フランチャコルタ

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フランチャコルタ
DOCG Franciacorta
製造用に許可されたブドウ品種
出典:Ministero delle politiche agricole
フランチャコルタ

フランチャコルタFranciacorta)は、イタリアロンバルディア州東部のフランチャコルタ地方 (Franciacortaで造られる、シャンパーニュ方式(瓶内2次発酵)のスパークリングワイン

イタリアにおける原産地名称保護(保証つき統制原産地呼称、DOCG)の指定を受けており、ピノ・ビアンコシャルドネピノ・ネロが主要品種である。シャンパーニュに次ぐ品質と世界的にも認められている。

フランチャコルタの歴史とデータ[編集]

1961 年、11 のワイン生産者が現在私たちが知ってい る“フランチャコルタ”(当時は“ピノ・ディ・フランチャ コルタ”と呼ばれていた)を初めて生産しました。当時、 生産量はわずか 200,000 リットル、11 の生産者のブド ウ畑の面積は合計 29haに過ぎませんでしたが、この一 歩からその後のフランチャコルタ製法の成功は始まった のです。 現在のフランチャコルタの歴史は、このように 20 世紀後半から始まりましたが、フランチャコルタと呼ば れている地域では、16 世紀からすでに名の通ったワインが地元の消費量を上回るほど造られていました。 当時から、販売目的のワインが生産されていたと思われます。実際に、ナポレオンが改正した土地台帳の 1809 年の記録を調べたところ、ブドウ栽培面積がほぼ 1000haに達していた事が証明されました。これは 当時の約 4 万人という人口の需要をかなり上回る栽培面積です。

もっと現代に目を移しますと、1967 年に、イタリア共和国大統領令によりフランチャコルタの生産地域は 統制原産地呼称(DOC)の認定を受けました。その後 20 年余の歳月を経て、29 の生産者の意思に基づき、 1990 年 3 月 5 日に”フランチャコルタ協会”が設立されました。

1995 年に、フランチャコルタは、瓶内二次発酵方式のみで造られるイタリアワインとしては初めて、統制 保証原産地呼称(DOCG)の認定を受けました。同年、フランチャコルタ製法が認定された事により、“ヴィー ノ・スプマンテ”という言葉を表記しない事になりました。現在、ラベル上ではフランチャコルタという呼 称のみで生産地域、瓶内二次発酵による製法、ワイン名を表します。

フランチャコルタに関する数字 1990年3月5 日:フランチャコルタ協会設立 1995 年:DOCG認定 116:協会加盟ワイナリー数 19:フランチャコルタの生産地地域に含まれる自治体コムーネ(ブレッシア市を含む) 2,800ha:フランチャコルタ DOCGのブドウ畑の総面積(シャルドネ 82% , ピノ・ネーロ 14% , ピノ・ ビアンコ 4% ) 350ha:クルテフランカDOC のブドウ畑の総面積 3,150ha:フランチャコルタ生産地域内の原産地呼称付ワインに使われるブドウ畑の総面積 2015 年度の販売実績は 1,650 万本、その内 150 万本が輸出されました。 主要海外市場の筆頭は輸出全体の 22%を占める日本。続いてスイス、アメリカ合衆国がそれぞれ約 14%を 占めています。注目すべきは成長率で、2014 年度対比で日本は 19%増、アメリカ合衆国は 16%増を達成 しました。この順調な推移は各市場への熱心な働きかけとコミュニケーションに多額の投資を傾けた成果です。

フランチャコルタの製法[編集]

