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フレンチリック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フレンチリック

French Lick
フレンチリック(2016年撮影)
フレンチリック(2016年撮影)
北緯38度32分46秒 西経86度37分13秒 / 北緯38.54611度 西経86.62028度 / 38.54611; -86.62028
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
インディアナ州の旗 インディアナ州
オレンジ郡
郡区 フレンチリック郡区英語版
面積
 • 合計 1.825 mi2 (4.725 km2)
 • 陸地 1.823 mi2 (4.721 km2)
 • 水域 0.002 mi2 (0.004 km2)  0.11%
標高
568 ft (173 m)
人口
(2020年)[2]
 • 合計 1,722人
 • 密度 940人/mi2 (360人/km2)
等時帯 UTC-5 (東部標準時)
 • 夏時間 UTC-4 (東部夏時間)
ZIPコード
47432
市外局番 812
FIPSコード 18-25972
GNIS feature ID 2396952
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フレンチリック英語: French Lick)は、アメリカ合衆国インディアナ州オレンジ郡。人口は1,722人(2020年国勢調査[2])。

歴史

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フレンチリック・スプリングス・ホテル

フレンチリックの名前の由来は諸説ある。「フレンチ」は地元の言い伝えによると、ビンセンズ英語版からやって来たフランス人入植者が現在のフレンチリック・リゾート辺りにキャンプを設置し、塩づくりをしていたというものだが、ビンセンズに残る記録からはこの話の真偽を裏付けるものは見つかっていない。「リック」は地表に出現した塩分を動物が舐めに来たことから、リックと呼ばれるようになったという(Mineral lick[3]1811年、泉の近くに武装したレンジャーの駐屯地が建設された。ジョンソンが作成した1837年のインディアナ州の地図にはソルトスプリング(Salt Spring)と呼ばれていた。町は1857年に創設され[4]、1847年に郵便局が開局した[5]

1840年頃より硫黄泉は医療目的で利用され始め、19世紀後半には温泉街として有名となった。またジョー・ルイスアーヴィング・バーリンアル・カポネら著名人を惹きつけるカジノも存在した。フレンチリック・リゾート英語版は当時の娯楽の中心で、カジノが閉鎖され、町の全盛期を過ぎたあともホテルは営業を続けた。ホテルは2005年に改装工事により営業を終了し、翌年にリニューアルオープンした。

1931年6月、フレンチリック・スプリングス・ホテルで開催された全米知事会にて、ニューヨーク州知事フランクリン・ルーズベルト1932年アメリカ合衆国大統領選挙への出馬を表明した[6]

第二次世界大戦中の移動制限により、シカゴ・カブスシカゴ・ホワイトソックスは1943年から1944年の春季トレーニングをフレンチリックで実施した。これは鉄道輸送を削減するため、1943年の春季トレーニングはミシシッピ川より東、オハイオ川の北の地域に制限されていたためであった。なおホワイトソックスは1945年にテレホートメモリアルスタジアム英語版へ移っている[7]

20世紀前半に最も売れた下剤のプルート・ウォーター英語版の瓶詰めはフレンチリックで行われていた[8]。またセブンアップの大規模な瓶詰め工場も存在したが、20世紀半ばに操業を停止した。

2015年、フレンチリック・リゾートのゴルフコースは全米プロシニアゴルフ選手権の会場となった。

地理

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インディアナ州道56号線英語版インディアナ州道145号線英語版の交差点に位置する。北はウェストバーデンスプリングス英語版と接する。

かつてはモノン鉄道英語版の駅が存在した。廃線後はインディアナ鉄道博物館英語版となり、フレンチリック観光列車を運行している。

アメリカ合衆国国勢調査局によると、2023年の総面積は1.825平方マイル (4.73 km2)で、そのうち陸地は1.823平方マイル (4.72 km2)、水域は0.002平方マイル (0.0052 km2)、割合は0.11パーセントである[1]

