ヒトラー 〜最期の12日間〜
| ヒトラー 〜最期の12日間〜 | |
|---|---|
| Der Untergang | |
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| 監督 | オリヴァー・ヒルシュビーゲル |
| 脚本 | ベルント・アイヒンガー |
| 原作 |
ヨアヒム・フェスト 『ヒトラー 最期の12日間』 トラウドゥル・ユンゲ メリッサ・ミュラー 『私はヒトラーの秘書だった』 |
| 製作 | ベルント・アイヒンガー |
| 出演者 |
ブルーノ・ガンツ アレクサンドラ・マリア・ララ |
| 音楽 | ステファン・ツァハリアス |
| 撮影 | ライナー・クラウスマン |
| 編集 | ハンス・ファンク |
| 製作会社 | コンスタンティン・フィルム |
| 配給 |
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| 公開 |
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| 上映時間 | 156分 |
| 製作国 |
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ドイツ語 ロシア語 |
| 製作費 | €13,500,000 |
『ヒトラー 〜最期の12日間〜』(ヒトラー さいごのじゅうににちかん、原題:Der Untergang、英題:Downfall)は、2004年公開のドイツ、オーストリア、イタリア共同制作による戦争映画。監督はオリヴァー・ヒルシュビーゲル、出演はブルーノ・ガンツとアレクサンドラ・マリア・ララなど。原題はドイツ語で「没落」「滅亡」「破滅」の意。
1945年4月のベルリン市街戦を背景に、ドイツ第三帝国総統アドルフ・ヒトラーの総統地下壕における最期の日々を描く。混乱の中で国防軍の軍人やSS(親衛隊)の隊員が迎える終末や、宣伝相ヨーゼフ・ゲッベルス一家の悲劇、老若男女を問わず戦火に巻き込まれるベルリン市民の姿にも焦点が置かれている。
ヨアヒム・フェストによる同名の研究書、およびヒトラーの個人秘書官を務めたトラウドゥル・ユンゲの証言と回想録『私はヒトラーの秘書だった』が本作の土台となった。撮影はベルリン、ミュンヘンおよび当時のベルリンに近い雰囲気を持つロシアのサンクトペテルブルクで行われた。
ストーリー
[編集]本編に入る前に、主人公格の1人であるトラウドゥル・ユンゲ本人の「若い頃の自分を諌めたい。何も知らなかったから許されるということはないのだから」という回想の語りが入り、1942年に遡って物語が始まる。
1942年11月、ナチ党結成の地ドイツ、ミュンヘン出身のトラウドゥル・フンプス(ユンゲは結婚後の姓、演:アレクサンドラ・マリア・ララ)らは、真夜中に東プロイセンのラステンブルクにある総統大本営の1つ、ヴォルフスシャンツェ(狼の巣)を訪れ、ドイツ総統アドルフ・ヒトラー(演:ブルーノ・ガンツ)の秘書採用試験を受ける。ヒトラーはトラウドゥルがミュンヘン出身だと知って彼女に興味を持ち、秘書として採用する。
1945年4月20日、ベルリンの戦いの中、トラウドゥルはヒトラーの愛人エヴァ・ブラウン(演:ユリアーネ・ケーラー)や先輩秘書官のゲルダ・クリスティアン(演:ビルギット・ミニヒマイヤー)たち総統地下壕の同僚と共に、ヒトラーの誕生日の準備を進めていた。ソヴィエト赤軍は既に首都ベルリン近郊に迫っており、この日初めてソ連軍による砲撃が総統官邸近くやブランデンブルク門周辺にまで着弾したほどだった。ソ連軍との距離は12キロほどであり、もはやドイツの敗北は時間の問題となっていた。ヒトラーは、この距離まで接近しているのに誰も何も言わないことに対し激怒し、郊外にいた空軍大将、空軍参謀総長のカール・コラー(演:ハンス・H・シュタインベルク)ら空軍首脳をクビにする。
