ファブリシオ・ヴェウドゥム

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ファブリシオ・ヴェウドゥム
Fabricio Werdum.jpg
基本情報
本名 ファブリシオ・ヴェルドゥム
(Fabrício Werdum)
通称 ヴァイ・カヴァーロ (Vai Cavalo)
マスター・オブ・ザ・ゲーム
柔術クリエイター
国籍 ブラジルの旗 ブラジル
生年月日 (1977-08-24) 1977年8月24日(39歳)
出身地 リオグランデ・ド・スル州ポルト・アレグレ
所属 チーム・クロコップ
シュートボクセ・アカデミー
キングスMMA/ヴェウドゥム・コンバットチーム
身長 193cm
体重 108kg
リーチ 196cm
階級 ヘビー級
バックボーン ブラジリアン柔術
テーマ曲 Welcome to the Jungle
ガンズ・アンド・ローゼズ
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2007年のヴェウドゥム

ファブリシオ・ヴェウドゥムFabrício Werdum1977年8月24日 - )は、ブラジル男性総合格闘家柔術家リオグランデ・ド・スル州ポルト・アレグレ出身。キングスMMA所属。ブラジリアン柔術二段。柔道黒帯。ムエタイ黒帯。元UFC世界ヘビー級王者。

アブダビコンバット99kg以上級とムンジアル重量級連覇の実績を持つ寝技のスペシャリスト。試合運びの上手さから「マスター・オブ・ザ・ゲーム」の異名を持つ。

またMMA参戦初期は弱点であった打撃もCBAに移籍してからは成長を見せ始めた。 CBAの打撃コーチであったハファエル・コルデイロが独立しロサンゼルスキングスMMAを設立すると、ヴェウドゥムも同ジムに移籍。 そこでムエタイを磨き続け、2011年にコルデイロより黒帯を授かった[1]。 特に首相撲からの膝蹴りはその後ヴェウドゥムの大きな武器となる。

2010年6月には総合格闘技ヘビー級世界最強と評価されていたエメリヤーエンコ・ヒョードルから総合格闘技ルールで初めてタップアウトを奪い世界の注目を集めた。

来歴[編集]

10代の時に交際していた恋人の元彼氏と喧嘩になった際にチョークで絞め落とされ、復讐するためにブラジリアン柔術を始める[2]。17歳の時に母親と共に柔術の知名度が低いスペインに移住するも、現地のマドリードで柔術道場を開き、練習を続けた[3]

2002年6月16日、総合格闘技デビュー戦となったMillennium Brawl 7でテンギズ・テドラゼと対戦し、三角絞めで一本勝ち。

2003年9月13日、Jungle Fight 1ガブリエル・ゴンザーガと対戦し、TKO勝ち。

2005年2月20日、PRIDE初参戦となったPRIDE.29トム・エリクソンと対戦し、スリーパーホールドで一本勝ち。

2005年10月23日、PRIDE.30セルゲイ・ハリトーノフと対戦。ハリトーノフの打撃を嫌がりたびたび自分からリングに寝転がるなど、精彩を欠いた試合内容になってしまい、判定負け。

2006年5月5日、PRIDE 無差別級グランプリ 2006 開幕戦アリスター・オーフレイムと対戦。アリスターの打撃に苦戦を強いられるも、下になった状態からチキンウィングアームロックで一本勝ち。

2006年7月1日、PRIDE 無差別級グランプリ 2006 2nd ROUNDアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラと対戦し、判定負け。

2006年11月12日、オランダで開催された2H2Hでエメリヤーエンコ・アレキサンダーと対戦し、肩固めで一本勝ち。

UFC[編集]

2007年4月21日、UFC初参戦となったUFC 70アンドレイ・アルロフスキーと対戦し、0-3の判定負け。

2007年6月8日付けでチーム・クロコップを離脱し、シュートボクセ・アカデミーへ移籍した[4]