住民

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人口推移
人口
1900260
19101,803593.5%
19201,9809.8%
19302,46224.3%
19402,042−17.1%
19501,946−4.7%
19601,9540.4%
19702,0595.4%
19802,26510.0%
19902,087−7.9%
20001,941−7.0%
20101,807−6.9%
20201,722−4.7%
U.S. Decennial Census[9]

2020年国勢調査によると人口は1,722人である。人種別だと白人が約8割を占める[2]

フレンチリックの人種・民族別統計
人種 / 民族
(NH = 非ヒスパニック)
人口[2] 割合
白人 (NH) 1,424 82.69%
アフリカ系アメリカ人 (NH) 99 5.75%
ネイティブ・アメリカンアラスカ先住民 (NH) 6 0.35%
アジア系アメリカ人 (NH) 19 1.10%
太平洋諸島系 (NH) 4 0.23%
その他の人種 (NH) 9 0.52%
混血 (NH) 96 5.57%
ヒスパニック/ラテン系アメリカ人 65 3.77%
合計 1,722 100%

教育

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スプリングスバレー高校

フレンチリックはSprings Valley Community School Corporationが管轄しており[10]スプリングスバレー高校英語版が所在する。

前身となるフレンチリック高校は1909年に開校した[11]。マスコットは「レッドデビルズ」で、ローマ神話に登場する冥界を司る神プルートーをモチーフとしていた。スクールカラーは赤と白であった。フレンチリック高校とウェストバーデンスプリングス高校はスポーツにおいてライバル関係にあったが[12]、1957年に両校は統合しスプリングスバレー高校となった[13]

町にはメルトン公共図書館がある[14]

出身人物

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出典

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  1. ^ a b 2023: GEO Geography Information”. アメリカ合衆国国勢調査局 (2023年). 2025年5月28日閲覧。
  2. ^ a b c d P2: Hispanic or Latino, and Not Hispanic or Latino by Race – 2020: DEC Redistricting Data (PL 94-171)”. アメリカ合衆国国勢調査局 (2020年). 2025年5月28日閲覧。
  3. ^ The French Connection That Has Historians Licked”. Indiana Public Media (2011年11月21日). 2025年5月28日閲覧。
  4. ^ History of Lawrence, Orange, and Washington Counties, Indiana: From the Earliest Time to the Present. Higginson Book Company. (1884). pp. 505. https://archive.org/details/bub_gb_EVQ0AQAAMAAJ 
  5. ^ Orange County”. Jim Forte Postal History. 2025年5月29日閲覧。
  6. ^ History of French Lick Resort”. 2019年2月18日閲覧。
  7. ^ Suehsdorf, A. D. (1978). The Great American Baseball Scrapbook, p. 103. Random House. ISBN 0-394-50253-1.
  8. ^ International, Rotary (1936) (英語). The Rotarian. Rotary International. https://books.google.com/books?id=vEAEAAAAMBAJ&dq=French+Lick,+Indiana+laxative&pg=PA52 
  9. ^ Census of Population and Housing”. Census.gov. 2015年6月4日閲覧。
  10. ^ 2020 CENSUS - SCHOOL DISTRICT REFERENCE MAP: Orange County, IN”. アメリカ合衆国国勢調査局. 2024年6月12日閲覧。 - Text list
  11. ^ “Alumni Banquet”. en:The Dubois County Daily Herald (en:Jasper, Indiana): p. 10. (1972年4月26日) 
  12. ^ Blackford, Nathan (2014年7月15日). “School’s Out Forever”. 2024年6月12日閲覧。
  13. ^ “Rex Wells to Coach Springs Valley School”. The Herald (en:Jasper, Indiana) 62 (244): pp. 1, 12. (1957年7月24日) 
  14. ^ City/Library Name Index” (pdf). Indiana Public Library Directory (2019年5月15日). 2025年5月29日閲覧。