そんな中、官邸では各地からナチス高官たちが集まっての誕生祝賀パーティーが開催され、国家元帥、空軍総司令官ヘルマン・ゲーリング(演:マティアス・グネーディンガー)やナチ党組織の1つ、親衛隊(SS)の全国指導者ハインリヒ・ヒムラー(演:ウルリッヒ・ネーテン)などの最高幹部たちは口々にベルリン脱出をヒトラーに進言するが、ヒトラーは頑なにベルリン脱出を拒否した。ヒトラーは高官たちに各地の防衛指揮を任せ、祝賀パーティーは終了した。その後ヒトラーは、軍需大臣でヒトラーの友人でもあるアルベルト・シュペーア(演:ハイノ・フェルヒ)や総統秘書、エヴァらに対し、世界首都ゲルマニアのフォルクスハレ周辺の模型を前に「何千年と栄える帝国を築き上げることが私の夢だ」と、いまだ野望を諦めていないと語った。
一方、機密書類が焼却され、撤退準備が進むベルリンのSS指揮下のある施設において、エルンスト=ギュンター・シェンクSS大佐であり独国防軍付軍医(演:クリスチャン・べルゲル)は、この日発布されたベルリンを前線都市として防衛を行うクラウゼヴィッツ作戦(英語版)に反し、一般人の人道を保護するためこの地に留まることを上官に許可された。また、空襲警報が轟くベルリン市内において、高射砲を用いた防衛陣地に徴兵されたナチスの青年組織ヒトラーユーゲントの一人であるペーター・クランツ(演:ドネヴァン・グニア)は、彼の父親に「戦争ごっこはもう終わりだ」と説得されるも振り切り、勲章授与式へ走り去る。その勲章授与式は、ヒトラーから直々のものだった。総統地下壕からヒトラーが外出する最後の日で、戦車を破壊したことなどで二級鉄十字章を授与されたペーターらにヒトラーは、「諸君に栄光あれ」と激励するも、誰一人と返事はしなかった。
4月22日、地下壕ではソ連軍に対処するための作戦会議が開かれる。ヒトラーはベルリン周辺に駐屯するSS大将フェリックス・シュタイナー麾下のシュタイナー師団や陸軍装甲兵大将ヴァルター・ヴェンク麾下の第12軍、またテオドーア・ブッセ歩兵大将麾下の第9軍に攻撃を命令するが、アルフレート・ヨードル陸軍上級大将で国防軍最高司令部(OKW)作戦部長(演:クリスチャン・レドル)やヴィルヘルム・ブルクドルフ陸軍大将(演:ユストゥス・フォン・ドホナーニ)ら将校たちから「兵力不足により攻撃不可能」との指摘を受けて激怒した。
その時、地下壕へ到着したヴィルヘルム・モーンケSS少将(演:アンドレ・ヘンニッケ)は、ヒトラーによりベルリン官庁街防衛司令官に任命され、モーンケ戦闘団を編成した。軍首脳はモーンケに、シュタイナー師団に攻撃能力があるか聞くと、「ないに等しい。そんな事あなた達の方がわかっているだろう」と返された。また、ヘルムート・ヴァイトリング陸軍砲兵大将(演:ミヒャエル・メンドル)は指揮所を西へ撤退させたとして地下壕に出頭するも、彼の報告にヒトラーは感銘を受け、ベルリン防衛司令官に任命された。だが、彼らの指揮下にあるのはヨーゼフ・ゲッベルス国民啓蒙・宣伝省大臣(演:ウルリッヒ・マテス)監督下の国民突撃隊という、第一次世界大戦の経験がある古参の老人から、まだ若い青年の寄せ集めであったり、ヒトラーユーゲントがほとんどであったので、もはや指揮統制などないに等しかった。また、300万もの難民で溢れかえるベルリンの混沌は極めていて、そこら中が死体で埋め尽くされていた。モーンケはヒトラーに対し、この実情を報告するも、「戦時に市民など存在せん」と言い放った。
