フォアアールベルク州

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
フォアアールベルク州
Vorarlberg(Vorarlbearg)
フォアアールベルク州の旗フォアアールベルク州の紋章
(州旗)(州の紋章)
オーストリア国内におけるフォアアールベルク州の位置
州都ブレゲンツ[1]
最大の都市ドルンビルン
州首相マルクス・ヴァルナーÖVP
面積
 - うち陸面積
 - 水面積
2,601.48 km2 (第8位)
2,533.84 km2 (97.4 %)
67.64 km2 (2.6 %)
人口
 - 総計
 - 人口密度
(2013年12月31日)
376,347 人 (第8位)
145 人/km2
与党ÖVPおよび緑の党
前回選挙2014年9月21日
次回選挙2019年
連邦議会議席数3
市町村総数
 - うち市の数
 - うち町の数
96
5
11
最高点ピツ・ブイン (3,312 m)
最低点ボーデン湖 (395.23 m)
ISO 3166-2:ATAT-8
ウェブサイト[1]

フォアアールベルク州(標準ドイツ語オーストリアドイツ語オーストリア語):Vorarlberg, アレマン語オーストリアアレマン語):Vorarlbearg(フォラールベアーク)[2][3])は、オーストリアの最西部の連邦州。かつてはrを母音化しない古典的舞台ドイツ語発音にもとづき、フォルアルルベルク州転写されていた。

地理[編集]

アールベルク(Arlberg)の峠

ウィーン州についで2番目に狭い州で、人口37万6347人(2013年末)、面積2601平方km。

州都はブレーゲンツ、最大の都市はドルンビルン。東はチロル州ロイテ郡およびランデック郡、北はドイツバイエルン州南西部のバイエルン・シュヴァーベン地方、西はリヒテンシュタイン公国と、西と南はスイスザンクト・ガレン州グラウビュンデン州ドイツ語圏ラテン語圏ロマンシュ語ロンバルト語など))と隣接する。地域圏としてはバーデン地方シュヴァーベン地方の中間部に属する。

アルプス山脈スキーリゾートとして有名で、北西にボーデン湖がある。ポーデン湖はライン川水系である。

歴史[編集]

紀元前500年前後からケルト人が定住していた。紀元前15年ローマ帝国の支配下に入った。260年フランケン地方を含むライン川上流にいたアレマン人の侵略を受け、ケルト人・ボイイ人ローマ人との混血を繰り返して、450年ころには「フォアアールベルク人」が形成された。

843年カロリング朝東フランク王国フランク王国)の支配を経て、14世紀には、神聖ローマ帝国オーストリア帝国またはオーストリア=ハンガリー帝国)のハプスブルク家の傘下に属し、隣接するリヒテンシュタイン家とも繋がりをもった。

このようなアレマン人の地域としての歴史的・文化的背景から、オーストリア帝国の解体および第一次世界大戦前後にオーストリアからの離脱とスイス連邦加盟を州議会で決議したが、サン=ジェルマン条約に基づいてスイス連邦加盟は拒否された[4]

現在はスイスやリヒテンシュタイン、ドイツから多くの観光客などが来訪し、相互の交流がある。

言語[編集]

バイエルン・オーストリア語が多い他のオーストリアの各州とは異なり、スイスのドイツ語圏とリヒテンシュタインと同様にアレマン語系の方言が話されており、北部は低地アレマン語に属するボーデン湖アレマン語、中・南部は高地アレマン語最高地アレマン語などが地域ごとに話されている。これらを総称してフォアアールベルク語(オーストリアアレマン語)とも呼ばれる。

民族・宗教[編集]

アレマン系のフォアアールベルク人とイタリア系が多数を占める。2001年のオーストリア統計「Statistik Austria」によると、宗教はローマ・カトリック教会が78%、プロテスタントの一派の福音主義教会が2.2%である。そのほか、イスラム教を信仰するトルコ人が8.4%を占めている。

2015年の統計によると、フォアアールベルク州においてローマ・カトリック教会の信徒は241.037 人で全住民比で64%である[5]

福音主義教会信徒は本拠地をアウクスブルクにあるルター派オーストリア福音主義教会アウクスブルク信仰告白派、第二スイス信仰告白派(改革派教会)に属している。アウクスブルク信仰告白派の教会共同体はクラインヴァルサータール地方のミッテルベルク(ブレゲンツ郡)にあるヒルシュエック・クロイツ教会のみである。このヒルシュエック・クロイツ教会はアンシュルス以降ドイツ側のバイエルン福音ルター派教会に属することになったが、オーストリア人福音主義信徒を教会員にしている。第二スイス信仰告白派の改革派教会共同体はブルーデンツ、ブレゲンツ、ドルンビルン、フェルトキルヒにある。

行政[編集]

フォアアールベルク州の地方自治体の財政はおおむね、いまだに「ハルツ改革」(シュレーダー改革とも)によって不況にあえぐドイツとは対照的に、好調な経済状況を背景にして余裕があり、恵まれている。そのため、ドイツからの移住者も多い。

州内では中世以来の保守系労働組合が組織され、特に製造業中道右派を支持している。36議席からなる州議会は中道右派のオーストリア国民党が絶対多数を占め続けているが[6]、実際はオーストリア自由党との連立政権で成り立っている。

2009年9月20日に行われた州議会選挙では、当時の州知事のヘルベルト・ザウスグルーバーが属するオーストリア国民党(ÖVP)が絶対多数の50.79%の得票で20議席を獲得し、第一党の地位を維持した。オーストリア自由党(FPÖ)は25.12%の得票で9議席、緑の党(Grüne)は10.58%の得票で4議席、オーストリア社会民主党(SPÖ)は10.02%の得票で3議席を獲得した。オーストリア未来同盟の得票率は1.20%で、議席獲得はならなかった。投票率は68.44%だった。

2014年9月21日の州議会選挙では、ÖVPが41.79%を得票して16議席を獲得し、得票率は減らしたものの第一党の地位を維持した。FPÖは得票率23.42%で9議席、緑の党は得票率17.14%で6議席、SPÖは得票率8.77%で3議席をそれぞれ獲得した。このほか、新興政党のNEOS=新生オーストリア自由フォーラムも6.89%を得票して2議席を得た。

行政区分[編集]

フォアアールベルク州の四つの郡

その他[編集]

脚註[編集]

  1. ^ 世界大百科事典 第2版の解説”. コトバンク. 2018年2月11日閲覧。
  2. ^ 「フォアアールベルク州」の意味から言えば、Vor Arlberg(スイスのザンクト・ガレン州・とグラウビュンデン州と同国のチロル州側から見てアールベルク峠Arlberg)の手前)「フォア・アールベルク」である。現地語のアレマン語のうちシュヴァーベン語に属するフォアアールベルク語(オーストリアアレマン語)では「フォラールベアーク」のように発音される。
  3. ^ また、一方言では、「レントレ」(Ländle, …-leは縮小の派生語尾)とも呼ばれる。
  4. ^ 『オーストリアの歴史』(増谷英樹古田善文著、河出書房新社2011年)p76.にあるオーストリア第一共和国「誰も望まなかった国」より。
  5. ^ Leichter Rückgang bei Kirchenaustritten. Artikel auf vorarlberg.ORF.at vom 12. Jänner 2016.
  6. ^ 1999年のみオーストリア国民党は過半数を割った。

シンボル[編集]

関連項目[編集]