フェデックス14便着陸失敗事故

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
フェデックス14便
Fedex Flight 14(N611FE) wreckage2.jpg
着陸に失敗した事故機
出来事の概要
日付 1997年7月31日
概要 パイロットエラー
現場 アメリカ合衆国の旗 ニューアーク国際空港
乗客数 3
乗員数 2
負傷者数
(死者除く)
5
死者数 0
生存者数 5 (全員)
機種 マクドネル・ダグラスMD-11F
運用者 アメリカ合衆国の旗 フェデックス
機体記号 N611FE
出発地 シンガポールの旗 チャンギ国際空港
第1経由地 マラヤ連邦の旗 クアラルンプール国際空港
第2経由地 中華民国の旗 中正国際空港
第3経由地 アメリカ合衆国の旗 アンカレッジ国際空港
目的地 アメリカ合衆国の旗 ニューアーク国際空港
テンプレートを表示

フェデックス14便着陸失敗事故(フェデックス14びんちゃくりくしっぱいじこ、FedEx Flight 14)は、アメリカ合衆国で発生したパイロットエラーによる航空事故である。

事故の概要[編集]

同型機のMD-11

1997年7月31日フェデックス14便は東南アジアシンガポールからマレーシアクアラルンプール台湾を経由し、アラスカアンカレッジからニュージャージー州ニューアークに向かっていた。アンカレッジからの運行は機長(当時46歳)と副操縦士(当時39歳)の運行乗務員のほかに、操縦室のジャンプシートに別の航空会社のパイロット1人とフェデックスの職員2人が搭乗していた。14便として運行されていた機体記号N611FE(製造番号 48604/553)の機体は1993年に就航した最新鋭機であった。また第一エンジンの逆噴射装置に剥離があったため、万が一にそなえ作動できないようにしていた。

事故機の残骸

午前1時ごろ管制塔から降下が許可され、ニューアーク国際空港の22R滑走路への着陸準備が開始され、1分間に500 フィート (150 m)の降下率で降下していた。午前1時30分ごろに着陸が許可された。着陸はフレアフェーズまでは正常だったが、一度接地した後で浮上し、右に傾きながら再度接地した。14便は滑走路を滑りながら傾きを増し、遂には裏返しになり停止した。14便は大破して炎上したが、搭乗者全員は操縦席の窓から脱出し軽傷で済んだ。

事故原因[編集]

国家運輸安全委員会の事故調査によれば、事故原因はパイロットエラーであるとされた。それによると運行乗務員は着陸距離を計算間違いしたため、滑走路長に余裕がないと誤った認識をしていた。そのためできるだけ滑走路の端近くに着地し急制動をかけないといけないと考えていた。また逆噴射装置がひとつ使えないことも判断を誤らせた。

機長は滑走路の17 フィート (5.2 m)上空で、おそらく早めの着地を達成するために、機首を下げた。続いて降下率を下げるために機首を上げ、推力を上げた。続いて着地するのとほぼ同時に、機体が滑走路から離れないように、再び機首を下げた。これらの制御入力は、着陸を安定させるには「遅すぎて大きすぎる」ものであった。飛行機の高い降下速度と右方向のロールが、右翼の後部桁を破壊し、右の燃料タンクを破裂させた。[1]

着地をハードランディングではなく推力とピッチ姿勢の調整で制御するため、機首下げと推力増強で対応した。そのため、激しく着地したため再び浮き上がってしまった。このまま着陸復行をすれば問題なかったが、機長は機首下げによって接地させた。この接地は降着装置に深刻なダメージを与え右翼燃料タンクを破壊し炎上させた。

一連の機長の操縦による現象はパイロット誘導振動(PIO)と呼ばれるもので、パイロットの操縦が振動を助長させていた。結果的に機長の操縦が航空機を破壊することになった。なおMD-11は、2010年までに総生産200機中8機が全損事故で失われている上に、そのうち着陸時の事故はこの件を含めて5件を占めている。

14便の現状[編集]

2019年現在、14便は香港-台北-アンカレッジ-メンフィス線で使用されている。

関連項目[編集]

映像化[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

参考文献[編集]

外部リンク[編集]