フェイロン (ストリートファイター)
| フェイロン | |
|---|---|
| ストリートファイターのキャラクター | |
| ゲームでの初登場 | スーパーストリートファイターII |
| 演者 | #俳優を参照 |
| 声 | #声優を参照 |
| 詳細情報 | |
| 職業 | アクション映画俳優 |
| 格闘スタイル | カンフー |
| 武器 | ヌンチャク |
| 出身 |
|
フェイロン(Fēi Lóng, 飛龍)は、カプコンの対戦型格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズに登場する架空の人物。
キャラクターの設定
[編集]『スーパーストリートファイターII』(以下『スパII』と表記)で追加された4人のキャラクターの内の1人で[1][2]、香港出身のカンフー使い[3]。一人称は「俺」。6歳の頃からカンフーの道を志し、その腕前を活かしてアクション映画俳優としてデビューした。順調にスターとして成長していくが、ある日世界格闘選手権の開催を知り、技と演技力を磨くために大会に出場する。
『ストリートファイターII』(以下『ストII』と表記)シリーズのエンディングでは演技ではなく闘いに本分を見いだし、新作出演の依頼も断って映画界を離れた。そして20年後、フェイロンが創始した「飛天流カンフー」が世界中に300万人もの弟子を抱える一大流派に成長した様子が見られる。
時代設定が『ストII』シリーズより過去となる『ストリートファイターZERO3』(以下『ZERO3』と表記)では、まだ駆け出しの俳優として登場している。自らを鍛え上げるために世界を駆けめぐり、その活躍を元にした映画が大ヒットしたことで一躍スターへの道を歩み始めることになる。『ZERO3↑↑』におけるユンのストーリーでは、フェイロンとディージェイが一緒に仕事をしたことがあり、親友同士であるとされた。
『ストリートファイターIV』(以下『ストIV』と表記)の家庭用移植版では条件を満たすと使用可能になる追加キャラクターに選ばれており、『スーパーストリートファイターIV』(以下『スパIV』と表記)では最初から使用可能。『ストIV』シリーズの時代設定は『ストII』シリーズから約3年後に当たり、『ストII』シリーズのエンディングでは映画界から離れたように描かれていたが、本作では再び映画俳優として活躍している[3]。『ストIV』シリーズの黒幕であるS.I.N.社のセスはフェイロンの影響力を危険視している。
ゲームボーイアドバンス作品『スーパーストリートファイターIIX リバイバル』でのエンディングは「闘いに本分を見いだして映画界を離れた後は行方知れずになり、フェイロンは伝説の映画スターとなった」という展開に変更されている。
『ウルトラストリートファイターII』のエンディングは、インタビューの際に「ファンの人たちには申し訳ないのですが、今は映画俳優より武道家として人生を歩みたいので映画界を引退します」と発言して、一年後に道場を経営している展開になっている。
『スパII』企画当初は弁髪のモンゴル人で、キャラクターグラフィックやモンゴル風ステージも作られていたが結局変更になり、この没キャラクターがディージェイの原型になった[4][注 1]。
人物
[編集]自他共に認める熱血漢で無鉄砲、思い込みが激しく直情的な性格。感動屋でもあり、涙脆い。ヌンチャクの使い手[3][注 2]だが、ゲーム中は素手で闘う。要点のみをはっきり言うため、勝利後の台詞は他のキャラクターより短いものが多い。
『ZERO3』では所属する芸能事務所がシャドルーの麻薬取引の場になっており、本人も知らない間に「麻薬取引に絡んでいる」という噂を流されたことがある(実際にフェイロンは関与していない)。ユンはその噂を聞きつけてフェイロンを追うが、後に疑惑が晴れ、対シャドルー共同戦線を張った両者の間に友情が芽生えた。
『ストIV』シリーズでは自身が出演する映画「街頭覇王2」の撮影スタッフが何者かの襲撃に遭い、脚本にも変更が加えられるという圧力を受けたため、犯人を成敗すべく自ら調査に乗り出す。その際に自分のファンである青年アベルや武道家としても名のあるフェイロンを倒して名を上げようとする空手少女まことに戦いを挑まれている。
他のメディアでのフェイロン
[編集]アニメ映画『ストリートファイターII MOVIE』ではプロレスラーの船木誠勝が声優を務めた[注 3]。劇中でリュウと対決し、序盤は優勢だったが防御を疎かにしている点を突かれ、四方投げで右腕を脱臼させられる。それでも闘志は衰えず、切り札の「熾炎脚」を繰り出しヒットさせるが決まり手とならず、落下中の隙に「竜巻旋風脚」を喰らい敗れた。試合後リュウにシャドルーのことを告げ、再会を願いつつ別れる。
テレビアニメ『ストリートファイターII V』では春麗の友人であり、銅昴(春麗の父)の弟子という設定で出番が多い。ゲーム版とは髪型が異なる。声優は矢尾一樹。
テレビアニメ『ストリートファイター USA』では映画撮影に参加したガイルに協力して、麻薬組織に捕らわれたリュウとケンを救出する。Season 2ではマスターズ財団(ケンの実家)出資の映画製作で有頂天になる共演者のケンを諫める。声優はポール・ドブソン。
橋口隆志執筆の『ストII爆笑!!4コマギャグ外伝』(小学館発行)では、トイレのドアを「烈火拳」でノックしたり、勝利時などに見せる身震いが乗っているジェット旅客機を異常振動させるなど、熱血漢の面が強調されていた。当初は語尾が「〜ね!」などで統一されていたが、次第に「〜あるね!」に変わっていった。