2008年1月19日、UFC 80ガブリエル・ゴンザーガと再戦し、パウンドでTKO勝ち。

2008年6月7日、UFC 85ブランドン・ヴェラと対戦し、マウントパンチによるTKO勝ち。

2008年10月25日、UFC 90ジュニオール・ドス・サントスと対戦し、右アッパーからのパウンドを浴びてTKO負けを喫した[5]。この敗戦で評価を下げてしまい、UFC側との契約交渉でファイトマネーの大幅減額を通告され、UFCを離脱。

Strikeforce[編集]

2009年8月15日、Strikeforce初参戦となったStrikeforce: Carano vs. Cyborgでマイク・カイルと対戦し、ギロチンチョークで一本勝ちを収めた[6]

2009年11月7日、Strikeforce: Fedor vs. Rogersアントニオ・シウバと対戦し、3-0の判定勝ち[7]

2010年6月26日、Strikeforce: Fedor vs. Werdumエメリヤーエンコ・ヒョードルと対戦し、1R1分9秒に三角絞めでタップアウトを奪い大番狂わせの一本勝ち[8]。試合直後のインタビューでは「ヒョードルのことは尊敬しているのですぐに再戦してもいい。試合場所はヒョードルの母国ロシアでも構わない」「(客席にいたStrikeforce世界ヘビー級王者アリスター・オーフレイムに向かって)僕のチャンピオンベルトを用意しておいてくれ」と笑顔でコメントした。

2011年6月18日、Strikeforce: Overeem vs. Werdumのワールドグランプリ1回戦でアリスター・オーフレイムと対戦。アリスターの打撃を嫌がり、たびたび自分から床に寝転がるなど、精彩を欠いた試合内容になってしまい、判定負け。

UFC復帰[編集]

2012年2月4日、約5年振りのUFC参戦となったUFC 143ロイ・ネルソンと対戦。1Rに膝蹴りでネルソンの額を出血させるなど打撃戦で優位に立ち、判定勝ち。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。

2012年6月23日、母国ブラジルで開催されたUFC 147マイク・ルソーと対戦し、右アッパーでダウンを奪いパウンドでTKO勝ち。

2013年、TUF Brazil 2でアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラとコーチ役を務め、6月8日のUFC on Fuel TV 10で約7年振りにヘビー級ランキング8位のノゲイラと再戦。2Rに腕ひしぎ十字固めを極めて一本勝ち。

2014年4月19日、UFC on FOX 11のヘビー級王座挑戦者決定戦でヘビー級ランキング3位のトラヴィス・ブラウンと対戦し、判定勝ち。ブラウンの肋骨を骨折させるダメージを与えた。これにより王者ケイン・ヴェラスケスに挑戦する事が確定したが、ヴェラスケスの負傷により元K-1王者のマーク・ハントとの暫定王者決定戦となった。

2014年11月15日、UFC 180のUFC世界ヘビー級暫定王座決定戦でヘビー級ランキング4位のマーク・ハントと対戦。バックスピンキックやローキックで攻め、2ラウンドに跳び膝蹴りでダウンを奪うとパウンドで2RTKO勝ちを収め王座獲得に成功。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した。

2015年3月16日、チェチェン共和国大統領ラムザン・カディロフの大統領宮殿に招待された[9]

2015年6月13日、UFC 188の世界ヘビー級王座統一戦で正規王者ケイン・ヴェラスケスを終始打撃で圧倒し、3Rに疲労したヴェラスケスのタックルに合わせてギロチンチョークを極めて一本勝ちを収め王座統一に成功。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した。

2016年5月14日、UFC 198でヘビー級ランキング3位のスティーペ・ミオシッチとヘビー級王座の防衛戦で再戦。右フックでKO負けを喫し、王座から陥落した。

2016年9月10日、UFC 203でヘビー級ランキング6位のトラヴィス・ブラウンと再戦し、3-0の判定勝ち。試合後ブラウンのセコンドと揉めた。

ファイトスタイル[編集]