その後また開かれた作戦会議の場において、鼻から不可能なことは分かっていた、シュタイナー師団に命じた攻撃が行われていないことに対し激昂したヒトラーは、色鉛筆を作戦地図に投げつけながら、「陸軍やSSは常に私の邪魔をしてきた」、「将軍とは名ばかりで、用兵はまるでなっていない」、「ドイツ国民に対する裏切りだ」と頬に涙を伝わせながら将軍たちを罵倒した末に、「もはやこの戦争には勝てない。だが私はベルリンから離れる気はない。離れるくらいなら自らの頭を撃ち抜く」と宣言して会議を終了させる。その直後、ヒトラーはトラウドゥルたちに地下壕から退避するように指示するが、彼女たちはそれを拒み地下壕に残った。
ゲッベルスは自分の妻子を地下壕に呼び寄せ、妻のマクダ・ゲッベルス(演:コリンナ・ハルフォーフ)と子供たちと再会を果たした。この時、前線でその惨状を見てきたモーンケから国民突撃隊の行動を止めさせるよう言われるも、「私は国民に強制はしていない。全て彼らの意思だ。自業自得だよ」と冷酷に言い切った。
ヒトラーは、シアン化物と拳銃を使った自殺についてエヴァと総統秘書たちと共に話していた。そこでトラウドゥルらが「私たちも欲しい」と言うと、ヒトラーは毒薬を渡した。その時、「こんなものしかあげられなくてすまない」と言った。
シェンク軍医は、モーンケよりありったけの医薬品をかき集めて地下壕に持ってくるよう指示を受ける。そこで、彼の副官と共に市街へ赴き前線の病院へ向かったが、そこにあったのは無残な屍と置いていかれた弱った高齢者のみであった。その夜、薬を求めて町を車で走っていると、降伏する準備をしていた老人たちがSSらにより処刑される現場を目撃する。その後、地下壕に到着したシェンクが見たのは、大ケガをしている兵士や民間人、麻酔などの不足からそれなしに足や腕を切断され阿鼻叫喚の声を上げる人々、そして亡骸に向かい泣く家族の姿であった。そうしてシェンクは、ヒトラーの侍医であるSS中佐ヴェルナー・ハーゼ(演:マティアス・ハビッヒ)と共に治療にあたることになった。
4月23日、ついにベルリン攻防戦が本格化した。砲撃や銃声、断末魔がベルリンを包む中、「ゲーリングが総統権限の委譲を要求する電報を出した」という報告(ドイツ語版)をマルティン・ボルマン党官房長(演:トーマス・ティーメ)から受け取ったヒトラーは激昂し、ゲーリングの全権限剥奪と逮捕を命令した。高官から裏切り者が出たと地下壕に動揺が広がる中、深夜、シュペーアが地下壕を訪れる。シュペーアはヒトラーから受けていたインフラ設備の破壊命令であるネロ指令を無視、その逆までもしていたことを告白して彼と別れ、地下壕を後にした。ヒトラーはこれに対し怒ることもなく、頬に一筋の涙を流すのみであった。
4月26日、空路でソ連軍の包囲網を突破したローベルト・リッター・フォン・グライム(演:ディートリッヒ・ホリンダーボイマー)空軍上級大将と空軍パイロットのハンナ・ライチュ(演:アンナ・タールバッハ)が地下壕に到着し、感激したヒトラーはグライムをゲーリングの後任の空軍総司令官及び空軍元帥に任命する。グライム元帥やゲッベルス、エヴァ、トラウドゥルたちと食事をとるヒトラーの元に、ヒムラーが連合軍と和平交渉を行っているという報告が入る。「忠臣ハインリヒ」と呼んで信頼していたヒムラーの裏切りにヒトラーは激怒し、ヒムラー本人、そして地下壕にいるヒムラーの副官であるヘルマン・フェーゲラインSS中将(演:トーマス・クレッチマン)を逮捕するよう命令する。ヒトラーはグライムに前線指揮を命令し、エヴァは妹のグレートルへ、マグダは前夫との息子で従軍していたハラルトにそれぞれ宛てた手紙をライチュ飛行士に託す。その時、ヒトラーはグライムらに対し、ヒムラーには伝えていなかった、完全にヒトラーの妄想である壮大な計画を話し、カール・デーニッツ元帥にこの計画を伝えるよう命じた。
