コンテンツにスキップ

ファンタジースプリングス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ファンタジースプリングス
Fantasy Springs
情報
開発用地 リゾートパーキング第1・第2跡地[1]
住所 千葉県浦安市舞浜1-2[2]
座標 北緯35度37分45秒 東経139度52分40秒 / 北緯35.62917度 東経139.87778度 / 35.62917; 139.87778
現状 完成
起工 2019年令和元年)5月21日[3]
開業 2024年(令和6年)6月6日[4]
用途 アトラクション飲食店店舗など[2]
関係者
建築家 大成建設鹿島建設[5]
建設業者 大成建設鹿島建設[5]
管理者 オリエンタルランド
技術的詳細
費用 約3,200億円[6]
建築物 東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル
アナとエルサのフローズンジャーニー
ラプンツェルのランタンフェスティバル
ピーターパンのネバーランドアドベンチャーなど
開発面積 137906.79 ㎡[2]
テンプレートを表示

ファンタジースプリングス: Fantasy Springs)は、2024年6月6日にオープンした東京ディズニーシーテーマポートの一つ[4]

概要

[編集]

「魔法の泉が導くディズニーファンタジーの世界」をテーマに、2024年6月6日にオープンした東京ディズニーシーの8番目のテーマポート[4][7][8][9][10][11]。ディズニー映画の世界を再現したエリアで、幅広い世代に親しまれている[7]。2019年5月21日に名称が「ファンタジースプリングス」と発表され[12]、記念セレモニーが開催された。

本プロジェクトの総投資額は3,200億円で、東京ディズニーリゾートにおける最大級の拡張計画となった。「ロストリバーデルタ」と「アラビアンコースト」の間の通路から接続されている[4][7][8][10][12]。総開発面積は約14万m2で、そのうちテーマパークおよびホテルエリアは約10万m2[13]。かつて東京ディズニーランドの臨時駐車場として使用されていたリゾートパーキング第1・第2の跡地と、東京ディズニーランド・パーキングの既存の退出路の用地を利用して開発された。退出路は開発に伴いトンネル化されている[14][1][15]

テーマポート内には魔法の水が流れる滝や池が点在し、その先にディズニー映画『アナと雪の女王』『塔の上のラプンツェル』『ピーター・パン』を題材とした3つのエリアが広がる。このプロジェクトに伴い、4つのアトラクション、3つのレストラン、1つのショップ、さらにディズニーホテルが開業した[7][10](詳細は後述)。

当初、開業は2022年を予定していたが、2020年1月30日に2023年度へ延期が発表された[16]。その後、新型コロナウイルスの影響による入国制限や物流の混乱などで工期が遅れ、2022年10月27日に開業が2024年春へ再延期された[4]

2023年10月26日、開業日が2024年6月6日と正式に発表された[17]。また、同日に、入場にはスタンバイパスまたはディズニー・プレミアアクセスが必要となることも発表された[18]

2024年5月11日には招待者向けのプレオープンが実施され、サンドウィッチマン芦田愛菜石原さとみ反町隆史山崎弘也アンタッチャブル)、上田晋也くりぃむしちゅー)、土屋伸之ナイツ)など、多くの芸能人やインフルエンサーが招待された[19]

2025年1月7日、スタンバイパスやディズニー・プレミアアクセスがなくてもテーマポートに入場できるようになることが公式SNSで発表された。ただし、運営会社のオリエンタルランド(OLC)は日本テレビの取材に対し、「ファンタジースプリングスの入場制限は継続しているが、当日の運営状況によっては入場制限を行わない場合がある」とコメントしている[20]

2025年1月28日、テーマポートへの入場制限が完全に撤廃されたことが、同月31日に朝日新聞によって報じられた。OLCも入場制限の解除を認め、「世界で唯一のファンタジースプリングスの世界観を引き続き楽しんでほしい」と述べている[21]

2025年4月1日、「1デーパスポート:ファンタジースプリングス・マジック」およびスタンバイパスが完全に廃止され、ファンタジースプリングス内のアトラクションは、列に並ぶか、「フェアリー・ティンカーベルのビジーバギー」を除きディズニー・プレミアアクセス(有料)を利用することで体験することができるようになった。

