フォーリナー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

フォーリナー』は堀蔵人が中心になって製作したファンタジーRPGテーブルトークRPG)。 1987年ホビージャパンからボックス版で発売された。 ゲームシステムのデザインはイワイヨシミ、世界設定はイシャー・ナイトと堀蔵人によって行われている。 ボックスアートは天野喜孝が担当している。

中世ヨーロッパ風の幻想世界を舞台にしたオーソドックスなスタイルのファンタジーTRPGであり、本格的な国産ファンタジーTRPGとしては二番目に発売された作品となる (国産初のファンタジーTRPGは1984年の『ローズ・トゥ・ロード』)。

ロール(行為判定)の形式が特徴的で、現在にいたってもその独自性は失われていない。

世界設定[編集]

歴史[編集]

『フォーリナー』の世界設定では、歴史の記述は少ない。 この世界はまだ人間が現れる前、「火炎神エタビトク」「水界神ポッツヌン」「地母神エボンヌ」「天空神ドナ=レベン」という四大神と、 四大神によって作り出された「火のスフィンクス」「水のマーメイド」「大地のドワーフ」「大気のエルフ」という四大種族がいたとされる。 今よりおおよそ320年前、最初の人類が別世界より『フォーリナー』の世界へと界渡りして現れた。 例えば、古い遺跡を発掘した場合には、『フォーリナー』世界では「それは人間の造った物ではない」ことになる。

魔法[編集]

界渡りによって現れた人間は、そのほとんどが「魔法使い」であった。 100年ほどすると、人間は「この世界では魔法を使うことで、その場所での魔法の源が失われる」ということを発見した。 そして、有限である魔力の源を保護するために、一定以上に強力な魔法を使うことを禁止した。 このことはルールにも反映されており、例えば大地の魔法を使う場合、山で使う場合よりも街で使う場合の方が、魔法成功値が20%も低くなる。

地理[編集]

『フォーリナー』の世界設定では、地理の記述は非常に力が入れられている。 気候区についてだけでも、「エスタリオル大陸」「ヴァナシュール大陸」という二大陸が24の気候区に区分されて、細かく紹介されている。 さらに13の季節風、8の海流、7の土壌、25の火山が紹介されている。

都市[編集]

『フォーリナー』世界最大の都市であるイスカルド1つのみが紹介されている。

その他[編集]

国家については、まったく紹介されていない。 国家単位での歴史、種族単位での歴史、有力人物などは、まったく紹介されていない。

システム[編集]

ロール[編集]

ロール(行為判定)の形式は、内容によっていくつかに分類される。いずれもサイコロとして10面ダイス(D10)を使用する。

  • 一般判定ロール - 一般判定ロールの形式は下方判定となる。「D10を2個振り、そのもっとも小さい出目」がロールに使用される能力値以下であれば成功となる。ロールの難易度が簡単であれば、振れるD10の個数が3個に増やされる。ロールの難易度が困難であれば、振れるD10の個数が1個に減らされる。
  • 白兵攻撃ロール - 白兵攻撃ロールの形式は上方判定となる。攻撃側はSTR+AGI+1D10(+武器防具修正)を、防御側はAGI+1D10(+武器防具修正)をロールし、「攻撃側の達成値が防御側の達成値をいくつ上回ったか」という数値で表を参照してダメージが決定される。
  • 射撃攻撃ロール - 射撃攻撃ロールの形式は下方判定となる。「D10を1個振り、そのもっとも小さい出目」が武器の命中率以下であれば命中となる。D10を武器のダメージ個数振り、そのもっとも小さい出目で表を参照してダメージが決定される。

キャラクター[編集]

アトリビューション[編集]

アトリビューション(能力値)として、CON(耐久力)・STR(筋力)・POW(精神力)・WIS(知性)・AGI(敏捷性)の5種類がある。

キャラクター作成では、5種類についてそれぞれ「D10を3個振り、そのもっとも小さい出目」がアトリビューションとなる。 次にキャラクターはシューレ(修道所)に入門し、最大6回まで特定のアトリビューションを増加しようと試みることができる。

アライメント[編集]

キャラクターは9種類のアライメント(元素)のいずれか1つを持つ。

  • - 水の魔法を使うことができる。魔法によるPOW消費は1点。
  • 大洋 - 水と大気の魔法を使うことができる。魔法によるPOW消費は2点。
  • 大気 - 大気の魔法を使うことができる。魔法によるPOW消費は1点。
  • 太陽 - 大気と火の魔法を使うことができる。魔法によるPOW消費は2点。
  • - 火の魔法を使うことができる。魔法によるPOW消費は1点。
  • 火山 - 火と大地の魔法を使うことができる。魔法によるPOW消費は2点。
  • 大地 - 大地の魔法を使うことができる。魔法によるPOW消費は1点。
  • - 大地と水の魔法を使うことができる。魔法によるPOW消費は2点。
  • 平衡 - すべての魔法を使うことができる(ただしマジック・シューレに所属しなかった者は、魔法を使うことができない)。魔法によるPOW消費は3点。

人種[編集]

キャラクターの人種は、基本となる人間の他に、ドワーフエルフホビットオークを選ぶことができる。

魔法王国シムルグント[編集]

世界設定担当の堀蔵人は、『フォーリナー』発売の2年後に『RPG設定資料 魔法王国シムルグント』を出版している。 しかし、これは『フォーリナー』と互換性のない世界設定資料である。

『フォーリナー』では、人間は界渡りによっておおよそ320年前に現れた種族であり、この世界で長い歴史を持たない。 その一方、『魔法王国シムルグント』では、人間がこの世界で長い歴史を持ち、魔法技術を発展させてきた様子が書かれている。 また、地図も『魔法王国シムルグント』ではまったく異なったものになっており、「アルス・マグナ全図」とされている。

出典および書籍一覧[編集]

  • フォーリナー
    • 基本ルールブック。1987年にホビージャパンより発売。ボックス版。ルールブック24頁。アドベンチャーブック22頁。ワールドブック26頁。
  • マジック&シティ
    • サプリメント。イスカルドという都市を紹介したシティガイド。1989年にホビージャパンより発売。ボックス版。マジックブック14頁。シティブック52頁。シナリオブック36頁。
  • RPG設定資料 魔法王国シムルグント 
    • ゲームシステムの種類を問わずに使用できる、TRPG用のファンタジー世界「シムルグント」の設定資料集。1989年にソフトバンクより発売。225頁。ISBN 4-89052-0406

関連項目[編集]