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フィンゴリモド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フィンゴリモド
臨床データ
販売名 Gilenya
AHFS/
Drugs.com
monograph
医療品規制
胎児危険度分類
  • AU: D
    投与経路 Oral
    ATCコード
    法的地位
    法的地位
    識別子
    CAS登録番号
    PubChem
    CID
    IUPHAR/BPS
    ChemSpider
    UNII
    KEGG
    ChEBI
    ChEMBL
    CompTox
    Dashboard

    (EPA)
    化学的および物理的データ
    化学式 C19H33NO2
    分子量 307.471 g/mol g·mol−1
    3D model
    (JSmol)
    テンプレートを表示

    フィンゴリモド(Fingolimod、開発コードFTY720)は免疫抑制剤で、リンパ球リンパ節から体液中に出るのを妨げて免疫を抑制する。多発性硬化症治療薬として発売されている。アメリカ合衆国では2010年9月、日本では2011年11月28日に発売された[1]。商品名はイムセラ(田辺三菱製薬)、ジレニアノバルティスファーマ)。

    京都大学藤多哲朗教授と台糖吉富製薬(FTYの名称は三者にちなむ)の共同研究でIsaria sinclairii冬虫夏草菌の一種)に含まれる成分ミリオシン(Myriocin、ISP-1)に免疫抑制効果が見出されたことから、この化合物の構造に基づいて新たに合成され、その後三菱ウェルファーマ(現・田辺三菱製薬)等で開発が行われた。腎移植および多発性硬化症に対する治験が行われ、発売に至る。

    従来の多発性硬化症治療薬のインターフェロンβ-1a筋肉内注射)とは異なり、1日1回、1カプセルを経口投与する。

    効能・効果

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    「多発性硬化症の再発予防および身体的障害の進行抑制」について認可されているが、偽薬対照第III相比較臨床試験の結果、身体的障害の進行抑制については効果が認められなかった[2]

    作用機序

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    スフィンゴシンアナログであり、スフィンゴシンキナーゼによりリン酸化され[3][4]スフィンゴシン-1-リン酸受容体の1つであるS1PR1に結合してアゴニストとして働くと考えられている[5]。またそれとは別に、カンナビノイド受容体アンタゴニスト[6]ホスホリパーゼA2(cPLA2)阻害剤[7]、またはセラミド合成酵素阻害剤[8]であるとの報告もある。

    その他の自己免疫疾患への適用も考えられている[9]

    警告

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    投与開始後数日間、心拍数が大きく低下することがある[10][11]

    禁忌

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    クラスIa(キニジン、プロカインアミド等)またはクラスIII(アミオダロン、ソタロール等)の抗不整脈剤を投与中の患者には禁忌である[10][11]。また、重篤な感染症のある患者に用いてはならない。

    副作用

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    心拍数の低下(徐脈もしくは徐脈性不整脈)、感染症、黄斑浮腫、呼吸障害、肝機能障害など[12]

    重大な副作用は、感染症(細菌、真菌、ウイルス等 45.3%)、徐脈性不整脈(徐脈:11.2%、房室ブロック(第I度から第II度:5.0%、第III度:0.04%)等)、黄斑浮腫(0.6%)、悪性リンパ腫、可逆性後白質脳症症候群、進行性多巣性白質脳症(PML)、虚血性および出血性脳卒中、末梢動脈閉塞性疾患(0.04%)[10][11]。(頻度未記載は頻度不明)

    出典

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    1. 田辺三菱製薬とノバルティスファーマ、多発性硬化症における経口治療薬「フィンゴリモド」を発売、患者の負担軽減に期待、マイライフ手帳@ニュース、2011年12月28日(2012年4月8日閲覧)
    2. Lublin F, Miller DH, Freedman MS, Cree BA, Wolinsky JS, Weiner H et al. (2016). “Oral fingolimod in primary progressive multiple sclerosis (INFORMS): a phase 3, randomised, double-blind, placebo-controlled trial.”. Lancet 387 (10023): 1075-84. doi:10.1016/S0140-6736(15)01314-8. PMID 26827074.
    3. Paugh SW, Payne SG, Barbour SE, Milstien S, Spiegel S (2003). “The immunosuppressant FTY720 is phosphorylated by sphingosine kinase type 2”. FEBS Lett 554 (1-2): 189-93. doi:10.1016/S0014-5793(03)01168-2. PMID 14596938.
    4. Billich A, Bornancin F, Dévay P, Mechtcheriakova D, Urtz N, Baumruker T (2003). “Phosphorylation of the immunomodulatory drug FTY720 by sphingosine kinases”. J Biol Chem 278 (48): 47408-15. doi:10.1074/jbc.M307687200 {{doi}}: 明示されていないフリーアクセスDOI (カテゴリ). PMID 13129923.
    5. Hla T, Lee MJ, Ancellin N, Paik JH, Kluk MJ (2001). “Lysophospholipids--receptor revelations”. Science 294 (5548): 1875-8. doi:10.1126/science.1065323. PMID 11729304.
    6. Paugh SW, Cassidy MP, He H, Milstien S, Sim-Selley LJ, Spiegel S, Selley DE (2006). “Sphingosine and its analog, the immunosuppressant 2-amino-2-(2-[4-octylphenyl]ethyl)-1,3-propanediol, interact with the CB1 cannabinoid receptor.”. Mol Pharmacol. 70: 41-50. PMID 16571654.
    7. Payne SG, Oskeritzian CA, Griffiths R, Subramanian P, Barbour SE, Chalfant CE, Milstien S, Spiegel S. (2007). “The immunosuppressant drug FTY720 inhibits cytosolic phospholipase A2 independently of sphingosine-1-phosphate receptors.”. Blood 109: 1077-85. doi:10.1182/blood-2006-03-011437. PMID 17008548.
    8. Berdyshev EV, Gorshkova I, Skobeleva A, Bittman R, Lu X, Dudek SM, Mirzapoiazova T, Garcia JG, Natarajan V. (2009). “FTY720 inhibits ceramide synthases and up-regulates dihydrosphingosine 1-phosphate formation in human lung endothelial cells.”. Journal of Biological Chemistry 284 (9): 5467-77. doi:10.1074/jbc.M805186200 {{doi}}: 明示されていないフリーアクセスDOI (カテゴリ). PMID 19119142.
    9. 千葉健治 (2009). “スフィンゴシン1-リン酸受容体調節薬,フィンゴリモド(FTY720)の自己免疫疾患治療への応用”. 薬学雑誌 129 (6): 655-65.
    10. 1 2 3 イムセラ カプセル 0.5mg 添付文書 (2016年7月). 2016年7月6日閲覧。
    11. 1 2 3 ジレニアカプセル0.5mg 添付文書 (2016年7月). 2016年7月6日閲覧。
    12. ノバルティスのフィンゴリモドをFDAが承認〜多発性硬化症の再発を有意に抑制し、身体障害の進行を遅らせる新しい第一選択薬〜、ノバルティスファーマ、2010年9月28日(2012年4月8日閲覧)

    外部リンク

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