ピラルクー

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ピラルクー
Arapaima-full.jpg
Arapaima gigas
保全状況評価[1]
DATA DEFICIENT (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))
Status none DD.svg
分類
上綱 : 顎口上綱 Gnathostomata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: アロワナ目 Osteoglossiformes
亜目 : アロワナ亜目 Osteoglossoidei
: アロワナ科 Osteoglossidae
亜科 : ヘテロティス亜科 Heterotidinae
: アラパイマ属 Arapaima
: ピラルクー A. gigas
学名
Arapaima gigas
Cuvier1829
英名
Arapaima

ピラルクー(学名:Arapaima gigas)は、アロワナ目アロワナ科ヘテロティス亜科に属する魚類。現存するアラパイマ属唯一の種である。

原産地での名Pirarucu の表音がそのまま標準和名となり、カナ表記される。語尾に音引きを伴わせずピラルクと発音、表記される場合も多い。また、アラパイマ, パイチェとも。英名はArapaima であるが、日本と同様、原産地での呼び名のままPirarucu とも呼ばれる。

概要[編集]

体長3m以上になり、世界最大級の淡水魚の一つに数えられる。進化において1億年間殆ど姿が変わっていないと考えられ、生きた化石とも言われている。

水族館などでも人気がある。

形態[編集]

体の後半部が赤みを帯びた色となっているピラルクーの成魚
特徴の一つである大きな鱗

成魚の体長は2m~3mほどだが、最大のものは4.5mとも5.2mともいわれる。丸太のような円柱系の体形をしているが、頭部は横に、尾は縦に平たい[[。腹びれ背びれ尻びれ尾びれは体の後半部分に集中してついている。体色は黒から銀色まで個体差があり、成魚では体の後半部分が赤くなるのが特徴である。現地名の「Pirarucu」という名前も、現地のインディオの言語であるトゥピ語で「魚」を意味する「Pira」と、その実から化粧に用いる紅い色素を採取する「Urucu」という植物の名を合わせたもので、「紅い魚」の意味である。

口は大きく、舌にはたくさんの突起がついたおろし器のような硬い骨が通っている。アロワナ科魚類の古い分類名「コツゼツ(骨舌)科」はここに由来する。また円形のうろこ]も硬くザラザラしており、成魚で直径10cmほどもある。

生態[編集]

頭上を泳ぐピラルクー
栃木県なかがわ水遊園にて、2005年8月撮影)
ピラルクーの稚魚の群れ
(サンパウロ水族館にて、2010年7月撮影)

南米のアマゾン川流域に分布し、沼地や川の流れのゆるい所に生息する。 他にタイとマレーシアの河川に、スポーツフィッシング用に移入され、生息している。食性は肉食性で、おもに小魚を捕食する。

熱帯の淡水域では酸欠状態がおこりやすいが、ピラルクーはうきぶくろからのように空気呼吸ができ、時たま水面に口を出して息継ぎをすることで酸素を取り入れることができる。

繁殖にあたってはオスとメスがつがいになって卵や稚魚の世話をする。稚魚はオタマジャクシのように全身が黒く、水面に群れをなして泳ぎ、親魚が下から見守る。稚魚の食欲は旺盛で、成長は早い。

人間との関係[編集]

生息地では重要な食用魚としてアマゾン先住民により古来から漁が行われてきた。漁は主に大きなピラルクーが息継ぎのために水面に浮上してくるところを突きん棒([[[銛]])で突いて漁獲するもので、個体数の減少により、ワシントン条約による保護動物に指定されているが、アマゾン川流域の市場ではピラルクーの肉が食用として高価で取引されるため。伝統的な漁獲は続いている塩漬けで保存もされ、祝いの席などで供されることが多い。肉を食用とする他、大きなうろこは靴べら爪やすりにも使われた。

ピラルクーは肉食性だが、前述のように主に小魚を食べる魚食性で、人を襲うことはない。しかし、身の危険を感じると勢いよく水面から飛び出すため、カヌーボートに当たって転覆させたり、人が体当たりを受け、重軽傷を負う、最悪の場合は死亡する等の事故が多い。

飼育[編集]

「アマゾン川に生息する巨大魚」として著名であることから、水族館で展示する魚として人気があり、日本に限らず多くの国の水族館で飼育されている。日本国内では観賞魚としてアクアショップなどで幼魚が流通していることがあるが、その成体サイズもさる事ながら繊細で神経質な面もあり飼育自体も非常に難しく、常識的に一般家庭で飼育すべきでない。また、超大型魚だが飼育下では野生の個体ほどには大きく成長はしない、それでも最低1~2mほどの体長にはなる。もし飼育する場合、最低でも3m以上のサイズでトン単位の容量のある水槽および大型で強力なろ過装置・ヒーターなどの機材がが必要となるうえに、新鮮な餌代や水槽の維持管理にも多額の費用が必要になる。混泳はできなくもないが驚くと魚とは思えないほどの凄まじいパワーで暴れること、捕食時に大きな音を出したりするため同居魚に大きなストレスを与えるので混泳向きの魚ではない。

参考文献・脚注[編集]

  1. ^ World Conservation Monitoring Centre (1996). Arapaima gigas. 2006. IUCN Red List of Threatened Species. IUCN 2006. www.iucnredlist.org. Retrieved on 21 April 2008.

関連項目[編集]

外部リンク[編集]