ヒュンダイ・クーペ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

ヒュンダイ・クーペはかつて現代自動車(ヒュンダイ)が生産していたクーペ乗用車である。

概要[編集]

本項では1996年から2008年まで、2世代にわたって生産されたモデルについて述べる。いずれもハッチゲートを持つ3ドアクーペで、前輪駆動のレイアウトを採る。「ヒュンダイ・クーペ」は輸出名で、本国の韓国ではティブロン(初代前期) / ティブロン・タービュランス(初代後期) / トスカーニ(2代目)を名乗るなど、仕向け地によって名称は異なる(詳しくは後述)。日本では2代目(本国の「トスカーニ」に相当するモデル)が、「ヒュンダイ・クーペ」の名称で販売された。

この「ヒュンダイ・クーペ」が登場する以前、1990年から1995年までヒュンダイは「スクープ(Scoupe:스쿠프)」というエクセルをベースとした1500ccクーペを生産していた。

名称について[編集]

この車両は、地域によって異なる名称が与えられている。主な地域と名称の関係は以下の表を参照のこと。

モデル 韓国 アメリカ、オーストラリア ヨーロッパ、日本
初代前期 ティブロン
(Tiburon/티뷰론)[1]
クーペ
初代後期 ティブロン・タービュランス
(Tiburon Turbulence
티뷰론 터뷸런스)[2]
ティブロン クーペ
2代目 トスカーニ(Tuscani
투스카니) [3]
ティブロン クーペ

ティブロン以降の歴代モデル[編集]

※本項目では韓国名「ティブロン」(RD)及びフェイスリフトモデル「ティブロン・タービュランス」(RD2)を初代、同「トスカーニ」(GK)を2代目としている。しかし場所によっては「ティブロン」が初代、「タービュランス」が2代目、「トスカーニ」が3代目と扱われることもあるので注意する必要がある。

初代(RD、1996-2001年)[編集]

前期型:ティブロン(1996年 - 1999年)
初代 ヒュンダイ クーペ(本国名:ティブロン)前期

1996年4月発表[4]。プラットフォームはJ2型アバンテをベースとし、駆動方式はFF[5]直列4気筒 2.0 L DOHCのベータ (β) エンジンを搭載、後に1.8 Lを追加[4]。販売地域によっては1.6 Lも設定[6]。5MTまたは4ATを組み合わせる。マクファーソン・ストラットのサスペンションはポルシェとの共同開発による[4]

後期型:ティブロン・タービュランス(1999年 - 2001年)
初代 ヒュンダイ クーペ(本国名:ティブロンタービュランス)後期

発売3年目の1999年5月、フェイスリフトモデルの「ティブロン・タービュランス」が登場[4]。本来はフェイスリフトモデルなのだが、変更箇所が顔面だけでなくテール周りにまで至る為か2代目として扱われることがままある。エンジンのラインナップは変わらない。

窓の形状、ヘッドライト形状などから、日本では一部からはST200系セリカの模倣だと批判・揶揄される場合もある。ティブロンは前後期とも日本市場へは導入されなかった[7]

2代目(GK) 2001年 - 2008年[編集]

2代目 ヒュンダイ クーペ(本国名:トスカーニ)前期
2代目 ヒュンダイ・クーペ(本国名:トスカーニ) 後期

2001年9月、本国名「トスカーニ」デビュー。アメリカ、オーストラリアでの名称は「ティブロン」となっていることからも予想が付くように、かつて生産されていた「ティブロン / ティブロンタービュランス」の事実上の後継車種として販売されている。

エンジンはV6 2.7L DOHCデルタ(δ)エンジン、直列4気筒2L DOHCベータ (β) エンジン[8]、直列4気筒1.6 L[9]を設定(地域によりラインナップは異なる)。駆動方式はFF、燃料はレギュラーガソリンである。5MT/6MT/4ATを設定する。

日本では2002年4月2日から「ヒュンダイ・クーペ」の名で発売開始[7]。日本仕様車(GK27型)は4気筒の設定がなくV6 2.7L DOHCに6MTかスポーツモード付き4ATが組み合わされる。本来、ボディーサイズと駆動方式のみで言えば日本車だとインテグラ(最終DC5型は2リッター)やセリカ(最終ZZT230/ZZT231型は1.8L)辺りが対抗馬となる車種だが、日本仕様車は2.7Lしか設定がなかった上、自動車としての特性も異なるため、直接のライバルとはなり得ていなかった。だがそのコストパフォーマンス(初期型の場合6MT・2.7L・17インチアルミで199万円)からか、デビュー直後は日本でもベース車として注目する動きも一部にはあったようである(新車情報としてOPTION2に掲載されたほか、その後Bee☆Rチューニングカーを制作して同誌に掲載されたこともあった)。

