フワランポーン駅
クルンテープ駅 | |
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![]() フワランポーン(クルンテープ)駅 | |
กรุงเทพ Bangkok (Hua Lamphong) | |
(1.98 km) ヨムマラート► | |
所在地 |
![]() バンコク都 パトゥムワン区 |
駅番号 | 1001 |
所属事業者 | タイ国有鉄道 |
等級 | 特別駅 |
所属路線 |
北本線 東本線 東北本線 南本線 |
電報略号 | กท. |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 7面14線 |
乗降人員 -統計年度- |
60,000人/日 -2008年- |
開業年月日 | 1897年3月26日 |
乗換 | バンコク・メトロ |
フワランポーン駅(フワランポーンえき、สถานีรถไฟกรุงเทพ, Hua Lamphong Station)は、タイの首都バンコク都パトゥムワン区にあるタイ国有鉄道の駅であり、タイ国有鉄道の主要幹線4路線の起点駅として位置づけられている。また、バンコク・メトロ(地下鉄)の駅でもある。
名称の日本語表記には揺れがあり、日本で刊行されている文献や旅行ガイドブックによってはフアラムポーン駅あるいはホアランポーン駅と表記されている場合もある。厳密には、この名称は主にバンコク近傍で用いられる俗称であり、タイ国鉄での正式な呼称はクルンテープ駅である。[1]しかしタイ国政府観光庁による刊行物をはじめとして、諸外国で刊行される書籍においてはフワランポーン駅と表記される例の方が圧倒的に多いため、外国人の間ではクルンテープ駅という呼称はあまり一般的ではない。ただし、逆にタイの地方に行くと、一般人に対してフワランポーン駅と言っても通じないこともあるなど、呼称については煩わしい。その他、「バンコク駅」や「バンコク中央駅」という名称が用いられる場合も、通常は当駅を指す。なお、タイ国鉄が頒布している時刻表や乗車券等における表記はタイ語では「 กรุงเทพฯ (クルンテープ)」、英語による副表記は「Bangkok」で統一されている。
歴史[編集]
1897年3月26日に、タイ国有鉄道初の鉄道路線の開通に伴い、現在の位置よりやや北側(現在のタイ国鉄本社付近)に設置され、開業。その後、1910年から1916年6月25日まで6年間にわたる移転・拡張工事を経て現在の駅が開設された。移転・拡張以前、現在の場所にはタイ国有鉄道の工場(メンテナンスセンター)があったが、1910年6月にマッカサンに移動した。第二次世界大戦中、連合国は駅を爆破しようと爆弾を投下したが、駅ではなく、近くのホテルが被弾した。
開業当時は貨物取扱の機能も有していたが、1910年2月15日に機能の一部をチャオプラヤー川東岸に設けられたメーナーム駅に移し、残りの機能についても1960年12月にバーンスー駅へ移転した[2]。以後は専ら旅客ターミナルとして機能している。
2004年7月3日には、バンコク・メトロの駅が開業した。バンコク・メトロでは正式にフワランポーン駅の呼称を採用している。
2016年6月25日、国鉄駅は現在の場所に駅舎が移転してから100周年を迎えた[3]。
国鉄では、ターミナルとしての機能をバーンスー駅へ移転させることを発表しており、2016年現在その工事が行われている。2020年頃とみられるターミナル機能の移転後は国鉄駅舎は博物館として保存される予定で、併せて駅周辺には再開発により商業施設やコンドミニアムが建設される予定である[4]。
その後、2021年部分開業に向け建設中の新線・ダークレッドラインがバーンスー駅より当駅まで延長することが2016年7月に決定しており、これに関連してタイ国鉄総裁は(完全な廃駅とはせず)新線のための駅機能が残るのではないかと見解を述べている[5]。ただし、新線のフワランポーン延伸は2025年以降開業の見込み。
利用可能な鉄道路線[編集]
タイ国鉄在来線:
- イーサーン(東北部)方面:東北本線 - ノーンカーイ行・ウボンラーチャターニー行
- 北部方面:北本線 - サワンカローク行・チェンマイ行
- 南部方面:南本線 - スンガイ・コーロック行・ナコーンシータンマラート行・カンタン行・スラートターニー行・バターワース行(マレー鉄道ウエスト・コースト線直通)・シンガポール行(イースタン・オリエント・エクスプレス)
- 東部方面:東本線 - アランヤプラテート行・バーンプータールアン行
- 西部方面:南本線の支線 - スパンブリー行
地下鉄
- チャルームラチャモンコン線 - バーンスー行
タイ国有鉄道[編集]
駅構造[編集]
7面14線の頭端式ホームを持つ地上駅であり、ホームの駅本屋寄りはアーチ状の大屋根(トレイン・シェッド)に覆われている。改札口は設けられていないため、ホームへの出入りは自由である。番線は1/2番線、1/1番線、1番線、2番線...12番線である。通常1/2番線は留置線、1/1番線、1番線は到着のみに使用されている。タイ国鉄の他の駅同様、ホームは低床式である。構内待合席側に出発、到着を知らせる大きな電光掲示板があり、トイレは有料のものがコンコース、ホームにそれぞれ1カ所ある。コンコースのトイレには長距離列車利用客のためにシャワー(有料)も併設されている。
構内北側には、列車の折返し整備を行う大規模な車両基地があり、気動車の日常的な点検整備はここで行われている。
利用状況[編集]
地方からの玄関口として知られる。一般に長距離移動者の利用が多く、通勤通学としての利用は比較的少ない。
