

  • Buenos Aires - González Catán
  • Buenos Aires - Tapiales - Marinos del Belgrano
  • Puente Alsina - Aldo Bonzi

ミトレ線[編集]

ミトレ線レティーロ駅を拠点とする電化3系統、非電化のVictoria駅系統、Villa Ballester駅系統の計5系統に分かれている。

  • Retiro - Victoria - Tigre
  • Retiro - Bartolomé Mitre
  • Retiro - J.L.Suarez
  • J.L.Suarez - Zarate
  • Victoria - Capilla del Señor

サン・マルティン線[編集]

サン・マルティン線レティーロ駅とDr Domingo Cabred駅を結ぶ72.5 kmの非電化路線。中国南車及び大連機車車輛製造の新車両投入と駅施設等の改築、一部区間の高架化等が進められ、2015年の旅客数は過去最高となっている。1980年代にソビエト連邦の技術支援により計画されたが実現しなかった電化が再び計画、予定されている。

  • Retiro - Pilar - Dr Domingo Cabred

サルミエント線[編集]

サルミエント線は総延長174 kmで、オンセ駅を出発してMorenoまでの区間が電化、Moreno~Mercedes、Merlo~Lobos間が非電化となっている。Moreno~Caballito間の33km区間の地下化が進められている。また、レティーロ駅と地下鉄A線のPlaza Miserere駅へ向かう通る2つの地下トンネルが存在し貨物列車が運行されているが定期の旅客電車は運行されていない。

  • Once - Castelar - Merlo - Moreno
  • Moreno - Lujan - Mercedes
  • Merlo - Las Heras - Lobos
  • Puerto Madero - Castelar

ロカ線[編集]

ロカ線コンスティトゥシオン駅を拠点に、総延長198kmに及ぶ最長の路線で13系統に分かれており、55kmが電化されている。乗客数も最も多くなっており1日に50万人以上の利用客数を数える。1980年代には日本政府がロカ線電化に貢献し、日本製車両"Toshiba"が導入された。民営化後管理会社メトロポリターノの元でサービスが劣化し停滞していたが、2000年代に入り電化やUGOFEの元で近代化に着手し、2013年には新型の"テクノトレン"というレールバスを利用したラプラタ大学線が開業した。

ウルキサ線[編集]

  • Federico Lacroze - General Lemos

ウルキサ線はフェデリコ・ラクローサ駅から発着する。地下鉄と同じメトロビアスによる運営。唯一の標準軌路線である。

中・長距離列車[編集]

1857年に鉄道がはじめて建設されて以降、アルゼンチンの鉄道はパタゴニア地方の4路線を除きすべてブエノスアイレスを起点として放射状に国内全土にはりめぐらされ、ブエノスアイレスは陸上輸送の結節点となった。しかし、1990年代の鉄道民営化に伴って国内の旅客列車の多くが廃止となった。 2010年時点の中・長距離列車運営会社は以下の通りである。

マルデルプラタバイアブランカロサリオコルドバサンタフェなどへの路線がレティーロ駅コンスティトゥーション駅オンセ駅から発着しているが本数は少ない。 2015年からは再び国有化されてアルゼンチン国鉄の旅客部門であるSOFSEによって運行されるようになった。 2013年以降多くの路線がブエノスアイレス州政府が運営するフェロバイレスからSOFSEに移されているが、移行期間の間一部の路線はフェロバイレスとSOFSE(新アルゼンチン国鉄)の両社とも運行していた。また、線路の老朽化の為にPC枕木バラストを増量させる等近代化工事により運行状況は頻繁に変更されている。 フェロバイレスの運行は2016年を以て休止された。しかし、いくつかの路線はSOFSEに引き続がれずに「休止」状態のままとなっており沿線の利用者は早く運行を再開してほしいと願っている。

ブエノスアイレスとロサリオコルドバを最高時速320 km/hで結ぶ高速鉄道プロジェクトが進行中であるが、計画は進んでいない。

ミトレ鉄道線[編集]

  • Retiro - Córdoba 週2便
  • Retiro - Rosario - La Banda - Tucumán 週2便
  • Retiro - Rosario - Santa Fe 週1便

ロカ鉄道線[編集]

  • Constitución - Lamadrid - Bahía Blanca 週3便
  • Constitución - Coronel Pringles - Bahía Blanca 週2便
  • Constitución - C.Patagones 週1便
  • Constitución - Mar del Plata - Miramar 1日3便
  • Constitución - Miramar 1日1便
  • Constitución - Pinamar 週2便
  • Constitución - Tandil 週1便
  • Constitución - Saladillo - General Alvear 週2便
  • Constitución - Daireaux 週1便
  • Constitución - 25 de Mayo - Bolívar 週5便
  • Constitución - Azul - Olavarría 週5便

サン・マルティン鉄道線[編集]

  • Retiro - Junín 1日1便

サルミエント鉄道線[編集]

  • Once - Lincoln 週1便
  • Once - Pehuajó 週3便
  • Once - Chivilcoy - Bragado 1日1便
  • Once - 9 de Julio, Buenos Aires - Carlos Casares 週4便

ウルキサ鉄道線[編集]

  • Federico Lacroze - Concordia - Monte Caseros - Posadas 週2便


  • この列車"El Gran Capitan"はウルキサ鉄道線の沿線及び民営化前に直通していたパラグアイの人々にとって重要な列車であったが2011年に民営化後2003年より列車を再び走らせていたTEAによる運転が不可能になりTBAが引き継いだ。
  • しかし2012年ブエノスアイレス鉄道惨事により経営者が拘束され同社が解体された為列車の運行が停まってしまいその後一度も再開されていない。

ベルグラーノ鉄道線[編集]

  • 1993年の民営化以降長距離旅客列車は運行されていない。民営化以前はブエノスアイレスとボリビアラパスを結ぶ列車等国際列車も運行されていた。

地下鉄[編集]

メトロビアスによってA、B、C、D、E、H線の地下鉄(Subte)6路線が運営されている。

トラム/LRT[編集]

プレメトロE2線
廃止されたトランビア・デル・エステ線の車両
廃止されたトランビア・デル・エステ線のベルグラーノ駅

メトロビアス、アルゼンチン国鉄(SOFSE)がそれぞれ1路線ずつ、計2路線を運営している。また、2007年に試験的に開業した全長2kmの短いトラム路線であるトランビア・デル・エステ線がフェロビアスによって運営されていたが、2012年に廃止となった。

  • プレメトロE2線 - 1987年に開通した総延長7.4 kmのトラムであり、地下鉄と同じメトロビアスによる運営。地下鉄E線ビレーシェス駅に接続している。
  • デラコスタ線 - LRT(ライトレール)路線であり、アルゼンチン国鉄によって運営されている。

出典[編集]

  1. ^ Secretaria de Transporte de la Nacion Facts and Figures / TABLE No. 6 (Spanish) Retrieved on 19 February 2011
  2. ^ Comprarán 160 coches y 24 locomotoras chinas para la línea San Martín Retrieved on 23 June 2008 (Spanish)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]