2004年9月に最初のマイナーチェンジ。フェイスリフトのほか、HIDヘッドランプやVDC、パワーブレーキシステムを採用[8]

2006年には2度目のフェイスリフトが行われ、7月に広州モーターショーで世界初公開。本国では10月に発売された[8]。主にフロントマスクのデザインが大きく改められ、フロントグリルがZZT230系セリカに似たデザインに変えられた。また、テールランプの意匠も微妙に変わっている(ユーロテール風になっただけではなく、輪郭そのものの形状が違う)。日本市場へは前期型に代わって2007年3月から導入され、前述のセリカやインテグラが相次いで生産・販売中止されたこともあり、クーペ型乗用車では数少ない300万円を大きく下回る価格(末期の頃で込本体価格220万5千円~252万円、初期型に至ってはAT/MT問わず199万円)で販売されていたが、販売不振などで2008年6月頃に輸入販売を終了している。なお、本国やアメリカ市場では後継のジェネシスクーペがデビューしている。

韓国市場においてはチューニングカーのベース車としても支持を受けていたようで、特に2.7リッター車「Elisa」のザックスサスペンションを2リッター車に流用したり(そのため後に同様の仕様を新車販売することになった)前期・後期間のいわゆる顔面スワップを行ったりと言った事象がみられ、[10] 更には2リッター車においてボルトオンターボなどのチューニングが流行った。後に「2.0 GTS」グレードから装備を削った廉価グレードの「GL」が追加されたが、ターボやエアロ、スポーツシートを装着しても「GTS」同等の価格に収まったとある。その一方、当時の韓国市場では困った問題も生じた。17インチホイールが標準で装着されていたがために、タイヤ交換に対応できないショップがままみられたのである。[11]

ヒュンダイ CCS(トゥスカーニCS)[編集]

2003年ごろカルマン社の協力の下、トゥスカーニをベースとしたスタディモデルの4人乗りオープンカー「ヒュンダイCCS(クーペ・コンバーチブル・スタディ)」が発表された。一部ではトゥスカーニCSとも呼ばれるこの車は東京モーターショー他数々のショーで披露された。なお、この車はショーでの参考出品にとどまっており市販化はされていない。

車名の由来[編集]

  • Coupe・・・フランス語で「2人乗りの箱形馬車(coupé)」。
  • Tiburon・・・スペイン語で「」。
  • Turbulence・・・英語で「乱気流」。
  • Tuscani・・・古代ローマ文明の発祥地であるイタリアトスカーナ地方を指す。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ ハングル表記に忠実に発音すると発音は「ティビュロン」となる
  2. ^ ハングル発音は「ティビュロン・トビュロンス」
  3. ^ ハングル発音は「トゥスカニ」
  4. ^ a b c d Before N - 티뷰론 #1” (朝鮮語). 現代自動車. 2020年10月29日閲覧。
  5. ^ 티뷰론(Coupe)(1996.04)” (朝鮮語). 現代自動車. 2020年10月29日閲覧。
  6. ^ Hyundai Coupe I (RD) 1.6 i 16V (114 Hp) 1996, 1997, 1998, 1999 Specs”. 2020年11月1日閲覧。
  7. ^ a b ヒュンダイ・クーペFX V6(6MT)【ブリーフテスト】”. webCG. 2020年10月29日閲覧。
  8. ^ a b c Before N - 투스카니 #1” (朝鮮語). 現代自動車. 2020年10月29日閲覧。
  9. ^ Car Reviews - Hyundai Coupe 1.6 S”. 2020年11月1日閲覧。
  10. ^ Before-N トスカーニ#1 ヒュンダイ韓国向け公式サイト、2021年9月19日閲覧
  11. ^ Before-N トスカーニ#2 ヒュンダイ韓国向け公式サイト、2021年9月19日閲覧

外部リンク[編集]

現代自動車公式サイトより(韓国語