ロンサム・ジョージ
ロンサム・ジョージ(英: Lonesome George、1910年頃? - 2012年6月24日)は、ガラパゴス諸島のピンタ島に生息していたガラパゴスゾウガメの亜種(独立種とする説もある)ピンタゾウガメ(Geochelone nigra abingdoni)の最後の生き残りだった1頭の愛称。
生涯[編集]
19世紀ごろ捕鯨船などの船乗りたちの航海中の食糧とするため、ガラパゴス諸島に生息していたガラパゴスゾウガメは徹底的に狩られた[1]。人間による乱獲に遭って個体数が激減して、1頭もガラパゴスゾウガメがいなくなってしまったとされていたピンタ島で、1971年12月1日に[2]、60年ぶりに発見された雄のゾウガメ[注 1]であったが、2012年6月24日に飼育先で死亡しているのが見つかった。DNA鑑定によれば確かにピンタ島固有の亜種であり、他のどのゾウガメとも違う遺伝子である。体重88kg、体長102cm[1]。
サンタクルス島のチャールズ・ダーウィン研究所で保護飼育され、1993年から近い亜種の2頭の雌とのペアリングが試みられたが、老齢のためか[注 2]あまり興味を示さず、繁殖には成功しなかった[1]。
2007年4月には、ピンタ島から近いイサベラ島にてロンサム・ジョージと同じピンタゾウガメの半分の遺伝子(雄親がピンタゾウガメだったと推定できる)を持つ雄のガラパゴスゾウガメをエール大学を中心とする研究チームが見つけた。これは亜種間雑種個体と思われ、少なくとも過去のイサベラ島においてはロンサム・ジョージ以外のピンタゾウガメが生きていたことを示している。しかし純粋なピンタゾウガメの生きている個体については、ロンサム・ジョージを除いて依然確認できていない。
2008年7月から9月にかけてロンサム・ジョージのつがいの雌のゾウガメが計16個を産卵したが、そのうち13個は無精卵であり、残る3個は人工孵化が試みられたが、結局は孵化することなく腐敗していたことが2009年1月23日に公表された。
2012年6月24日、ロンサム・ジョージが死亡したことが発表された[3]。推定年齢は100歳以上だったと見られる。これにより、ピンタゾウガメは完全に絶滅した可能性が高いと見られている。
2012年11月19日の報道によると、エール大学の研究チームがイサベラ島のウォルフ火山付近に生息するゾウガメの遺伝子を調べた結果、1,667頭のうち17頭の遺伝子にピンタゾウガメのDNA断片が混入している事実を突き止めた[4]。17頭の内訳は雄3頭、雌9頭、子ども(20歳未満)5頭であり、特に子どもの存在は純血種が存在する可能性を示しているという。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ a b c 横山雅司 『極限世界のいきものたち』 彩図社、2010年10月22日、44-45頁。ISBN 978-4-88392-764-7。
- ^ 新木秀和 『エクアドルを知るための60章』 明石書店〈エリア・スタディーズ57〉、2012年、第2版、255-256頁。ISBN 978-4-7503-3709-8。
- ^ Lonesome George, last-of-his-kind Galapagos tortoise, dies Chicago Tribune 2012年6月25日閲覧
- ^ ロンサム・ジョージ、仲間が生存か ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト 2012年11月23日閲覧