フランチャコルタ製法は何世代にも亘って継承されて来 たノウハウと技術の進歩を巧みに融合させて生まれたも のです。この地で培われた伝統は、ボトルごとの品質の 高さを重んじる意識の高い生産者の手によって守られて 来ました。フランチャコルタの生産方法は究極の高品質 ワインを造るための厳格かつ緻密な規則により統制され ています。究極の高品質こそがフランチャコルタ協会な らびに加盟生産者にとって最も大切な事であり、生産者 はそのために、高貴なブドウ品種のみを使い、手摘みで 収穫をし、自然な瓶内二次発酵、酵母の澱を入れたまま 長期に亘る瓶熟成を行います。瓶熟成の期間は最短でも18ヵ月以上、ミッレジマートは 30 ヵ月以上、リゼルヴァは 60 ヵ月以上と定められています。 1995 年、フランチャコルタは瓶内二次発酵方式のみで造られるイタリア・ワインとして初めての DOCG 統制保証原産地呼称の認定を受け、フランチャコルタの生産方式が認められたため、同年から“スプマンテ(発泡性ワイン)”という表示は使わなくなりました。現在、ラベルにはフランチャコルタの原産地呼称の みが表記され、この呼称だけで生産地の領域、生産方式、ワイン名を表します。 ヨーロッパ中でこの特権を持つのは 10 の原産地呼称だけで、その内、瓶内二次発酵で造られるものは 3 つ しかありません。カヴァ、シャンパーニュ、フランチャコルタです。長い歴史を持つ数々のワイナリーが現 在ではテクノロジーを駆使したワイン造りの殿堂として近代的な醸造設備兼ね備え、様々なタイプのフラン チャコルタ(ノン・ミッレジマート、ミッレジマート、ロゼ、サテン、リゼルヴァ)を造っており、また、 クルテフランカDOCの白と赤、セビーノIGTのようなフランチャコルタ地域のスティル・ワインも造って います。

生産方式 フランチャコルタ方式は現在もボトル毎の品質を守り続けています。地元の葡萄栽培者たちの熟練の技と先 進テクノロジーが見事に融合した、由緒ある生産技術です。極上のワインを造るための厳格で綿密な規則、これこそがフランチャコルタ協会並びに加盟生産者が最も大切にしている掟であり、生産者は高貴葡萄品種のみを使用し、手摘みによる収穫、自然な瓶内二次発酵を経て、酵母の澱を入れたままゆっくりと時間をかけて熟成させます。熟成期間はBrutで 18 ヶ月以上、ミッレジマートでは 30 ヶ月、リゼルヴァでは 60 ヶ月 に及びます。

葡萄品種 フランチャコルタはシャルドネ、ピノ・ネーロ、ピノ・ビアンコを使って生産されます。ピノ・ビアンコの 使用の上限は 50%です。フランチャコルタの葡萄畑では 1 ヘクタール当たりの最大収穫量は 10 トンと定め られています。収穫は手摘みが義務付けられており、年度にもよりますが、8 月上旬から 9 月上旬の間に行 われます。 収穫された葡萄の房は丁寧に運搬用ケースに収めて醸造所に運ばれ、葡萄畑毎に別々に醸造されます。ベー スワインの品質を確実に高くするのに欠かせない上質な葡萄果汁のみを得るために、葡萄は極めてデリケー トに圧搾します。

圧搾 葡萄を最小限の圧力で圧搾して、フランチャコルタのベースワインを造るためのフリーランジュースを得ま す。翌年の春には、ベースワインをブレンドしてキュヴェを造ります。生産者が注意深くベースワインを試 飲し、異なる年度のベースワインも含めて、“独自”のフランチャコルタの特徴を出すべく選んでブレンド したものがキュヴェです。

ティラッジョ:二次発酵のためのボトリング ティラッジョとは、ブレンドしたベースワイン(キュヴェ)にゆっくりとした発酵つまり二次発酵を起こす ために、糖分と酵母を加えてボトリングする事です。この工程により、二酸化炭素が発生し(発泡の生成)、ボトル内のガス圧が 6 ~ 7 気圧まで高まります。

瓶内二次発酵 金属製の王冠栓で密封されたボトルはセラー内で水平に積み重ねられ、長い期間を過ごします。二次発酵が 完了し(プレーザ・ディ・スプーマ)してから、何ヶ月も経つうちに酵母が自己分解する事により、香りの 複雑さが増して、フランチャコルタ特有の官能特性が感じられるようになります。