PRIDE時代は柔術以外にはさして光るものがなかったが、ハファエル・コルデイロに師事してからは打撃スキルが向上し、首相撲だけでなく、ボクシングテクニックも向上し、それまでは単発のパンチと首相撲だけであったが、ジャブやストレートの縦のパンチを細かく当てる他、ミドルやローキックと織り交ぜたり、首相撲からの膝以外にもテンカオや前蹴りを使ったりなど攻撃が多彩になる。柔術に関してはヘビー級ではトップのグラウンド技術を誇り、特に下からのサブミッションやスウィープを得意としており、柔術マジシャンと言われたアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラですら寝技の攻防では劣勢であった。現在競技レベルがあがり、多くの選手が柔術を習得する今日のMMAでも未だにファブリシオとの寝技勝負を避けるほどである。


人物・エピソード[編集]

  • PRIDE参戦時にはその実力をミルコ・クロコップに買われ、チーム・クロコップの柔術コーチを務めていた。
  • ヴァイ・カヴァーロ(Vai Cavalo)」というニックネームは、サッカーをしている時のヴェウドゥムの動きがあまりにも速すぎるため、対戦相手がポルトガル語で「馬を連れて来い!(Vai Cavalo)」と叫んだためについたものである[10]
  • Happy Faceの変顔が得意であり、計量時や撮影、入場シーンなどで度々この変顔を見せる。UFC 198では4万5000個の自らの変顔のお面を観客に配布し、メインイベントの時に被るように頼んだものの、UFCから使用禁止にされたために「素晴らしいキャンペーンだったのに馬鹿げている。大金を使ったし観客も喜べたのに」と不満を吐露していた。[11]
  • ナイキのロゴマークを合成した写真をアップし「僕はジェネリック(ノーブランド)じゃない。子供のころからNikeだった」「これは抗議だ。別に僕はリーボック製品の使用を強制されてるわけじゃない。決まっているのは試合の週に着ることだけだ。以前はスポンサーフィーは良い収入源だったけどリーボックのせいで大きく変わってしまった。1試合につき5000ドルとか8000ドルとかしか貰えない。ファイターは声を上げるべきだと思うよ」とSNSでリーボック制度に対する不満を吐露したために、3年間続けていたスペイン語放送での解説の仕事を突如降板させられた模様。[12]

戦績[編集]