エリア

[編集]

フローズンキングダム

[編集]

アナと雪の女王』をテーマにしたエリア。「フローズンキングダム」では、映画の終盤でエルサが氷の魔法を受け入れた後の世界が広がり、門が開かれたアレンデール王国を訪れることができる[8]。このエリアには、アナとエルサの心温まる物語を巡るアトラクションが設置され、美しい雪山のふもとにあるアレンデール城内にはレストランが併設されている[8]

ピーターパンのネバーランド

[編集]

ピーター・パン』をテーマにしたエリア。「ピーターパンのネバーランド」では、ピーター・パンティンカー・ベルロスト・ボーイズ英語版が暮らすネバーランドを舞台に、ゲストが彼らと共に新たな冒険へ出発する[8]。ネバーランドのジャングルを飛び立ち、海賊たちと戦う大型アトラクションや、ティンカー・ベルと妖精たちが暮らすピクシー・ホロウを訪れるアトラクションが用意されている。また、ネバーランドの壮大な景色を眺めながら食事を楽しめるレストランも設置されている[8]

ラプンツェルの森

[編集]

塔の上のラプンツェル』をテーマにしたエリア。「ラプンツェルの森」には、森の奥深くにそびえるラプンツェルの塔があり、ラプンツェルと共に映画に登場するランタンフェスティバルを訪れるアトラクションが設けられている。また、映画に登場する荒くれ者たちの隠れ家をテーマにしたレストランもあり、独特な雰囲気の中で食事を楽しむことができる[8]

施設

[編集]

2023年8月24日、報道陣向けに工事現場が公開され[13]、あわせて施設名などがプレスリリースで発表された[22]

アトラクション

[編集]
フローズンキングダム
ラプンツェルの森
ピーターパンのネバーランド
  • ピーターパンのネバーランドアドベンチャー
  • フェアリー・ティンカーベルのビジーバギー

ショップ

[編集]
  • スプリングス・トレジャー
  • ファンタジースプリングス・ギフト

レストラン

[編集]
フローズンキングダム
  • アレンデール・ロイヤルバンケット
  • オーケンのオーケーフード
ラプンツェルの森
  • スナグリーダックリング
ピーターパンのネバーランド
  • ルックアウト・クックアウト

サービス施設

[編集]
フローズンキングダム
ラプンツェルの森
ピーターパンのネバーランド

魔法の泉

[編集]

エリア内外には、ディズニー映画のキャラクターをモチーフにしたロックアートが設置されている。

ファンタジースプリングス・エントリーウェイ
ピーター・パン
アナと雪の女王
塔の上のラプンツェル
ポカホンタス
バンビ
ファンタジースプリングス・ホテル側

『美女と野獣』および『ミッキーの巨人退治』をテーマにした魔法の泉は、東京ディズニーシー・ファンタジースプリングス・ホテルの宿泊者のみが見学可能となっている。2025年6月1日より、東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテルの宿泊者も見学可能。

眠れる森の美女
シンデレラ
白雪姫
リトル・マーメイド
ふしぎの国のアリス
ファンタジア
美女と野獣
ミッキーの巨人退治

東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル

[編集]

2019年、オリエンタルランドは新たなディズニーホテルの開業を発表した。本ホテルは東京ディズニーリゾート内で最上級のランクに位置付けられている[7][8][10]。2022年10月27日、ホテルの名称が「東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル」に決定した[23]

ホテルは、デラックスタイプの「ファンタジーシャトー」(419室)と、ディズニーホテルで最上級のラグジュアリータイプに分類される「グランドシャトー」(56室)の2棟で構成される[24]

宿泊者は、宿泊証明書を提示することでファンタジースプリングスへの入場が可能となるほか、エリア内のアトラクションを短い待ち時間で利用できる特典付きの「1デーパスポート:ファンタジースプリングス・マジック」を購入できた[25][26]

ファンタジーシャトー

[編集]

「ラプンツェル」や「バンビ」などのディズニーキャラクターや動植物、魔法の泉をモチーフにした装飾が施された客室が用意されている。客室の位置によって、以下のエリアに分けられる[24]

