ヒルカラナンデス

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プチ鹿島ダースレイダー。「監督ナンデス!」と書かれたたすきをかけている[1]。2023年3月19日撮影。

ヒルカラナンデス』は、ダースレイダープチ鹿島Youtubeで配信している生トーク番組。第1回は2020年4月17日。毎週金曜日に配信されている。

沿革[編集]

2020年[編集]

2020年3月16日に渋谷ロフト9で開催予定だった能町みね子主催のトークイベントが、新型コロナウイルスの急速な感染拡大により中止に追い込まれた。能町は当時まだ確立されていなかった「無観客配信」に挑戦しようと考えた。もともとの内容は高輪ゲートウェイ駅のネーミングに関するものだったが、能町はプチ鹿島を対談相手とするイベント企画をロフトに提案した。ロフト担当者はそれに加えてダースレイダーとの鼎談のアイデアを出した。ダースレイダーと鹿島は2016年にABEMA『NEWS RAP JAPAN』で共演しており、それ以来の仲だった[2]。3月16日に「能町×ダース×鹿島の無観客時事トーク!」が配信された[3][4][5]

イベントのすぐあと、ダースレイダーは自身のラジオ番組にゲストとして鹿島を呼ぶが、それもコロナ禍の影響で中止となった。4月7日に政府は初めての緊急事態宣言を発出した[6]。「ヒルカラナンデス」が始まったきっかけを二人は次のように説明している[3]

ダース - ならば「家に来てYouTubeで喋りませんか」とお誘いしたんですよね。
鹿島 - どこで喋っても同じですから、「いいですよ」と(笑)
ダース - 金曜の昼12時からにしたのは、緊急事態宣言が発令された直後だったので、みんなステイホームで家にいるだろうし、平日の昼間でも見てもらえるんじゃないか、と思ってのことでした。

同年4月17日、第1回がダースレイダー自身のYouTubeチャンネル「DARTHREIDER[7]」から配信される。配信時は番組名が決まっておらず、番組内で「まっ昼ま王子」等、別の名称も検討されたが暫定的に「ヒルカラナンデス(仮)」となった。感染症対策のため、前方にダースレイダー、後方にプチ鹿島が座るという立ち位置となっている。このスタイルは現在まで続いている。

同年6月16日、スピンオフ特別企画として第1回の有料トークイベント「ヨルカラナンデス」が渋谷ロフト9から配信された。最初のゲストは青木理だった[3]

同年8月25日、第2回の「ヨルカラナンデス」が渋谷ロフト9で開催。ゲストは、この年の『週刊文春』に、森友学園を巡る公文書改竄問題で自殺した赤木俊夫の手記全文を掲載した総計15ページの特集記事と、「赤木ファイル」の存在を詳細に報じた記事を続けて寄稿した(3月26日号、4月2日号)相澤冬樹だった[8][9][10][11]。相澤はZoomでの参加だったが、冒頭から泥酔状態で現れた。二人は「怒りと悲しみに震えながらも」[3]即座にチケット販売を停止し、そのまま二人で4時間話し続けた。相澤は後日、謝罪し、二人とロフトプロジェクトが被った損失を全額補填した[12][13]

2021年[編集]

2021年6月15日、「ヒルカラナンデス」出張版として、映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』を同時再生で観賞しながらのZoomトーク配信を行った。ゲストは映画を監督した大島新[14]

同年10月の衆議院議員選挙に際しては、二人は高松市に向かい、投開票日を挟んだ10月30日、31日、11月1日の3日間、現地から有料イベント「香川1区ナンデス」を配信した。映画『香川1区』の撮影のため同じく高松入りしていた大島新、小川淳也陣営でお手伝いをしていた和田靜香らがゲスト出演した[15]

2022年[編集]

2022年7月の参議院議員選挙に際しては、日本維新の会が盤石の強さを誇る大阪府選挙区の取材のため、2度、大阪入りした。安倍晋三元首相が銃撃された7月8日、梅田駅の近くのホテルの部屋から「ヒルカラナンデス」を配信[16]。そして7月9日、10日、11日の3日間、有料イベント「参院選ナンデス」を開催した。9日、10日は現地から、11日は畠山理仁をゲストに迎え、阿佐ヶ谷ロフトAから配信した[17][15]

