フェイルデッドリー

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フェイルデッドリー(Fail-deadly)とは、フェイルセーフの対義語であり、なんらかの警報・異常があった際にシステムを発動させ、致命的な状態を導くシステムまたはその思想のことである。

概要[編集]

通常の機器やシステムならば、フェイルセーフの思想に則り、安全に運用することが求められる。しかし、安全保障の分野、特に冷戦期の核戦争戦略においては、フェイルデッドリーが有効な戦略ではないかと検討された。

フェイルデッドリーは、相互確証破壊を確実に行うための考え方の一つである。敵国からの先制核攻撃によって被害を受け、報復攻撃システムの一部に異常が起きた場合、フェイルセーフの思想で構築した報復攻撃システムでは、報復核攻撃が不能となる恐れがある。これに対し、報復用の核攻撃システムをフェイルデッドリーで構築しておくと、先制核攻撃を受けた場合においても、より確実に敵国へ報復攻撃を行うことができると考えられた。この報復攻撃可能性の担保が、相互確証破壊理論における核戦争抑止力となる。

フェイルデッドリーのシステムは、誤報によってもシステムが発動することから、危険性が大きい。偶発的に核戦争が起きる可能性もあったことから、冷戦期のアメリカ合衆国における核戦略に採用されることはなかった。

関連項目[編集]

  • 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか-核戦争の危機に際し、ソ連がフェイルデッドリーの報復システムを持っていることになっており、それが物語の核の一つになっている。
  • 復活の日 - 米ソ双方が運用していたフェイルデッドリーの自動報復システムが人類が南極を除いて死滅した後も機能し続けており、発生が迫る地震を米国側のシステムがソ連の核攻撃と誤認してソ連を核攻撃し、それを検知したソ連の同様のシステムが人類が生き残っていた南極に核攻撃を行うことが判明し、それを阻止するためにシステムを停止させるための努力が終盤の山場となっている。
  • デッドマン装置