ヒメハマナデシコ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヒメハマナデシコ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : ナデシコ亜綱 Caryophyllidae
: ナデシコ目 Caryophyllales
: ナデシコ科 Caryophyllaceae
: ナデシコ属 Dianthus
: ヒメハマナデシコ
D. kiusianus
学名
Dianthus kiusianus Makino
和名
ヒメハマナデシコ

ヒメハマナデシコ(姫浜撫子、Dianthus kiusianus)とは、ナデシコ科ナデシコ属多年草

概要[編集]

日本固有種で、本州和歌山県)、四国愛媛県)、九州長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県)及び南西諸島種子島徳之島伊江島西表島)に分布する。日当たりの良い海岸の砂浜や岩場に生育する。

多年草で、高さ10~30cm。茎は株状で直立し、根茎は木質で地面を這うか斜上する。(茎葉)は対生、狭長楕円形~倒披針形で長さ1~3cm、先端は鋭く尖る。根生葉は倒卵状楕円形~へら状長楕円形で、長さ3~5cm、先端は鈍く尖るか円くなる。茎葉・根生葉ともに葉縁に微毛を生やし、表面は光沢のある緑色。花期は4~9月。花は集散花序で、茎の頂端に1~6個付き、花弁は5枚で、(ほう)の先が短い針状になる。色は紅紫色。

自生地の開発や園芸用の採集の影響で減少している地域がある。

近縁種[編集]

日本には、ナデシコ属(Dianthus)に属する種が本変種のほかに、3種生育する(ナデシコ#ナデシコ属を参照)が、その中でもハマナデシコD. japonicus)は分布域、生育環境が類似し、しばしば混生する。相違点は、ハマナデシコの方が背が高く、花の数が多く密につき、苞の先が尾状になる点である。

保護上の位置づけ[編集]

生育地である下記の地方公共団体が作成したレッドデータブックに掲載されている。

参考文献[編集]

  • 大分県自然環境学術調査会野生生物専門部会編 『レッドデータブックおおいた』、大分県生活環境部生活環境課、2001年。
  • 大野照好監修・片野田逸郎著 『琉球弧・野山の花 from AMAMI』、株式会社南方新社、1999年。
  • 沖縄県文化環境部自然保護課編 『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(菌類編・植物編)-レッドデータおきなわ-』、2006年。
  • 多和田真淳監修・池原直樹著 『沖縄植物野外活用図鑑 第7巻 シダ植物~まめ科』 新星図書出版、1989年。

外部リンク[編集]