伊藤真美執筆の『ストリートファイターIIコミックアンソロジー』(新声社発行)の短編漫画『ホリディ・マーチ』では、キャミィと春麗にボディーガードを頼んでいるが、実際は春麗(追加でキャミィも)を女優にスカウトするための仕掛けものであったために、2人からダブルキックをくらってしまう。同筆者の『SUPER STREET FIGHTHRII X 外伝』では『コミックゲーメスト』に主役がフェイロンの漫画があったが、諸事情で新声社からの発行は無かった。2011年徳間書店発行の『SUPER STREET FIGHTERIIX HARD SPIN OFF』で「FEI LONG」という題名で、上記の『ホリディ・マーチ』込みで復刻した。
中平正彦執筆の『スーパーストリートファイターII キャミィ外伝』(小学館発行)では、格闘大会の予選会場でキャミィに自分をアピールするが、相手にしてもらえなかった。
その他
[編集]実写映画『ストリートファイター』には登場しないが、同作をゲーム化したアーケードゲーム『ストリートファイター ザ・ムービー』では、「DUNGEON」ステージの背景で本来ならエドモンド本田とキャミィが捕まっている場面で、彼らのどちらかが戦っていると代わりに澤田謙也が演じるフェイロンが捕まっている(キャプテン・サワダとの兼役)。背景のみの登場であり、プレイヤーキャラクターとしては登場しない。
『スパII』と『スーパーストリートファイターIIX』でのフェイロンのホームステージの旗は返還前の香港旗だったが、『ハイパーストリートファイターII』では中国の五星紅旗になっている[10][注 4]。
2017年10月に11ヶ国を対象として行われた『ストリートファイター』シリーズの「第1回 キャラクター人気投票」では19位を記録[11] [12]。
『ストリートファイターV』の一部キャラクターテーマ曲やステージ曲を手掛けたダニエル・リンドホルムが、2022年5月に「カプコンとブルース・リーの遺族との対立によりフェイロンが今後ストリートファイターシリーズに登場できなくなるかもしれない」とのYouTube配信で語った発言が、海外のゲームニュースサイト「VG247」で取り上げられた[13]。ブルース・リーをモデルにしたフェイロンのキャラクター像に[注 5]、彼の敬意が払われていないことを遺族が問題視してるとされている[13]。カプコンの広報は同発言に対し「噂や憶測にはコメントしない」と回答[13]。リンドホルムはその後、自分の発言は憶測に過ぎないと釈明し[注 6]、ブルース・リー公式Twitter(ブルース・リー・ファミリー・カンパニー)もこの件を否定した[17][18]。それから、Eurogamer記者のマーティン・ロビンソンが同年開催のSummer Game Festで『ストリートファイター6』のディレクター・中山貴之に、この問題を伺ったところ、中山は「その情報は事実ではないことが判明した」と前述の発言を否定し、「『スト6』にフェイロンが登場するかどうかは言えないが、法的な問題はない」と回答している[19][18]。
登場作品
[編集]- スーパーストリートファイターII
- スーパーストリートファイターIIX
- ハイパーストリートファイターII
- ストリートファイターZERO3(家庭用のみ)
- ストリートファイターZERO3↑(アッパー)
- ストリートファイターZERO3↑↑(ダブルアッパー)
- SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズ全シリーズ(トレーディングカードゲーム版も含む)
- ストリートファイターIV(家庭用のみ)
配役
[編集]声優
[編集]- 船木誠勝 - 『ストリートファイターII MOVIE』
- 矢尾一樹 - 『ストリートファイターII V』
- ポール・ドブソン - 『ストリートファイター USA』
- 鳥海浩輔 - 『ストリートファイターZERO3』
- 中村悠一 - 『ストリートファイターIV』
- マシュー・マーサー - 『ストリートファイターIV』(英語ボイス)
俳優
[編集]- 澤田謙也 - 『ストリートファイター ザ・ムービー』(背景)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ フェイロンとディージェイのキャラクターグラフィックを担当したあきまんは、彼らの設定が思い浮かばず苦労したが、仕事が面白すぎて2ヶ月間会社に泊まり込んだという[5]。なお、フェイロンのデザインはベガやザンギエフと同じくIKUSAN.Zが担当した[6]。
- ^ 『ストII』シリーズで勝利時に振り回して決めポーズを取ることがある。
- ^ 同映画のパンフレットで、船木はオファーを受け取った際に一度断ったという[7]。のちに、同映画のプロデューサーで、K-1のマネージング・ディレクターも務める今井賢一の熱意に押されオファーを快諾した[8]。また、声優として初出演となる船木はアフレコのタイミングに苦労し、怪鳥音の収録も抵抗があったが思い切って演じたと語る[9]。
- ^ 返還後にリリースされた作品では、香港特別行政区区旗が使用されていた[10]。
- ^ フェイロンのキャラクター設定がブルース・リーのオマージュを受けているという指摘は多々ある[14][15][9][16]。