同年8月24日、沖縄県知事選挙(同月25日告示)の取材のため沖縄入りし、26日は那覇市から「ヒルカラナンデス」を配信した。9月8日に再び沖縄に入ると「沖縄タイムス」が二人の活動に注目。同月10日付の朝刊に「『沖縄知事選は国政選挙』 その真意は? ラッパーと芸人、度肝を抜かれた集会の盛り上がり」と題した記事が掲載された[18]。10日、11日、12日の3日間、有料イベント「沖縄ナンデス」を開催。12日は畠山理仁、津田大介をゲストに迎え、沖縄Outputから配信した。

2023年[編集]

2023年2月18日、ダースレイダーとプチ鹿島が監督・主演したドキュメンタリー映画『劇場版 センキョナンデス』が公開される[19]。2021年衆院選、2022年参院選の取材映像と「ヒルカラナンデス」の配信映像を中心に構成されており [20]、2月24日から二人は "全国舞台挨拶漫遊" を開始した[1][21][22]

同年6月24日、『劇場版 センキョナンデス』の初配信記念イベントが渋谷のLOFT9で開催され、トークショーにはダースと鹿島のほか、大島新前田亜紀三輪記子が出演[23]。選挙ロードムービーの第二弾『シン・ちむどんどん』を同年8月11日に那覇市桜坂劇場で緊急公開することが発表された[24]

配信[編集]

配信日時 毎週金曜日の正午。
配信後、アーカイブも視聴可能。休止や時間変更もある。
場所 ダースレイダーの自宅の屋根裏部屋、娘の部屋。
取材先のホテルの部屋のこともある。
チャンネル DARTHREIDER

特徴・エピソード[編集]

  • 配信開始時の映像や音声レベルのチェックはチャット欄で閲覧者とのコール&レスポンスで行われる。番組開始当初の音声レベル確認用の掛け声は「オトキタ」だったが、「ノブテル」や「ハギュハギュ」など、回を重ねるたびに変化している。
  • 本番組の熱心な視聴者のことを「ヒルマニア」と呼ぶ。番組視聴開始時期により、オトキタ世代・ノブテル世代・バギュハギュ世代と呼ばれる場合がある。
  • 「ヒルマニア」の一人に弁護士の三輪記子がいる。三輪は第1回からほぼ毎週欠かさず聴いていると言い[25]、ドキュメンタリー映画『劇場版 センキョナンデス』(2023年)ではスポンサーとしてエンドタイトルにクレジットされている。2023年6月24日にLOFT9で開催された『劇場版 センキョナンデス』の初配信記念イベント出演した際、いわゆる「三輪メモ」を公開した[23]
  • 2022年7月1日に行われた第108回配信で初めて高性能ワイヤレス・マイクが導入され[26]、音質が劇的に向上した。このワイヤレス・マイクの購入には第100回配信時の投げ銭が原資となっている。
  • 時折、ダースの飼い猫が見切れて登場する。
  • 番組タイトルの末にサブタイトル的に、時事性がある漢字1文字[例:(解)]が添えられることが慣例となっている。

脚注[編集]

