ピクラムニア科

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ピクラムニア科
Alvaradoa amorphoides-leaves-fruit.jpg
アルヴァラドア・アモルフォイデス
(Alvaradoa amorphoides)
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : アオイ類 malvids
: ピクラムニア目 Picramniales
: ピクラムニア科 Picramniaceae
学名
(目)Picramniales
Doweld
(科)Picramniaceae
Fernando & Quinn

本文参照

ピクラムニア科 (Picramniaceae) は、アルヴァラドア属ノトタリシア属[1]ピクラムニア属といった主に新熱帯区に生息している3つのから構成される被子植物双子葉植物である。

2009年に改訂された APG III で、ピクラムニア科独自の上位クレードとして「ピクラムニア目 (Picramniale) 」のが新設された[2]。なお、本記事は「ピクラムニア目」に関する情報も併せて解説することにする。

概要[編集]

本科のは全て雌雄異株で構成される。大抵の種は低木である。 樹皮は苦いものが多い。葉は互生につくが托葉は無い。小葉は葉軸から羽状複葉に並ぶ。

は放射相称花の小さな単性花であり、交互に円錐花序につく。ほとんどの場合、3つないし5つで稀に6つの三つ葉状の花びらをつける。萼片が融合してできた花冠(舷部)は萼筒(爪部)よりも明らかに長くなる。雄花は通常は3本か5本(稀に6本)のよく発達した雄蕊をつける。雌花はひとつの子房に2つか3つの心皮をつける。その花柱には短い仮雄蘂がある。

ピクラムニアやサマラ、アルヴァラドアには漿果ができる.[3][4]幹生果で直接幹や枝に実をつける。

雌雄異株であるピクラムニア科は、昆虫や動物などからの生態相互作用によって効果的な受粉の増加を図っている。ピクラムニア属のは熱帯雨林にまばらに点在し、マグニフォリア(magnifolia)はアリと生態相互関係を持つことによって、効率的な受粉システムを形成している。乾燥地域に生息するアルヴァラドアは、主に風媒によって受粉を行なっている。

典型的なピクラムニア科の特性として、主要な脂肪酸のひとつであるタリリン酸を発生させることが挙げられる[5][6]

主な属[編集]

本科の3つの属には約50種が存在する[7][8]。最大の属であるピクラムニア属は41種から成る。ノトタリシア属は2011年に新たに登録された[9]。ピクラムニア属とノトタリシア属は熱帯雨林に特徴的に見られる。アルヴァラドア属は乾燥した地域に見られる。

  • ノトタリシア属
    • 2011年に新しく承認された属。熱帯のアメリカ大陸に生息している。

分類体系の変遷[編集]

ピクラムニア目はバラ類のアオイ群に分類される目で、下位クレードの科にはピクラムニア科がある[10]

ピクラムニア科に属する種はかつてムクロジ目ニガキ科に含まれるものであるとされていた。1995年にニガキ科から分科する形でピクラムニア科が承認されたが、その時点では、どの目に属するか決定されていなかった。2009年の APG III 改訂で、ピクラムニア目に属することが確定された[2]

系統[編集]

アオイ群

アオイ群


フウロソウ目 Geraniales



フトモモ目 Myrtales





クロッソソマ目 Crossosomatales




ピクラムニア目 Picramniale 




ムクロジ目 Sapindales




フエルテア目 Huerteales




アブラナ目 Brassicales



アオイ目 Malvales








利用[編集]

ピクラムニア属のいくつかの種の樹皮・根・葉などは大変苦いものであるが、消化器系の不調や性病、マラリアの治療に効果を表す。ピクラムニア・ラティフォリア (Picramnia latifolia) の果実は食用となる。イヴァラドア・アモルフォイデス (lvaradoa amorphoides) は燃料となる。アルヴァラドア (Alvada) の特定の種の煎じ薬は、消化器系の不調、リウマチ、皮膚病や尿路結石の治療のために使用されている[4]

画像[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ Thomas WW (2011). Nothotalisia, a new genus of Picramniaceae from tropical America. Brittonia 63:51–61
  2. ^ a b Angiosperm Phylogeny Group (2009). “An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG III” (PDF). Botanical Journal of the Linnean Society 161 (2): 105–121. doi:10.1111/j.1095-8339.2009.00996.x. http://www3.interscience.wiley.com/journal/122630309/abstract 2013年7月6日閲覧。. 
  3. ^ Watson L. Dallwitz M.J.. “The Families of Flowering Plants: Picramniaceae”. 2012年6月18日閲覧。
  4. ^ a b Smith Nantan et al (2003). Flowering Plants of the Neotropics. Princeton University Press. ISBN 0691116946. 
  5. ^ R. Hansel, 22. Lipide in: R. Hansel, O. Sticher (Hrsg.) Pharmakognosie Phytopharmazie 9. Auflage (2010) 673–674 Springer, Heidelberg 978-3-642-00962-4 (Google Books)
  6. ^ T. Stuhlfauth, H. Fock, H. Huber, K. Klug: The distribution of fatty acids including petroselinic and tariric acids in the fruit and seed oils of the Pittosporaceae, Araliaceae, Umbelliferae, Simarubaceae and Rutaceae. In: Biochemical Systematics and Ecology. 13, 1985, S. 447–453, doi:10.1016/0305-1978(85)90091-2.
  7. ^ Stevens P.F.. “Angiosperm Phylogeny Website”. 2012年6月18日閲覧。
  8. ^ Christenhusz, M. J. M.; Byng, J. W. (2016). “The number of known plants species in the world and its annual increase”. Phytotaxa (Magnolia Press) 261 (3): 201–217. doi:10.11646/phytotaxa.261.3.1. http://biotaxa.org/Phytotaxa/article/download/phytotaxa.261.3.1/20598. 
  9. ^ The International Plant Names Index. http://www.ipni.org/m 2012年6月18日閲覧。. 
  10. ^ Angiosperm Phylogeny Group: An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG III. In: Botanical Journal of the Linnean Society. Bd. 161, Nr. 2, 2009, ISSN 0024-4074, S. 105–121, doi:10.1111/j.1095-8339.2009.00996.x.

参考文献[編集]

  • Edwino S. Fernando, Christopher J. Quinn: Picramniaceae, a New Family, and a Recircumscription of Simaroubaceae. In: Taxon. Bd. 44, Nr. 2, May 1995, ISSN 0040-0262, S. 177–181, Abstract.

ソース[編集]

外部リンク[編集]