瓶内に酵母の澱を入れたままの熟成期間によって、フランチャコルタは以下のタイプに分けられます。 − フランチャコルタ・ノン・ミッレジマート(収穫年度表示無し):最低 18ヶ月 − フランチャコルタ・サテンとフランチャコルタ・ロゼのノン・ミッレジマート(収穫年度表示無し): 最低 24ヶ月 −  フランチャコルタ・ミッレジマート、フランチャコルタ・ミッレジマート・サテン、フランチャコルタ・ ミッレジマート・ロゼ(収穫年度表示付):最低 30 ヶ月 −  フランチャコルタ・リゼルヴァ・サテン、フランチャコルタ・リゼルヴァ・ロゼ、フランチャコルタ・ リゼルヴァ:最低 60ヶ月

動瓶とスボッカトゥーラ(デゴルジュマン) 熟成期間が完了したら、ボトルは動瓶板(ピュピートルとも呼ばれる)に移され、毎日 8 分の 1 回転させつつ徐々に瓶口を下に向けて行き、3 ~ 4 週間かけて酵母の澱が瓶口に沈殿するよう導きます。 この独特の動瓶作業はルミュアージュとも呼ばれ、この作業に特化したスペシャリストが行います(各々が 一日最高 15,000 本回します) お待ちかねのスボッカトゥーラ(デゴルジュマン)の瞬間がやって来ました。ボトルを倒立させて瓶口の部 分を冷却液につけると、酵母の澱を完全に封じ込める氷の“栓”を形成します。瓶口を上に向けて金属製の 仮栓を外すと、ボトルの内圧により、凍った澱が勢い良く瓶口から飛び出すので、失われる内圧もこぼれ出るワインの量もごく僅かです。 ボトル内のワインの量を元に戻すために補填する際、ノン・ドザート(糖分添加無し)のフランチャコルタ の場合には少量のワインのみを加え、その他のタイプには、フランチャコルタのベースワインに糖分を混ぜ た“ドザージュ・ リキュール”(リキュール・デクスペディシオン)をフランチャコルタのドザッジョ・ゼロ、 エキストラ・ブリュット、ブリュット、エキストラ・ドライ、セックあるいはデゥミ・セックと言ったワイ ンの味のタイプに応じて必要な量だけ加えます。 最後に伝統的なキノコ型のコルク栓を打ってワイヤーの留め金を嵌めます。 ボトリングとラベル貼りが完了すると、市場にリリースする前にイタリア政府が発行する帯封をボトル毎に 付けなければなりません。化学−物理特性検査から官能特性検査に至るまで、すべての品質検査にそのワイ ンが合格した時にしか帯封は発行されないので、この帯封がフランチャコルタDOCGである証しになります。帯封にはフランチャコルタDOCG統制保証原産地呼称、アルファベットと数字を用いた通し番号、ボ トルの容量、この原産地呼称のロゴである“城砦の塔を模したF”が印刷されています。

ドザージュ(糖分添加) フランチャコルタのそれぞれのタイプはスボッカトゥーラ(デゴルジュマン)後に添加するリキュール(ワ インと糖分の混合液)の量の違いから生まれる独特の特徴によって、それぞれが独自の際立つ個性を持って います。

・ノン・ドザート(ワインの自然な残存糖分が 1 リットル当たり 3 グラム以下 −フランチャコルタの様々なタイプの中で最も辛口

・エキストラ・ブリュット(1 リットル当たり糖分 6 グラム以下) −極めて辛口

・ブリュット(1 リットル当たり糖分 12 グラム以下) −辛口だが、エキストラ・ブリュットよりソフト。フランチャコルタの中で最も幅広いシーンで楽しめるタイプ。

・エキストラ・ドライ(1 リットル当たり糖分 12 ~ 17 グラム) −ソフト。クラシックなブリュットよりやや多く糖分が添加されている。様々な食材に良く合います。

・セックもしくはドライ(1 リットル当たり糖分 17 ~ 32 グラム) −ほのかに甘口。

・ドゥミセック(糖分 1 リットル当たり 33 ~ 50 グラム) −糖分添加量がかなり多いので、甘さを感じさせる味わいです。デザート類やケーキなどに良く合います。

フランチャコルタの種類[編集]

フランチャコルタ 使用品種:シャルドネおよび/もしくはピノ・ネーロ。50% を上限にピノ・ビアンコの使用が認められて います。 特徴:瓶内二次発酵と酵母の澱を入れたままの熟成期間は最低 18ヶ月。収穫期から数えて、醸造と熟成期 間は最低 25ヶ月に及びます。ボトルの内圧は 5 ~ 6 気圧。