  1. ^ a b ネツゲンチャンネル (2023年3月23日). “『劇場版 センキョナンデス』舞台挨拶漫遊 ダイジェスト!!”. YouTube. 2023年3月23日閲覧。
  2. ^ プチ鹿島、ダースレイダー、高木“JET”晋一郎: “「菅義偉の人生相談はグラドルの女優宣言」芸人とラッパーが“話芸”で政治を身近にしたい理由とは | 集英社オンライン | 毎日が、あたらしい”. shueisha.online (2023年2月14日). 2023年5月14日閲覧。
  3. ^ a b c d 「劇場版 センキョナンデス」公式プログラム, pp. 15–16.
  4. ^ 「劇場版 センキョナンデス」公式プログラム, pp. 21–23.
  5. ^ 能町×ダース×鹿島の無観客時事トーク!”. LOFT PROJECT. 2023年3月22日閲覧。
  6. ^ 緊急事態宣言の発令に伴う基本的対処方針の徹底のお願い”. 日本経済団体連合会 (2020年4月9日). 2023年3月21日閲覧。
  7. ^ DARTHREIDER - YouTube”. www.youtube.com. 2023年1月20日閲覧。
  8. ^ 相澤冬樹 (2020年3月17日). “森友自殺 財務省職員 遺書全文公開「すべて佐川局長の指示です」 妻は佐川元理財局長と国を提訴へ”. 文春オンライン. 2023年3月22日閲覧。
  9. ^ 赤木雅子、相澤冬樹『私は真実が知りたい―夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?』文藝春秋、2020年7月15日、133-139頁。 
  10. ^ デモクラシータイムス (2020年3月24日). “緊急特集 赤木さんの真実 〜「森友」を忘れない 200324”. YouTube. 2023年3月24日閲覧。
  11. ^ 森友<財務省>担当上司の「告白」「8億円値引きに問題がある」 週刊文春2020年4月2日号”. 文春オンライン. 2023年3月24日閲覧。
  12. ^ 相澤冬樹 (2020年8月31日). “公文書改ざん問題追及の元NHK・相澤冬樹記者が泥酔して大失態。改めて考える、自己と向き合う道”. ハーバー・ビジネス・オンライン. 扶桑社. 2023年3月27日閲覧。
  13. ^ DARTHREIDER (2020年8月28日). “ダースレイダーxプチ鹿島 “#ヒルカラナンデス (仮) ” 第20回”. YouTube. 2023年3月22日閲覧。
  14. ^ DARTHREIDER (2021年6月15日). “ダースレイダー x プチ鹿島、大島新 なぜ君は総理大臣になれないのか視聴会”. YouTube. 2023年3月22日閲覧。
  15. ^ a b 「劇場版 センキョナンデス」公式プログラム, pp. 18–19.
  16. ^ DARTHREIDER (2022年7月8日). “ダースレイダー x プチ鹿島 #ヒルカラナンデス (仮) 第109回”. YouTube. 2023年3月22日閲覧。
  17. ^ #参院選ナンデス”. LOFT PROJECT. 2023年3月24日閲覧。
  18. ^ 阿部岳 (2022年9月10日). “「沖縄知事選は国政選挙」その真意は? ラッパーと芸人、度肝を抜かれた集会の盛り上がり”. 沖縄タイムス. 2023年3月27日閲覧。
  19. ^ 朝山実 (2023年2月15日). “芸人とラッパーが「選挙」で見た"政治家の裏の顔" 「劇場版センキョナンデス」が映す政治の世界”. 東洋経済オンライン. 2023年3月21日閲覧。
  20. ^ 大滝哲彰 (2023年3月20日). “「選挙は祭り。『民」から『主』へ」 異色の「やじ馬」コンビが映画”. 朝日新聞. 2023年3月22日閲覧。
  21. ^ 映画『劇場版 センキョナンデス』公式サイト
  22. ^ 宮崎園子 (2023年4月6日). “型通りのギョーカイ選挙報道よりよほど有用「劇場版センキョナンデス」”. JBpress. 2023年4月6日閲覧。
  23. ^ a b 劇場版センキョナンデス 初配信記念イベント”. LOFT PROJECT. 2023年7月5日閲覧。
  24. ^ 『劇場版 センキョナンデス』待望の映画第2弾! 監督・出演:ダースレイダー×プチ鹿島の『シン・ちむどんどん』、8月に緊急公開決定!”. Rooftop (2023年6月24日). 2023年7月5日閲覧。
  25. ^ 弁護士三輪記子のYouTubeチャンネル (2023年3月7日). “2023年3月7日生配信 ゲストは大島新さん ドキュメンタリー監督”. YouTube. 2023年3月22日閲覧。
  26. ^ DARTHREIDER (2022年7月1日). “ダースレイダー x プチ鹿島 #ヒルカラナンデス (比) 第108回”. YouTube. 2023年3月22日閲覧。

参考文献[編集]

  • 『「劇場版 センキョナンデス」公式プログラム』ネツゲン、2023年2月18日。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]