  • ベイエリアサイド
  • ホテルエントランスサイド
  • ローズコートサイド
  • スプリングスサイド

グランドシャトー

[編集]

グランドシャトーの客室にはバルコニーやテラスが併設されている。また、客室料金にはアトラクション利用券とショー鑑賞券が含まれ、キャストによる東京ディズニーリゾートでの過ごし方のプラン提案を受けることもできる[24]。また、以下の施設・サービスはグランドシャトー宿泊者専用となっている[27]

  • レストラン「ラ・リベリュール」
  • ホテル専用の入園口「グランドシャトー・ゲートウェイ」(ファンタジースプリングスへ直接入園可能)

その他

[編集]

ファンタジースプリングスのテーマソングは、「ジャーニー・トゥ・ファンタジースプリングス」である。

ファンタジースプリングスのオープンを記念して、各公共交通機関においてファンタジースプリングスのラッピングが実施された。

脚注

[編集]
  1. ^ a b オリエンタルランド/TDS大規模拡張計画/設計は日建設計に、23年3月末完成へ”. 日刊建設工業新聞 (2018年7月6日). 2018年7月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月20日閲覧。
  2. ^ a b c <(仮称)テーマパーク拡張計画> - 建設データバンク
  3. ^ 東京ディズニーシー 大規模拡張プロジェクト始動 ミッキーマウス、ミニーマウスとともに新テーマポートの名称「ファンタジースプリングス」を発表 ~ 起工式を本日5月21日に開催~』(プレスリリース)東京ディズニーリゾート、2019年5月21日https://www.tokyodisneyresort.jp/tdrblog/detail/pr190521_2/2025年4月16日閲覧 
  4. ^ a b c d e 東京ディズニーシー新テーマポート「ファンタジースプリングス」2024年6月6日オープン”. オリコンニュース (2023年10月26日). 2023年10月26日閲覧。
  5. ^ a b 東京ディズニーシー、新エリアは「ファンタジースプリングス」。大規模拡張プロジェクトの新テーマポート名称発表セレモニー開催”. トラベルWatch (2019年5月21日). 2025年4月16日閲覧。
  6. ^ 東京ディズニーシー「ファンタジースプリングス」がいよいよオープン!3つの映画の世界でとっておきの体験を〜!”. 福島中央テレビ (2024年5月24日). 2025年4月16日閲覧。
  7. ^ a b c d e 東京ディズニーシー大規模拡張プロジェクト 新テーマポート名称が「ファンタジースプリングス」に決定』(プレスリリース)東京ディズニーリゾート、2019年5月21日https://www.tokyodisneyresort.jp/blog/pr190521/2019年5月21日閲覧 
  8. ^ a b c d e f g h 名鹿祥史 (2019年5月21日). “ディズニーシー新テーマポートは「ファンタジースプリングス」に決定!2022年に開業予定”. シネマトゥデイ. https://www.cinematoday.jp/news/N0108658 2019年5月22日閲覧。 
  9. ^ 和田憲二 (2019年5月21日). “「魔法の泉」 滝や池配置 「ファンタジースプリングス」 ディズニーシー新エリア”. 毎日新聞 (毎日新聞社). https://mainichi.jp/articles/20190521/k00/00m/040/133000c 2019年5月21日閲覧。 
  10. ^ a b c d “東京ディズニーシー、新テーマポートの名称決定「ファンタジースプリングス」 22年開業目指す”. 芸能ニュース (ORICON NEWS). (2019年5月21日). https://www.oricon.co.jp/news/2135862/full/ 2019年5月22日閲覧。 
  11. ^ 東京ディズニーシー新テーマポート「ファンタジースプリングス」2024年6月6日オープン予定。”. オリコンニュース. 2023年10月27日閲覧。
  12. ^ a b アナと雪の女王・塔の上のラプンツェル・ピーターパン!東京ディズニーシー「ファンタジー・スプリングス」大規模拡張プロジェクト”. Dtimes (2019年5月21日). 2019年5月21日閲覧。
  13. ^ a b 相川真由美「東京ディズニーシー・新テーマポート「ファンタジースプリングス」の工事現場を初公開! 「すべてが東京オリジナル」とOLC髙野CEO」『トラベル Watch』インプレス、2023年8月24日。2023年8月25日閲覧。