テイスティング・ノート:金色の反射を見せる麦わら色がかった黄色。泡立ちはきめ細かく持続性がありま す。瓶内二次発酵特有のブーケにはパンの皮、酵母の香りに、デリケートな柑橘類やアーモンド、ヘーゼル ナッツ、干しイチジクのような木の実やドライフルーツの香りが華を添えます。ミネラルの風味、爽やかな 酸味、洗練された上品さと調和の良さが特徴です。 ドザージュのタイプ:パ・ドゼ、エキストラ・ブリュット、ブリュット、エキストラ・ドライ、セックもしくはドライ、ドゥミセック。

フランチャコルタ・サテン 使用品種:シャルドネ(主な品種)および 50% を上限としてピノ・ビアンコの使用も認められています。 特徴:厳選されたベースワインのブレンドと 5 気圧以下の内圧による滑らかな口当たり。ブリュットのタイ プのみで造られます。 テイスティング・ノート:極めて細かく持続性のある泡立ちはクリーミーと表現したいほど繊細です。麦わら色がかった黄色に薄緑色も交ざる深みのある色。完熟した果実の香りが変化につれてはっきりと感じられ、 白い花、ドライフルーツや炒ったナッツ(アーモンドやヘーゼルナッツ)の香りが伴います。ほどよいミネ ラルの味と心地よい酸味がシルクのデリケートな肌触りを思わせる滑らかな口当たりに調和します。 ドザージュのタイプ:ブリュット

フランチャコルタ・ロゼ 使用品種:シャルドネ、ピノ・ピアンコ(50% を上限とする)、ピノ・ネーロ(最低 25%) 特徴:ピノ・ネーロの葡萄は望む色調になるまで果皮を入れたまま発酵させます。ピノ・ネーロで造ったロ ゼをベースワインとしてピノ・ネーロ 100% で造るか、ピノ・ネーロのロゼにシャルドネおよび/もしく はピノ・ビアンコのベースワインをブレンドして造ります。 テイスティング・ノート:ピノ・ネーロの存在がこのフランチャコルタに葡萄品種特有の香りに加え、ボディ と独特の活力を与えます。 ドザージュのタイプ:パ・ドゼ、エキストラ・ブリュット、ブリュット、エキストラ・ドライ、セックもしくはドライ、ドゥミセック。

フランチャコルタ、フランチャコルタ・サテン、フランチャコルタ・ロゼはより長い熟成期間を経ると、個 性、複雑さ、優雅さがいっそう際立って行きます。 長期熟成するタイプはフランチャコルタ・ミッレジマートとフランチャコルタ・リゼルヴァです。

フランチャコルタ・ミッレジマート 特徴:“ミッレジモ”という言葉はワインが単一の収穫年度の葡萄だけで造られている事を意味します。ミッ レジマートは作柄の品質が特に良く、キュヴェ(収穫年度表示無しのフランチャコルタに使われるブレンド)

よりも長い熟成期間を経るとワインの価値が高まる収穫年度に造られます。収穫の時期から市場に出荷されるまでに最低 37ヶ月かかります。 テイスティング・ノート: フランチャコルタ・ミッレジマートは当該収穫年度の天候やその年の作柄の品 質を鮮やかに映し出す香りや味の個性を持っています。 ドザージュのタイプ:パ・ドゼ、エキストラ・ブリュット、ブリュット、エキストラ・ドライ。 ただし、サテン・リゼルヴァはブリュットのタイプのみです。

フランチャコルタ・リゼルヴァ 特徴:フランチャコルタ・リゼルヴァは極上の品質のミッレジマートで、その香りと味わいを最大限に際立 たせるために、酵母の澱を入れたまま何年間も熟成させて造ります。生産規則では最低熟成期間を 5 年と定めています。つまり、フランチャコルタ・リゼルヴァは収穫から市場に出荷されるまでに最低 67ヶ月(5 年半)かかります。 ドザージュのタイプ:パ・ドゼ、エキストラ・ブリュット、ブリュット、ただし、サテン・リゼルヴァはブ リュットのタイプのみです。