グライムとライチュが地下壕を退去した後、トラウドゥルはヒトラーに呼び出されて遺書の速記を依頼される。トラウドゥルが自室で遺書のタイプをしていると、そこにゲッベルスが現れ「総統と共に死ぬ」と告げ、自らの遺書のタイプも依頼する。同じ頃、愛人宅で泥酔していたフェーゲラインは逮捕され、義姉であるエヴァがヒトラーに助命を嘆願するが強い口調でこれを退け、フェーゲラインは処刑される。
ベルリンは崩壊を迎えていた。ペーターが防衛していた場所もソ連軍の猛攻により陥落、死体まみれの町に嫌気がさしたペーターはなんとか家に逃げ帰ることに成功した。国民突撃隊は犬死にし、ドイツ赤十字副総裁でありSS大将のエルンスト=ロベルト・グラヴィッツ(演:クリスチャン・へーニング)はヒトラーにベルリンからの避難を拒否され、4月24日、自宅で家族と共に手りゅう弾で自殺する。シェンクの元に来る負傷者は次々と増え、ソ連軍の砲撃は嵐となって降り注ぎ、地下壕の人々は酒を飲み、タバコを吸って現実逃避をしていた。ヒトラー自身も現実から目を背けており、もはや終わりが近いのは誰の目から見てもあきらかであった。
4月29日未明、ヒトラーはエヴァと結婚式を挙げ、ささやかな祝宴を開く。トラウドゥルたちから祝福を受けたヒトラーは、シェンクと過労がたたり気胸になってしまったハーゼを呼び出し、自殺方法について相談する。シェンクがトイレから戻ると、ヒトラーの愛犬ブロンディが毒薬の効き目を確かめるため毒殺された。
一方、ヒトラー自身が脱出を許可していたヴィルヘルム・カイテル陸軍元帥、OKW総長(演:ディーター・マン)に問い合わせていた救援軍のこれからの戦略についての返電で、「救援軍を送るのは不可能」との報告が来ると、ヒトラーは副官のSS少佐で総統警護隊の一員であるオットー・ギュンシェ(演:ゲッツ・オットー)に自殺後の自分と妻の遺体の焼却を命じる。そこでギュンシェは、SS中佐で総統付運転手のエーリヒ・ケンプカ(演:ユルゲン・トンケル)にガソリン200リットルを調達するよう指令する。
4月30日、ヒトラー夫妻は地下壕に残った人々と別れの挨拶を交わした。ヒトラーはマクダに黄金ナチ党員バッジを授与し、エヴァはトラウドゥルに自分の服を一着あげた。その時、エヴァは「逃げ延びて」と伝える。そうしてヒトラーは自殺するためにエヴァと共に居室に入る。最初こそ別れを受け止めていたマクダだが、感極まってヒトラーに会いたいと哀願する。そして出てきたヒトラーに対しベルリンからの退避を泣きながら迫るも、ヒトラーは「世界は私を恨むだろう。だがそれも運命だ」と遺しまた部屋へ入っていった。トラウドゥルは気を紛らわせるため、ゲッベルスの子供たちと食事をしている最中、総統地下壕に銃声が響き渡り、ヒトラー夫妻の死を知る。将校たちは一斉にヒトラーに禁じられていた喫煙を始め、その煙に包まれながら遺体はゲッベルスたちによって地上に運び出され、集められたガソリンを使い焼却された。
5月1日、参謀総長ハンス・クレープス陸軍大将(演:ロルフ・カーニス)はソ連軍のワシーリー・チュイコフ上級大将(演:アレルサンドル・スラスチン)と停戦交渉を行い、ヒトラーの死を伝えるとともに一時的な停戦を申し入れるが、「無条件降伏以外は認められない」と返答され、交渉は失敗に終わる。総統の遺書により首相となったゲッベルスはこのことを知り、降伏は閣下の遺言通りしないと軍首脳らに宣言した。地下壕の人々はベルリン脱出の準備を進めるが、その脱出方法は一概には同じでなかった。ヒトラーが死することはナチズムの死であり、その世界での生きる意味を見い出せなかったゲッベルス夫妻は、子供たちを睡眠薬で寝かせたのちに毒殺、自分たちも拳銃で自殺し、遺体はヒトラーと同じく焼却処分させた。