歴史[編集]
タイ最初の官営鉄道としてバンコク - ナコンラチャシーマが建設される事になり、その最初の開通区間としてクルンテープ駅 - アユタヤ駅間が、1897年3月26日に開業した[6]。
- 1897年3月26日 【開業】クルンテープ駅 - アユタヤ駅 (71.08km)
- 1916年6月25日 現在地に移転。
隣の駅[編集]
東本線
クルンテープ駅 - ウルポン停車場 - パヤータイ駅 - ラーチャプラーロップ駅 - マッカサン駅
その他の路線
クルンテープ駅 - ヨムマラート駅 - チットラッダー王室駅(客扱乗降場としては構内にラマティーボディ病院前停車場が併設) - サムセン駅 - バーンスー駅
その他[編集]
低所得の地方出身者のバンコクへの玄関口として知られ、その中にはここで野宿する人もいる。深夜10時から翌朝6時まではコンコースの空調が切られるため非常に蒸し暑くなる。
バンコク・メトロ[編集]
フワランポーン駅 | |
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![]() タイ国鉄駅舎に直結した2番出入口 | |
หัวลำโพง Hua Lamphong | |
所在地 |
![]() バンコク都 パトゥムワン区 |
駅番号 | BL28 |
所属事業者 | バンコク・メトロ |
所属路線 | ■ブルー・ライン |
駅構造 | 地下駅 |
ホーム | 1面2線 |
開業年月日 | 2004年7月3日 |
乗換 | タイ国鉄 フワランポーン駅(クルンテープ駅) |
概要[編集]
2004年7月3日、バンコク・メトロブルーライン(チャルーム・ラチャモンコン線)の開通により営業開始。
2019年7月29日にタープラ駅までの試運転(運賃無料)が開始され事実上の開業となり、その後9月21日にラックソーン駅まで通しでの試運転が開始され、9月29日に運賃を徴収する正式開業となった[7]。
歴史[編集]
- 2004年7月3日 【開業】ブルー・ライン(フワランポーン駅 - バーンスー駅)(20.8km)
- 2019年7月29日 【延伸】ブルーライン(フワランポーン駅 - タープラ駅)(6.3km)※正式開業は9月29日
駅構造[編集]
島式1面2線の、プラットホームを有する地下駅。ホームにはフルスクリーンタイプのホームドアが採用されている。
改札口は入口側、出口側が分かれているので混雑解消になっている。構内は飲食禁止となっているためキオスクなどの売店は一切無く(トイレも無い[8])、銀行のATMがあるのみである。タイ国鉄クルンテープ駅(フワランポーン駅)までの、連絡通路がある。
駅階層[編集]
地面 | 出入口 | |
地下1階 | コンコース階 | コンコース、自動券売機、自動改札口、ATM、クルンテープ駅連絡通路 |
地下2階 | 1番線・上り■ブルー・ライン | →タープラ・バーンワー・ラックソーン方面 |
島式ホーム(フルスクリーンタイプホームドア設置) | ||
2番線・下り■ブルー・ライン | ←シーロム・スクムウィット・タオプーン方面 |
駅周辺[編集]
- 鉄道警察
- バンコク・センター・ホテル
- 旧楽宮旅社
- 京華大旅社
- ワット・トライミット
- 中華街(ヤワラー通り)
脚注[編集]
- ^ 『魅惑のタイ鉄道』(杉本聖一著、玉川新聞社、2000年) p.9
- ^ 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』(柿崎一郎著、京都大学学術出版会、2010年) p.69,p.226
- ^ “100周年を迎えるホアランポーン駅 タイ国鉄も転換期か”. GLOBAL NEWS ASIA. (2016年6月24日) 2016年6月28日閲覧。
- ^ “消えゆく駅、歴史あるバンコクのホアランポーン駅が移転のため見納めに!”. エイビーロード (2015年7月23日). 2016年6月28日閲覧。
- ^ “Bang Sue mega-station to operate by January 2021” (英語). バンコックポスト (2018年11月23日). 2019年12月14日閲覧。
- ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.25
- ^ “バンコク都市鉄道ブルーライン西側延伸区間、21日に全線開通”. newsclip.be (Necos Co., Ltd.). (2019年9月17日) 2019年9月24日閲覧。
- ^ 但し、どうしても我慢が出来なくなった場合は、駅係員に申し出れば、職員用トイレを使わせてもらえる。
参考文献[編集]
- 岡本和之 『タイ鉄道旅行』 (めこん、1993年)ISBN 4-8396-0080-5
- 杉本聖一 『魅惑のタイ鉄道』 (玉川新聞社、2000年)ISBN 4-924882-29-1
- 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)ISBN 978-4-87698-848-8
- 渡邉乙弘 『タイ国鉄4000キロの旅』 (文芸社、2013年)ISBN 978-4-286-13041-5
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- タイの地下鉄・都市鉄道 - バンコク地下鉄のほか、タイ国鉄フワランポーン駅についても紹介。
- ワージー漫遊記 バンコック(ファランポーン)駅
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