フランチャコルタという産地−その地域[編集]

イタリアの他のワイン生産地でも行われているように、 フランチャコルタ生産地域の村、ワイナリー、フランチャ コルタ・ワイン観光に何等かの関連がある企業が、“フ ランチャコルタ街道”という協会を設立し、ワインの高 い価値だけでなく、ワインが生まれる素晴らしい産地も プロモートしています。

現在のフランチャコルタ生産地域の境界線は、ヴィスコ ンティ家の時代に整備され、ベネチア共和国時代の 15 世紀に継承された都市周辺領地の境界線と重なっていま す。現在、フランチャコルタの生産地域には、ブレーシ ア県の 19 のコムーネ(自治体)の領域が含まれています。

フランチャコルタという呼称はコルティ・フランケ(関税を免除された領地)という遠い昔の呼び名に由来 するものです。クリュニー会の修道士たちがこの地にやって来て、この地域は交易の関税を免除されました (curtes francaeクルテス・フランカ)。“フランツァクルタ”という地名は都市国家ブレーシアの 1277 年 の年報で初めて、イゼオ湖の南側、オリオ川とメッラ川に挟まれた地域を指すために使われました。

この地域の近年の歴史には、ワインの逸品フランチャコルタに結びついています。丘陵地帯では、丘の上に 広がるブドウ畑の間に、中世の塔、15 世紀に建てられた館、城や小さな村落が点在しています。この地の ブドウ畑からフランチャコルタが造られます。それは遠い昔からブドウ栽培に適した土地とされて来た地域 の銘酒なのです。

ワイナリー

フランチャコルタ地域にあるどの醸造所も、先進的な醸造技術の殿堂として訪れる価値があります。訪問の 目的は、高級ワインがどのようにして造られているかを知るためでも良いし、醸造所の見事な建物を見学するためでも良いのです。醸造所の建物は由緒ある貴族の館を改装したもの、古い田舎家を修復したものが多 いですが、著名な建築家の設計による先進的な建物もあります。醸造所内には売り場も設けられており、自 社製品の直販を行っています。

修道院、城、博物館 フランチャコルタ街道沿いには、訪れる人を魅了するルートや名所が幾つもあります。ブレーシア(フラン チャコルタ街道の出発点)の旧市街にはドゥオーモとロッジア広場、そして、歴史的な文化財や美術品の見 事なコレクションを所蔵する博物館があり、特に、サンタ・ジュリア博物館の荘厳な建造物群は、一連の建 物を巡るだけで先史時代から現代に至るまでの街の歴史、美術、信仰を知る上で貴重なルートとなります。 それはヨーロッパでも類を見ない構造の博物館で、ランゴバルド王国のデジデリオ王とアンサ王妃が設立し た古い修道院の建物を使っています。 修道院は建設当時、この場所にあった古代ローマの宮殿の遺跡の上に建てられたもので、近年その遺跡が発 見されました。ランゴバルド王国時代の史跡として重要なこの博物館を構成する建造物群にはサン・サルヴァ トーレ大聖堂、サンタ・マリア・イン・ソラリオ小礼拝堂、1400 年代に建てられたサンタ・ジュリア教会、 ルネサンス時代の修道院の回廊があり、カピトリウム(カピトリーノ寺院)と共に、2012 年にユネスコの 世界遺産に登録されました。

湖の方向へ北西に進むと、ロデンゴ・サイアーノに着き、オリヴェート修道会のサン・ニコラ大修道院を訪 れる事が出来ます。この修道院はイタリア屈指の荘厳な修道院ならびに付属施設の一つで、院内には 1500年代および 1600 年代のブレーシア派の巨匠たち(フォッパ、ロマニーノ、モレット、ガンバーラ)の作品 があります。

ロヴァートまで行くと、1400 年代に建てられたアヌンチャータ・スル・モンテ・オルファノ修道院があり、 そこからフランチャコルタの丘陵地と平野の景観を一望する事が出来ます。調和良く中庭を囲む修道院の回 廊は静かな安らぎの場であり、美術の貴重な名作を所蔵しています。1500 年代のブレーシア出身の画家、 ジローラモ・ロマニーノの“受胎告知”もその一つです。

