ピアノ協奏曲第2番 (メンデルスゾーン)

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F.Mendelssohn - Piano_Concerto No.2 - ユリウス・キム(Julius Jeongwon Kim)の独奏P、Hee-chuhn Choi指揮KBS交響楽団による演奏。芸術の殿堂公式YouTube。
Mendelssohn Piano Concerto No.2 - Clayton Stephensonの独奏P、Juilliard Pre-College Symphonyによる演奏《指揮者名無記載》。当該P独奏者自身の公式YouTube。

ピアノ協奏曲第2番 ニ短調 作品40, MWV O 11 は、フェリックス・メンデルスゾーン1837年に作曲したピアノ協奏曲

概要[編集]

第1番 ト短調』(作品25)から約6年後の作品であり、『ヴァイオリン協奏曲 ホ短調』(作品64)と同様に楽章間の切れ目がない点は共通するが、第1番と異なり楽章間に主題的な関連はない。

1837年にバーミンガムで行われた音楽祭で、前年に初演された自身のオラトリオ『聖パウロ』(作品36)が再演されることになったが、その際にピアノ協奏曲も依頼され、この年の夏に作曲した。初演は1837年9月21日に同音楽祭で、メンデルスゾーン自身のピアノ独奏により行われ、賞賛を博した。

なお、メンデルスゾーンは『ヴァイオリン協奏曲 ホ短調』とほぼ同時期(1842年から1844年頃)にホ短調のピアノ協奏曲の作曲に着手したが、第2楽章までのピアノスコアと第1楽章冒頭のオーケストレーションのみで放棄した(調性などが一致するため、ヴァイオリン協奏曲に移行したと考えられている。詳しくは『ピアノ協奏曲 ホ短調』を参照)ため、第2番は完成した最後のピアノ協奏曲となった。

楽器編成[編集]

独奏ピアノフルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニ弦五部

曲の構成[編集]

全3楽章、演奏時間は約24分。前述の通り、楽章間に切れ目がない。

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第1楽章 アレグロ・アパッショナート
第2楽章 アダージョ・モルト・ソステヌート
第3楽章 プレスト・スケルツァンド
フェルナンド・クルス(Fernando Cruz)の独奏P、Jozsef Horvath指揮RTVE交響楽団による演奏。当該P独奏者自身の公式YouTube。
  • 第1楽章 アレグロアパッショナート
    ニ短調、4分の4拍子ソナタ形式
    有名な『ヴァイオリン協奏曲 ホ短調』の第1楽章に似た、非常に幻想的な楽章。前述のように、ホ短調のピアノ協奏曲は後にヴァイオリン協奏曲へと移行したが、同ピアノ協奏曲の持っていた豊かな幻想性は、この第2番の第1楽章に別の形で結実したと考えられる。ヴァイオリン協奏曲の第1楽章と同様に、情熱を秘めた第1主題に加え、神秘的で美しい第2主題が、この楽章の気分を決定づけている。
  • 第3楽章 フィナーレ:プレストスケルツァンド
    ニ長調、4分の3拍子、ロンド形式。
    メンデルスゾーンらしい優雅な楽想。最後は管弦楽の全奏で堂々と華々しく結ばれる。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]