ヒヤシンス
| ヒヤシンス | ||||||||||||||||||||||||||||||
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Hyacinthus orientalis
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| 分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| Hyacinthus orientalis L.[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
| シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
| 英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| common hyacinth, garden hyacinth | ||||||||||||||||||||||||||||||
| 亜種・変種 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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ヒヤシンス(風信子、飛信子、学名: Hyacinthus orientalis)は、キジカクシ科ツルボ亜科ヒヤシンス属の球根性多年草。ヒアシンスとも表記する[1][2]。耐寒性秋植え球根として扱われ、鉢植えや水栽培などで観賞される。
形態・生態
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春先に香りのよい花を咲かせる。原種本来の花色は青紫色のみだが、園芸品種には暖色から寒色までさまざまな色彩が濃淡豊かに揃う。生育適温は20℃前後と、冷涼な気候を好む。
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全草の構造
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さまざまな園芸品種
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完熟した蒴果
分布
[編集]地中海東部沿岸(トルコ、シリア、レバノン、イスラエル)からイラン、トルクメニスタン付近の原産。
栽培
[編集]野生種の花は青紫色だが、園芸品種は花色が豊富。園芸種は主にオランダで育成され、ダッチヒアシンスと呼ばれている。通常は球根1球から1本の花茎が出るが、最近は何本もの花茎が一度に出て咲く、マルチフローラタイプの品種も育成されている。
耐寒性が強く、全国で栽培できる。球根の植え付けの適期は秋で、10月から12月頃。寒さを感じることによって花芽が形成される。
球根は、直接水に触れると傷みやすい。球根が内部から黄色く腐る黄腐病や、外側から白く腐る白腐病に罹ることがあるため、水はけのよいところに植える。また、極端に日光が足りないと花が咲かない原因になるため、発芽から花が終わるまでは日によく当てることが大切になる。
開花期は3月から4月頃。花が終わるころに、球根を肥大させるために追肥を施す。
地植えの場合、植えっぱなしでも数年間は花を咲かせるが、球根に蓄えられている養分が減って行くにつれて花数が少なくなる。そのため、梅雨前に掘り上げて乾燥貯蔵しておき、秋に再度植え付けるほうがより長く楽しめる。球根を堀り上げる場合、葉をつけたまま日陰で乾燥させ、葉が枯れたら切り取って、乾燥貯蔵しておく。
ほとんど分球しないため、数を増やすには、球根の底部をえぐり取るスクーピングや、切れ込みを入れるノッチングによって小球を発生させる。家庭園芸では、無理せずに、球根の底部に浅い切れ込みを入れる程度が安全。これだと生まれる小球の数は少なくなるが、親球も無駄にならない。この作業は休眠期に行い、球根を逆さにして乾燥貯蔵しておくと秋までには小球ができてくるので、そのまま通常どおり植えつける[3]。
人間との関わり
[編集]オスマン帝国で栽培され、園芸化された。スルタンムラト3世は1583年に山地から5万本のヒヤシンスをイスタンブールに集めさせたという。16世紀前半にはヨーロッパにもたらされ、イタリアで栽培されていた。16世紀末にはイギリスに伝来し、フローリスト(園芸愛好家)に注目され、18世紀から19世紀にかけて盛んに育種が行なわれ、数百の品種が作られた。しかし、イギリス系のヒヤシンスは20世紀初頭に衰退し、現在は品種もほとんど残っていない。これとは別に、現在普通に栽培されるのは地中海北東部原産のダッチヒヤシンスで、18世紀から主にオランダで改良され、2,000以上の栽培品種が作出された。これは、1本の茎に青、紅、白、淡黄色などの花を多数つける。また、ローマンヒヤシンス(H. o. var. albulus)と呼ばれる変種があり、耐寒性はあまり強くなく、やや小さい青や白の花をつける。