  14. ^ ディズニーに浦安市内初のトンネル道路 ランド駐車場の出口ルートに OLCが公開”. 千葉日報 (2021年4月8日). 2021年4月8日閲覧。
  15. ^ 浦安市初のトンネル道、8日開通 TDR渋滞緩和へ”. 日本経済新聞 (2021年4月7日). 2024年6月20日閲覧。
  16. ^ “東京ディズニーシー新エリア「ファンタジースプリングス」開業延期 2023年度の開業を目指す”. ねとらぼ (アイティメディア). (2020年1月30日). https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2001/30/news121.html 2020年1月31日閲覧。 
  17. ^ 東京ディズニーシー新テーマポート「ファンタジースプリングス」2024年6月6日開業予定”. オリコンニュース. 2023年10月27日閲覧。
  18. ^ 東京ディズニーシー新テーマポート「ファンタジースプリングス」入場にはスタンバイパス必要か”. オリコンニュース. 2023年10月27日閲覧。
  19. ^ サンドウィッチマンが実名報告「芸能人だらけで凄い世界」ディズニー新エリアで次々遭遇”. 日刊スポーツ. 2024年9月8日閲覧。
  20. ^ 日本テレビ (2025年1月8日). “【ディズニー】ファンタジースプリングス開業以来初の入場制限解除 オリエンタルランドにワケを取材”. 日テレNEWS NNN. 2025年1月9日閲覧。
  21. ^ 若井琢水 (2025年1月31日). “ディズニーシーのファンタジースプリングス入場制限撤廃 パス不要に”. 朝日新聞. 2025年2月1日閲覧。
  22. ^ 東京ディズニーシー 大規模拡張プロジェクト 2024年春開業予定の新テーマポート「ファンタジースプリングス」アトラクションなどの施設名称決定について』(PDF)(プレスリリース)オリエンタルランド、2023年8月24日https://www.olc.co.jp/ja/news/news_olc/20230824_01/main/0/link/20230824_01.pdf2023年8月25日閲覧 
  23. ^ 東京ディズニーシー 大規模拡張プロジェクト 新テーマポート「ファンタジースプリングス」 各エリアおよびディズニーホテル名称の決定について”. 株式会社オリエンタルランド (2022年10月27日). 2022年10月27日閲覧。
  24. ^ a b c 「東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル」パーク一体型ホテル、レストランやショップも”. ファッションプレス (2023年12月12日). 2024年2月9日閲覧。
  25. ^ 【公式】宿泊者特典 | 東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル ファンタジーシャトー | 東京ディズニーリゾート”. オリエンタルランド. 2024年2月9日閲覧。
  26. ^ 【公式】宿泊者特典 | 東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル グランドシャトー | 東京ディズニーリゾート”. オリエンタルランド. 2024年2月9日閲覧。
  27. ^ ミッキーに会えるディナーは2万3000円 ファンタジースプリングスホテル レストラン詳細発表」『日テレNEWS NNN』日本テレビ放送網、2024年1月25日。2024年2月9日閲覧。
  28. ^ 【ディズニーリゾートライン】心はずむファンタジースプリングス仕様のモノレールは必見”. 講談社コクリコ (2024年8月30日). 2025年4月16日閲覧。
  29. ^ JAL、ディズニー特別塗装機10/21から 初便は福岡行きJL323便”. Aviation Wire (2024年10月19日). 2025年4月16日閲覧。
  30. ^ E5系U6編成が「Magical Journey Shinkansen」に”. 鉄道ファン (2024年10月15日). 2025年4月16日閲覧。
  31. ^ 「ファンタジースプリングス」をテーマにした新幹線、「Magical Journey Shinkansen」を10月10日運行開始 E5系フルラッピングは初”. TRAICY (2024年10月2日). 2025年4月16日閲覧。
  32. ^ N700A G25編成が「Wonderful Dreams Shinkansen」に”. 鉄道ファン (2025年2月22日). 2025年4月16日閲覧。
  33. ^ ディズニーとワンダフルな夢の旅 東海道新幹線の特別車両が運行開始”. 朝日新聞 (2025年2月21日). 2025年4月16日閲覧。

外部リンク

[編集]