ヒトラーユーゲントの束縛から脱したペーターは、戦争に反対したということでナチスの過激派に処刑される民間人たちを助けることを友達たちと共にしていた。そうして迎えた5月2日の朝、ある街宣車が通りかかる。ヴァイトリングが読み上げているドイツ全軍に対しての降伏声明を放送しているトラックだった。この事実を伝えるため家に戻ると、父と母はそのナチスの過激派に殺害されていた。ヴァイトリングは、その文を読みきると同時に倒れ込んでしまった。
一方、トラウドゥルはモーンケ率いる第一陣と共に地下壕を脱出した。シェンクもハーゼと別れを告げ、この部隊と共にする。脱出する人々を見送ったクレープスとブルクドルフは共に拳銃自殺を遂げる。モーンケたちは地下鉄駅を通る時、辺り一帯を一杯に埋める負傷兵や臨時での勲章授与式の間を通りながら、何とか敗残部隊と合流するものの、ソ連軍に包囲され、発砲もなく降伏する。一方、トラウドゥルはシェンクやゲルダに勧められソ連軍の包囲網を脱出しようとするところ、走ってきたペーターがその手を握り、共に無事に逃げ延びる。
5月8日、デーニッツを首相としフレンスブルクに遷都したドイツ政府は連合国に対して無条件降伏し、ドイツは終戦を迎えた。最後にトラウドゥル・ユンゲ本人のインタビュー映像が流れ、ユダヤ人虐殺を知らなかったこと、自分が総統の秘書であったことなどは、「若かったから、と許されることではない」と総括し、映画は幕を閉じる。
キャスト
[編集]括弧内は日本語吹き替え。
- アドルフ・ヒトラー(総統) - ブルーノ・ガンツ(大塚周夫)
- トラウドゥル・ユンゲ(総統個人秘書官) - アレクサンドラ・マリア・ララ(安藤麻吹)
- エヴァ・ブラウン(ヒトラーの愛人) - ユリアーネ・ケーラー(増子倭文江)
- ヘルマン・フェーゲライン(親衛隊中将、エヴァの義弟) - トーマス・クレッチマン(木下浩之)
- ヨーゼフ・ゲッベルス(宣伝相) - ウルリッヒ・マテス(水野龍司)
- マクダ・ゲッベルス(ゲッベルス夫人) - コリンナ・ハルフォーフ(寺内よりえ)
- アルベルト・シュペーア(軍需大臣) - ハイノ・フェルヒ(加門良)
- エルンスト=ギュンター・シェンク(親衛隊中佐、軍医) - クリスチャン・ベルケル(土師孝也)
- 親衛隊
- ハインリヒ・ヒムラー(親衛隊長官) - ウルリッヒ・ネーテン(大川透)
- エルンスト=ロベルト・グラヴィッツ(親衛隊大将、ドイツ赤十字副総裁) - クリスチャン・ヘーニング(古川伴睦)
- ヴィルヘルム・モーンケ(親衛隊少将、官庁街防衛司令官) - アンドレ・ヘンニッケ(田中正彦)
- ヴァルター・ヘーヴェル(外交官、親衛隊名誉少将) - アレクサンダー・ヘルト(渡辺英雄)
- ルートヴィヒ・シュトゥンプフェッガー(親衛隊中佐、ヒトラーの侍医) - トルステン・クローン(木下浩之)
- ヴェルナー・ハーゼ(親衛隊中佐、ヒトラーの侍医) - マティアス・ハビッヒ(関口篤)
- ペーター・ヘーグル(親衛隊中佐、RSD刑事部長) - イゴール・ロマノフ(大川透)
- ハインツ・リンゲ(親衛隊中佐、ヒトラーの侍従武官) - トーマス・リムピンゼル(樋渡宏嗣)
- エーリヒ・ケンプカ(親衛隊中佐、ヒトラーの運転手) - ユルゲン・トンケル
- オットー・ギュンシェ(親衛隊少佐、総統警護隊員、ヒトラーの個人副官) - ゲッツ・オットー(風間秀郎)
- フランツ・シェードレ(親衛隊中佐、総統警護隊隊長) - イゴール・ブベンチコフ