総合格闘技 戦績
28 試合 (T)KO 一本 判定 その他 引き分け 無効試合
21 6 10 4 0 1 0
6 2 0 4 0
勝敗 対戦相手 試合結果 大会名 開催年月日
トラヴィス・ブラウン 5分3R終了 判定3-0 UFC 203 :Miocic vs Overeem 2016年9月10日
× スティーペ・ミオシッチ 1R 2:47 KO(右フック) UFC 198: Werdum vs. Miocic
【UFC世界ヘビー級タイトルマッチ】
2016年5月14日
ケイン・ヴェラスケス 3R 2:13 ギロチンチョーク UFC 188: Velasquez vs. Werdum
【UFC世界ヘビー級王座統一戦】
2015年6月13日
マーク・ハント 2R 2:27 TKO(跳び膝蹴り→パウンド) UFC 180: Werdum vs. Hunt
【UFC世界ヘビー級暫定王座決定戦】
2014年11月15日
トラヴィス・ブラウン 5分5R終了 判定3-0 UFC on FOX 11: Werdum vs. Browne 2014年4月19日
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ 2R 2:41 腕ひしぎ十字固め UFC on Fuel TV 10: Nogueira vs. Werdum 2013年6月8日
マイク・ルソー 1R 2:28 TKO(右アッパー→パウンド) UFC 147: Silva vs. Franklin 2 2012年6月23日
ロイ・ネルソン 5分3R終了 判定3-0 UFC 143: Diaz vs. Condit 2012年2月4日
× アリスター・オーフレイム 5分3R終了 判定0-3 Strikeforce: Overeem vs. Werdum
【ワールドグランプリ ヘビー級トーナメント 1回戦】
2011年6月18日
エメリヤーエンコ・ヒョードル 1R 1:09 腕ひしぎ三角固め Strikeforce: Fedor vs. Werdum 2010年6月26日
アントニオ・シウバ 5分3R終了 判定3-0 Strikeforce: Fedor vs. Rogers 2009年11月7日
マイク・カイル 1R 1:24 ギロチンチョーク Strikeforce: Carano vs. Cyborg 2009年8月15日
× ジュニオール・ドス・サントス 1R 1:20 TKO(右アッパー→パウンド) UFC 90: Silva vs. Cote 2008年10月25日
ブランドン・ヴェラ 1R 4:40 TKO(マウントパンチ) UFC 85: Bedlam 2008年6月7日
ガブリエル・ゴンザーガ 2R 4:33 TKO(パウンド) UFC 80: Rapid Fire 2008年1月19日
× アンドレイ・アルロフスキー 5分3R終了 判定0-3 UFC 70: Nations Collide 2007年4月21日
エメリヤーエンコ・アレキサンダー 1R 3:24 肩固め 2H2H: Pride & Honor 2006年11月12日
× アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ 3R(10分/5分/5分)終了 判定0-3 PRIDE 無差別級グランプリ 2006 2nd ROUND
【無差別級グランプリ 2回戦】
2006年7月1日
アリスター・オーフレイム 2R 3:43 チキンウィングアームロック PRIDE 無差別級グランプリ 2006 開幕戦
【無差別級グランプリ 1回戦】
2006年5月5日
ユノラフ・エイネモ 3R(10分/5分/5分)終了 判定3-0 PRIDE.31 Dreamers 2006年2月26日
× セルゲイ・ハリトーノフ 3R(10分/5分/5分)終了 判定1-2 PRIDE.30 STARTING OVER 2005年10月23日
ローマン・ゼンツォフ 1R 4:01 腕ひしぎ三角固め PRIDE GRANDPRIX 2005 決勝戦 2005年8月28日
トム・エリクソン 1R 5:41 スリーパーホールド PRIDE.29 SURVIVAL 2005年2月20日
エベンゼール・フォンテス・ブラガ 2R 1:28 KO(パンチ) Jungle Fight 2 2004年5月15日
ガブリエル・ゴンザーガ 3R 2:11 TKO(パンチ連打) Jungle Fight 1 2003年9月13日
クリストフ・ミドゥ・"ザ・フェニックス" 1R 4:11 腕ひしぎ三角固め World Absolute Fight 2 2003年3月22日
ジェームス・ジキック 5分3R終了 ドロー Millennium Brawl 8 2002年9月22日
テンギズ・テドラゼ 1R 三角絞め Millennium Brawl 7 2002年6月16日

獲得タイトル[編集]

  • 第5回アブダビコンバット 99kg以上級 準優勝・無差別級 3位(2003年)
  • 第6回アブダビコンバット 99kg以上級 3位(2005年)
  • 第7回アブダビコンバット 99kg以上級 優勝(2007年)
  • 第8回アブダビコンバット 99kg以上級 優勝(2009年)
  • 第9回アブダビコンバット 99kg以上級 準優勝(2011年)
  • 世界柔術選手権 黒帯ペサディシモ(+97kg)級 優勝(2003年)
  • 世界柔術選手権 黒帯ペサディシモ級 優勝(2004年)
  • UFC世界ヘビー級暫定王座(2014年)
  • 第18代UFC世界ヘビー級王座(2015年)

表彰[編集]

  • UFC ファイト・オブ・ザ・ナイト(1回)
  • UFC パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト(2回)
  • Strikeforce サブミッション・オブ・ザ・イヤー(2010年)
  • Strikeforce アップセット・オブ・ザ・イヤー(2010年)
  • SHERDOG サブミッション・オブ・ザ・イヤー(2010年)
  • SHERDOG アップセット・オブ・ザ・イヤー(2010年)

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

前王者
王座新設
UFC世界ヘビー級暫定王者

2014年11月15日 - 2015年6月13日

次王者
王座廃止
前王者
ケイン・ヴェラスケス
第18代UFC世界ヘビー級王者

2015年6月13日 - 2016年5月14日

次王者
スティーペ・ミオシッチ