- ^ 同発言の背景には、クエンティン・タランティーノ監督作品におけるブルース・リーの描写にあるという(「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド#ブルース・リーの描写に対する批判」を参照)[13]。
出典
[編集]- ^ 鴫原盛之 (2024年3月29日). “「スーパーストリートファイターIIX」30周年! 今なお愛される対戦格闘ゲームの王道中の王道。当時の熱狂ぶりを振り返る”. Game Watch. インプレス. 2025年12月12日閲覧。
- ^ ウワーマン (2025年3月7日). “AC版『ストリートファイターII』が稼働を開始した日。あらゆる格闘ゲームの基礎となり一大ブームの火付け役となった伝説のタイトル【今日は何の日?】”. ファミ通.com. KADOKAWA Game Linkage. 2025年12月12日閲覧。
- ^ a b c “キャラ図鑑068:フェイロン”. CAPCOM:シャドルー格闘技研究所 (2016年6月9日). 2025年12月12日閲覧。
- ^ 『月刊ゲーメスト2月号増刊 スーパーストリートファイターII』新声社、1993年2月19日、130頁。
- ^ “Guests ROUND 1:安田朗さん 後編”. CAPCOM:シャドルー格闘技研究所 (2016年4月4日). 2025年12月9日閲覧。
- ^ “ストリートファイターII開発者インタビュー”. CAPCOM:シャドルー格闘技研究所 (2018年10月25日). 2025年12月12日閲覧。
- ^ 『劇場パンフレット STREET FIGHTER II MOVIE』、1994年8月6日発行、東映㈱映像事業部、P17。
- ^ 船木誠勝【公式】 Masakatsu Funaki『恋しさと せつなさと 心強さと(船木誠勝)』『YouTube』2019年12月20日。2025年12月12日閲覧。
- ^ a b 船木誠勝【公式】 Masakatsu Funaki『デビュー作で一番恥ずかしかったのは俳優さんの前でアノ声を出す時でした(船木誠勝)』『YouTube』2018年7月8日。2025年12月12日閲覧。
- ^ a b Taijiro Yamanaka (2021年2月22日). “『カプコンアーケードスタジアム』の『ストII』ステージ背景に変化発生。旗に関連した政治事情に配慮か”. AUTOMATON. アクティブゲーミングメディア. 2025年12月12日閲覧。
- ^ 株式会社QBQ編『懐かしのメガドライブ 蘇れメガドライバー!!』マイウェイ出版発行、2018年。ISBN 9784865118704 p36-37
- ^ “第1回 キャラクター人気投票”. CAPCOM:シャドルー格闘技研究所 (2018年1月16日). 2018年2月18日閲覧。
- ^ a b c d Connor Makar (2022年5月30日). “Update: Fei Long never returning to Street Fighter was "hypothetical" according to SFV composer” (英語). VG247. Eurogamer. 2025年12月12日閲覧。
- ^ “PS3/Xbox 360『ストリートファイターIV』、アレンジ衣装をダウンロード販売”. マイナビニュース. マイナビ (2009年2月9日). 2025年12月12日閲覧。
- ^ “「ストリートファイター」歴代キャラクター カッコよさランキング TOP 20”. IGN Japan. 産経デジタル (2017年5月29日). 2025年12月9日閲覧。
- ^ 遠藤浩之 (2018年10月24日). “「ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル」レビュー”. Game Watch. インプレス. 2025年12月12日閲覧。
- ^ bruceleeの2022年5月12日のツイート、2025年12月12日閲覧。
- ^ a b Jenni Lada (2022年6月14日). “Street Fighter 6 Director Says There are No Fei Long Legal Issues” (英語). Siliconera. 2025年12月20日閲覧。
- ^ Martin Robinson (2022年6月14日). “No legal issues with Fei Long in Street Fighter 6, Capcom insists” (英語). Eurogamer. Gamer Network. 2025年12月12日閲覧。
参考文献
[編集]- スタジオベントスタッフ『ALL ABOUT カプコン対戦格闘ゲーム 1987-2000』電波新聞社、2000年9月15日、ISBN 4-88554-676-1。
- コミックゲーメスト『ストリートファイターIIコミックアンソロジー』新声社、2009年12月20日、ISBN 4-88199-141-8
関連項目
[編集]- タイガーバームガーデン (香港) - 実在する香港の庭園。『ストリートファイターII』シリーズのフェイロンのホームステージに使用されている。