- ローフス・ミッシュ(親衛隊曹長、総統警護隊員、電話交換手) - ハインリヒ・シュミーダー
- 国防軍
- ヘルマン・ゲーリング(国家元帥、空軍総司令官) - マティアス・グネーディンガー
- ローベルト・リッター・フォン・グライム(空軍元帥、空軍総司令官) - ディートリッヒ・ホリンダーボイマー(廣田行生)
- ヴィルヘルム・カイテル(陸軍元帥、OKW総長) - ディーター・マン(益富信孝)
- アルフレート・ヨードル(陸軍上級大将、OKW作戦部長) - クリスチャン・レドル(天田益男)
- ハンス・クレープス(陸軍大将、陸軍参謀総長) - ロルフ・カニース(坂東尚樹)
- ヴィルヘルム・ブルクドルフ(陸軍大将、OKW筆頭副官) - ユストゥス・フォン・ドホナーニ(嶋崎伸夫)
- ヘルムート・ヴァイトリング(陸軍大将、首都防衛司令官) - ミヒャエル・メンドル(側見民雄)
- カール・コラー(空軍大将、空軍参謀総長) - ハンス・H・シュタインベルク(平勝伊)
- ハンナ・ライチュ(パイロット) - アンナ・タールバッハ(梶山はる香)
- 党幹部・側近
- マルティン・ボルマン(党官房長) - トーマス・ティーメ(廣田行生)
- ハンス・フリッチェ(宣伝省局長) - ミヒャエル・ブランドナー(廣田行生)
- 総統地下壕スタッフ
- ゲルダ・クリスティアン(秘書) - ビルギット・ミニヒマイアー(西崎果音)
- エルナ・フレーゲル(看護師) - リザ・ボヤルスカヤ
- フリッツ・トルノウ(ヒトラーの愛犬ブロンディの飼育担当) - デーヴィト・シュトリーゾフ(平勝伊)
- ヨハネス・ヘンチェル(機械室担当) - オリヴァー・シュトリツェル
- コンスタンツェ・マンツィアーリー(調理担当) - ベッティナ・レートリヒ
- 赤軍
- ワシーリー・チュイコフ(上級大将、赤軍第8親衛軍司令官) - アレクサンドル・スラスチン(大川透)
原作
[編集]評価
[編集]- 戦後60年を迎えてなお、芸術作品におけるナチス政権下のドイツの描き方には制約が伴う中で、本作はアドルフ・ヒトラーを主題に据え、その役者にドイツの国民的俳優、ブルーノ・ガンツを起用した[1](ガンツ自身はスイス出身)。ドイツ国内ではヒトラーの人間的側面に踏み込んだ描写が議論を呼んだものの、世論調査では7割近くが本作を肯定的に評価する結果となった[2]。監督のオリバー・ヒルシュビーゲルはインタビューにおいて、ヒトラーを「誰でも知っているのだが、誰もその実像を知らない」人物だとし、本作を契機に若者が過去の歴史的事実について考えてくれればと述べている[3]。
- アメリカ合衆国の映画評論サイトRotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「『ヒトラー 〜最期の12日間〜』はヒトラーの最期の日々を照らす、思慮深く、詳細な記録である。」であり、141件の評論のうち高評価は90%にあたる127件で、平均点は10点満点中8点となっている[4]。
- Metacriticによれば、35件の評論のうち、高評価は32件、賛否混在は3件、低評価はなく、平均点は100点満点中82点となっている[5]。
- 本作は第77回アカデミー賞アカデミー外国語映画賞にノミネートされた。また、2005年のBBC Four国際映画賞を獲得し[6]、2010年にはイギリスの映画誌である『エンパイア』誌による「国際映画100選」で48位に選ばれた[7]。
批判
[編集]本作はおおむね史実に依拠しているが、一部には事実と異なる部分がある他、いくつかの重要な事実についてあえて触れていない点を問題視する意見がある[8]。