エルブスコ(フランチャコルタ協会の本部とフランチャコルタ街道協会の本部がある)では、趣のある古い 街並みを散歩すれば、古い城の遺跡、1400 年代の貴重なフレスコ画で装飾されたロマネスク様式のサンタ・ マリア・アッスンタ教区教会、フランチャコルタで最も豪華な館である、1500 年代建造のヴィッラ・レキ を訪れる事ができます。

オーメの町で、この地域に伝わる“もの作り”の伝統を知るには、現在でも炉が稼働している 15 世紀創立 の鍛冶屋マリオ・アヴェロルディが挙げられます。これこそが、生きている博物館です。この地で古くから 継承されて来た鍛冶という職業、鉄の加工の歴史と技法を目の当たりにする事が出来るのです。

ニゴリーネ・ディ・コルテ・フランカには、要塞の設備を備えた 1600 年代の館、パァラッツオ・トッリが 在ります。1800 年代に、この館は重要な文化的サロンとなり、カルドゥッチ、フォガッツァーロ、ザナルデッ リなどの名士が招かれました。

さらにイゼオ湖に近づいて行くと、プロヴァリオ・ディゼオに至ります。この街にはロマネスク様式の至宝、 クリュニー修道会のサン・ピエトロ・イン・ラモーザ修道院があり、入り口の前庭からは、ヨーロッパ随一 の自然のオアシス、セビーノ沼を見晴らす絶景が心を潤してくれるので、自然の中を散策するには申し分あ りません。

自然

フランチャコルタでは、ブドウ園やオリーブ林の後ろに深い森があります。目を見張る大自然の景観は自然 公園により保護されており、そこでは、丘の周りをくねるように、渓流が勢い良く流れて行きます。

セビーノ沼自然保護地区に広がる水面から、ブドウ樹に覆われた丘陵地はイゼオ湖に向けて傾斜しています。 水面、葦の原、沼地の植物群は約 350 ヘクタールに及び、無数の鳥が生息しています。春になると、一面 に睡蓮の花が咲き、見事です。標識を辿って道を進めば徒歩で行けますし、自転車でも行けます。バード・ ウォッチャーにとってはまさに楽園です。

他にも、自然を愛する方にお勧にめできるスポットがあります。ヴァッレ・デル・フス渓谷にあるオーメ植 物園は針葉樹に特化した植物園で、針葉樹に分類される7つの科すべてが植えられています。モンティチェッ リ・ブルザーティの滝に行くには、ヴァル・ガイナ渓谷の渓流に沿って進む美しい小道を通って行きます。グッ サーゴのパルコ・デッラ・サンティッシマ公園はフランチャコルタ屈指の眺望を誇るスポットです。丘の上 には 1300 年代にドメニコ修道会が建てたラ・サンティッシマが聳え建っています。

食文化

フランチャコルタの食の楽しみは驚くほど豊かです。美味しい郷土料理に根差し、伝統を踏まえつつ、新た な試みを取り入れたフランチャコルタの高級レストランの料理は有名です。郷土料理の醍醐味を知るにはト ラットリアやアグリツーリズモをお勧めします。典型的なフランチャコルタ料理といえば、後背地で産する 肉を使った郷土料理とイゼオ湖畔に伝わる魚料理です。両方の伝統料理の例としては、ロヴァートの牛肉の オリーブ・オイル煮(ロヴァートにはベネチア共和国時代からイタリアでも指折りの食肉市場がありました) とイゼオ湖畔の漁村クルザーネの名物料理、詰め物をしたテンチ(訳注:ヨーロッパ産のコイ科の淡水魚) のオーブン焼きポレンタ添えが挙げられます。