ヒヤシンスの名は、ギリシャ神話の美青年ヒュアキントスに由来する[4]。同性愛者であった彼は、愛する医学の神アポロン(彼は両性愛者であった)と一緒に円盤投げに興じていた(古代ギリシャでは同性愛は普通に行われ、むしろ美徳とされていた)[4]。しかし、その楽しそうな様子を見ていた西風の神ゼピュロス(彼もヒュアキントスを愛していた)は、やきもちを焼いて、意地悪な風を起こした[4]。その風によってアポロンが投げた円盤の軌道が変わり、ヒュアキントスの額を直撃してしまった[4]。アポロンは医学の神の力をもって懸命に治療するが、その甲斐なくヒュアキントスは大量の血を流して死んでしまった。ヒヤシンスはこの時に流れた大量の血から生まれたとされる[4][5]。なお、ヒュアキントスが流した血から咲いた花は、実際はアイリスの一種であったと考えられている。
日本には1863年(文久3年)に渡来した。伊藤圭介の門下にあった田中芳男が「田中芳男君七六展覧会記念誌」において語ったところによると、「文久三年二月になりまして、フランスから一年生の花物の種子や球根植物その他いろいろのものが伝わりました。その花物の中には、ムギカラハナ、キンギョソウ、ヤグルマソウ、ヒエンソウなどが来ました。これがフランスから来て日本に出来た初めであります。球根の方はチューリップ、ヒヤシンス、その他水仙の珍奇なものなぞあって、それは日本人には珍しかった。」とある。また、渡辺規綱が著し、伊藤圭介の五女である小春が写本を描いた「新渡花葉図譜」の坤巻(第2巻)には「フシヤシントウ」の名で八重咲の紫花種と一重咲の橙花種の図があり、1867年(慶応3年)にオランダから新たに渡来したとの記述がある。
ヒヤシンス属
[編集]ヒヤシンス属(ぞく、学名: Hyacinthus)は、キジカクシ科[2]の属の一つ。3種がある。ただし、H. litwinowii と H. transcaspicus を別属 Hyacinthella に移し、Hyacinthus を1種のみとする説もある[6]。
- Hyacinthus litwinowii
- ヒヤシンス Hyacinthus orientalis
- Hyacinthus transcaspicus
脚注
[編集]- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Hyacinthus orientalis L. ヒアシンス(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2026年1月16日閲覧。
- ^ a b 大場秀章編著『植物分類表』アボック社、2009年、56頁。ISBN 978-4-900358-61-4。
- ^ “ヒアシンス(ヒヤシンス)の育て方・栽培方法”. 植物図鑑|みんなの趣味の園芸. NHK出版. 2026年1月16日閲覧。
- ^ a b c d e 吉田敦彦『一冊でまるごとわかるギリシア神話』2013年、だいわ文庫、60頁
- ^ 瀧井康勝『366日 誕生花の本』日本ヴォーグ社、1990年11月30日、7頁。ISBN 4-529-02039-8。
- ^ Czerepanov, Sergeĭ Kirillovich (1995). Vascular Plants of Russia and Adjacent States (The Former USSR). Cambridge University Press. ISBN 978-0-521-45006-5
参考文献
[編集]- 鈴木庸夫写真「ヒアシンス」『春の花』畔上能力ほか解説、山と溪谷社〈山溪ポケット図鑑〉、1995年、294頁。ISBN 4-635-07011-5。
関連項目
[編集]- 花の一覧
- 球根
- 水耕栽培
- 色名一覧 (ひ)
- ジルコン - 特に橙色系のものの異名として「ヒヤシンス」または「風信子鉱」「風信子石」とも呼ばれる。
- フェニルアセトアルデヒド - ヒヤシンスの香りの主成分のひとつであり「ヒアシンチン (Hyacinthin)」とも呼ばれる。
- ムスカリ - (Muscari spp.) ヒヤシンスに似た同科の植物。小さいブドウの房状の花序を付け、別名ブドウヒアシンスとも呼ばれ、よく栽培される。
外部リンク
[編集]- “Hyacinthus orientalis L.”. Germplasm Resources Information Network (GRIN). Agricultural Research Service (ARS), United States Department of Agriculture (USDA).
- “Hyacinthus orientalis L.” (英語). Integrated Taxonomic Information System.
- “Hyacinthus orientalis”. National Center for Biotechnology Information(NCBI) (英語).
- "Hyacinthus orientalis" - Encyclopedia of Life
- ヒアシンス - 岡山理科大学 生物地球学部 生物地球学科 旧植物生態研究室(波田研)ホームページ
- ヒヤシンスの育て方・栽培方法 - LOVEGREEN(ラブグリーン)
- ヒアシンス(ヒヤシンス)とは|育て方がわかる植物図鑑 - みんなの趣味の園芸(NHK出版)