イゼオ湖伝統の干しサーディンのオイル漬けはスローフードのプレジディオ(味の砦)に指定されている特 産品です。実は、この魚は本当のサーディン(海の魚)では無く、アゴーネ(訳注:ニシン科の淡水魚)で す。この料理はその味もさることながら、それに先立つ漁や加工作業の趣で人々を魅了します。漁師たちは 夕暮れ時に船を出します。地元の方言で naécc(ネィチ)と呼ばれる船です。そして、網(サルデネーレ) を下します。網にかかった魚はすぐにハラワタを取り除き、きれいにして、最低 48 時間塩漬けにします。 その後、風通しの良い所で木製の竿に下げ、30 日から 40 日間陰干しにします。干したサーディンをステン レスの容器に移し、約 4 日間加圧し、オイルを満たします。そのまま最低 4 カ月間寝かせてから、不純物を取り除き、より小さい容器に移してオリーブ・オイルに浸けて更に12ヵ月熟成させます。

言い伝えでは、この製法の由来は少なくとも 1000 年前に遡り、イゼオ湖畔の漁民がブレーシアのサンタ・ ジュリア修道院に毎年一定量の魚の干物を納めなければならなかった時代から継承されて来たものです。

この地域の特産食品は極上品で、通人好みです。まず、チーズはロビオーラ・ブレシアーナ、ストラッキー ニ、プレッサート、サルヴァ、シルテー、DOP(保護指定原産地表示)ゴルゴンゾーラ、グラナ・パダーノ、 プロヴォローネ・ヴァルパダーナ、クアルティローロ・ロンバルドが挙げられます。また、ミッソルティー ニ、湖で漁れる小魚、蜂蜜、ソーセージや豚肉加工食品(軽く燻製したモンテ・イゾラのサラミや、ノロ鹿のサラミ“レット”)の他。セビーノのエキストラヴァージン・オリーブオイルは厳しい規則を守って造ら れており、まだ生産量も少なく、極上品です。フランチャコルタのワインに使われるブドウの搾りかすを蒸留して造るグラッパも有名で、パティスリーで菓子職人が手作りするスィーツも定評があります。

スポーツとウェルネス

フランチャコルタはサイクリング愛好家のパラダイスです。難易度が異なる曲線的なルートが地域内に 15 あります。フランチャコルタ街道協会が整備した、ワインと食−サイクリング−観光をテーマとするルート が 5 つあり、それぞれのルートの名前にフランチャコルタのワインのタイプ名が使われています。どなたに でも楽しんでいただけますから、ゆっくりとサイクリングを楽しみたいツーリスト、お子さま連れのファミ リー、本場でフランチャコルタを味わいたいというワイン観光目的の皆様にもお勧めします。ルートの出発 点にはインフォメーション表示板があり、テクニカルな注記を付けたマップが表示されています。ご自身の スマートフォンでダウンロードできるようQR コードも付いています。ツーリストはフランチャコルタ街道 のロゴ入りの貸自転車を利用する事もできます。

フランチャコルタ街道協会は、丘陵とブドウ畑の間を縫うように通り抜けて行く数ある散歩道の中でも、半 日で回れる 6つの周回ルートと 2 日間で歩けるトレッキング・ルートを推奨しています。

フランチャコルタには 27 ホールのゴルフ場があり、ブドウ畑の間を馬に乗って散歩したり、馬車で散歩す るための馬の厩舎もあります。イゼオ湖では、ヨット、サーフィン、水上スキー、釣り、ダイビングを楽しめます。

ウェルネス・センターも数多く、通常はホテルやアグリツーリズモの施設内にありますが、外部からのお客 様も受け入れています。

手工業

鍛冶の仕事は 1600 年代に遡る伝統の職人技です。当時の富豪たちは自らの邸宅を飾るために競って鍛冶職 人の力作を手に入れようとしました。 バルコニー、窓の鉄格子、様々なサイズの扉の鉄格子、多種多様な 標識や紋章は現在もフランチャコルタの地域一帯に点在する館のファサードで際立った存在感を放っていま す。昔ながらの鍛冶の仕事をより層詳しく知るには、1400 年代に遡る歴史を持つオーメのマリオ・アヴェ ロルディを訪ねて下さい。この鍛冶屋は数年前まで実際に工房として稼働していたのですが、現在は鍛冶博 物館に生まれ変わりました。

ヨーロッパ最大の湖上の島、モンテ・イゾラはイゼオ湖の中心に位置しています。この島には、漁の網を作 る工房と、naécc(ネィチ)と呼ばれる木製の伝統的な漁船を造る工房が今でもいくつか残っています。

サルニコ石は何世紀にも亘り、フランチャコルタの地域の建物の特徴を成して来ました。特に 1600 年代か ら、公共の建物であれ、個人の建物であれ、窓の周りや大きな扉の周りをこの石で張ったり、暖炉や円柱、 大階段を造ったりする事が良く行われるようになりました。パラティコの郊外には今でも採石場が存在して いますが、現在もこの石の加工を続けている石工はほんの僅かです。

フランチャコルタ協会[編集]

フランチャコルタのワインの生産規則遵守を保証し監視するために、29 人の生産者を発起人とし て 1990 年 3 月 5 日、コルテ・フランカで設立されました。瓶内二次発酵方式のみで造られるこのワインの 呼称は生産地域の地名で、地域内ではこのワインに使われるシャルドネ、ピノ・ネーロ、ピノ・ビアンコが 栽培されています。フランチャコルタ、この一言で、生産地域、生産方式、ワイン名を表します。 フランチャコルタ品質保護協会は、1993 年にエルブスコの現在の本部に移転し、現在、ヴィットリオ・モレッティが会長を務めています。原産地呼称フランチャコルタDOCG、クルテフランカDOC、セビーノIGT の生産体系に関わる葡萄栽培者、醸造業者、瓶詰め業者など、合計 200 近い加盟者が参加しています。 見紛う事の無いフランチャコルタ協会のロゴには、ロンバルディア州中央部に位置し、ブレーシア市とイゼオ湖 畔の間にある 19 のコムーネ(共同体)の特徴である中世の塔を模して、城砦の塔を模した F が使われています。 (アドロ、ブレーシア、カプリオーロ、カッツアーゴ・サン・マルティーノ、チェッラーティカ、コッカリオ、 コローニェ、コルテ・フランカ、エルブスコ、グッサーゴ、イゼオ、モンティチェッリ・ブルザーティ、オ メ、パデルノ・フランチャコルタ、パラティコ、パッシラーノ、プロヴァリオ・デイゼオ、ロデーニョ・サ イアーノ、ロヴァート)

生産規則に始まり、魅惑的な風景や文化のプロモーションに至るまでの継続的な仕事を通して、当協会は品 質保護とブランド並びにフランチャコルタの地域の価値向上のために国内外で活動しています。ワインの品 質を至上のものとする協会加盟者の確固たる意志があればこそ、これらすべての活動が可能になります。 過去 50 年間にフランチャコルタはトップクラスの知名度を確立し、イタリア内外の市場で目覚しい成長を 遂げました。辿る道を照らす光はワインの品質であり、消費者の要望に沿う戦略を立てられるよう、綿密な 研究とリサーチを遂行しました。 フランチャコルタ協会の統計データ収集部門はイタリアの葡萄栽培・ワイン製造業界の正確なデータ収集と 分析を行う、業界初の他に類を見ない部門であり、当協会がリサーチに傾ける熱意を最も良く表す例です。 当協会がチェルメス−ボッコーニのような大学、地方公共団体、環境保護協会などと共同で進めるプロジェ クトも数多くあります。

フランチャコルタへのアクセス[編集]

• イタリア国鉄ミラノ−ベネチア • イタリア国鉄ミラノ−ベルガモ−ブレーシア • トレノルド鉄道 ブレーシア/ ロヴァート−イゼオ−エドロ

• 国道 510 号線 ブレーシア−イゼオ • 国道 11 号線 ブレーシア−パラッツォーロ・スッロリオ • 高速A4 号線ミラノ−ベネチア:出口 パラッツォーロ、ロヴァート、 オスピタレット • 高速A35 号線ブレーシア−ベルガモ−ミラノ:出口 キアーリ、ロ ヴァート


• ベルガモ−オリオ・アル・セリオ空港(38km) • ヴェローナ−ヴィッラフランカ−カトゥッロ空港(75km) • ミラノ−リナーテ空港(80km) • ミラノ−マルペンサ空港(120km)



参照[編集]

関連項目[編集]


脚注[編集]

  1. ^ Consorzio per la tutela del Franciacorta

外部リンク[編集]