- トラウデル・ユンゲの父は熱狂的なナチ党員であり、また、彼女の夫ハンス・ヘルマン・ユンゲはSS将校であったが、これらの事実については作中で語られていない。冒頭の秘書採用試験でヒトラーは結婚前の姓であるフンプスで呼び、その後はユンゲ姓で通す(ハンスは1944年8月にフランスで戦死している)ことでわずかに言及されただけである。これらの点は彼女の証言の中立性に疑義を生じさせるものである。
- エルンスト=ギュンター・シェンク親衛隊大佐は作中で良心的な人物として描かれているが、マウトハウゼン強制収容所において武装親衛隊のための栄養食の開発にあたって人体実験を行い、多数の犠牲者を出したとされる[9]。
- ヴィルヘルム・モーンケ親衛隊少将は作中で民間人の犠牲を回避するよう繰り返し訴える良心的な人物として描かれているが、史実においては少なくとも2度に渡り彼の指揮下の部隊が連合国軍の捕虜を虐殺した疑いが持たれている。
パロディ
[編集]- 作中においてヒトラーが側近との会議中に激昂するシーンは動画投稿サイトにおいてパロディの題材として広く用いられている。YouTubeではドイツ語を英語字幕で面白おかしく置き換えたものが投稿され、話題となった[10]。一時は著作権法違反のクレームにより禁止の動きがあった[11]。
- 監督のオリバー・ヒルシュビーゲルは一連のパロディに対して好意的な姿勢を示している[12]。
- 日本においても、このシーンのパロディは多く存在する。主にニコニコ動画において「総統閣下シリーズ」と題されたこの作品群はネット上で話題になっている事柄などを対象としたもので、あるフレーズが日本語に聞こえるいわゆる「空耳」が特徴となっている[13]。「畜生め(ドイツ語: Sie ist ohne Ehre)」「おっぱいぷるんぷるん(ドイツ語:und betrogen worden)」「it's判断力が足らんかった(ドイツ語:Ich hätte es auch tun sollen)」「鯛が食べたい!(ドイツ語:Angriff auf Steiner)」など様々な空耳が確認できる。
- 2012年頃からは中国の動画サイトでも大ブームとなり、日本とは異なった中国語独自の空耳も存在する(詳細はzh:希特拉的最後12夜#元首的憤怒(網絡迷因)を参照)。
- ニコニコ動画は2012年に、最も有名な作中約4分間のパロディーシーン以外の約151分間を無料で見られるオンライン映画上映会を実施した。残りの4分間を視聴するためには支払いが必要であった[14]。
- 2014年に開催された第27回ヘルシンキ国際映画祭の予告映像でもこの映画のパロディシーンが使われた[15]。
- パロディの題材として有名になったこのシーンは、2015年のドイツ映画『帰ってきたヒトラー』の中でも、テレビ局のプロデューサー(ゼンゼンブリンク)(演者はクリストフ・マリア・ヘルプスト)が激怒するシーンとして再現されている[16]。
- 2024年にはニコニコ動画で、ハッキング被害からの復活を祝い、無料で全ての映画を見られるイベントを開催した。約三時間の今作が四回ループの計12時間流れる仕様となっていた。
販売形態
[編集]DVD
[編集]- ヒトラー 〜最期の12日間〜 スタンダード・エディション (2006年11月10日発売)
- ヒトラー 〜最期の12日間〜 スペシャル・エディション (2006年1月14日発売)
- メイキング、インタビューなどの映像特典あり。二枚組。
- ヒトラー 〜最期の12日間〜 エクステンデッド・エディション<終極BOX> (2006年11月10日発売)
- 本編に20分の未公開シーンを追加。日本語吹き替えなし。特典映像に加え、ユンゲ秘書官のドキュメンタリーも収録。三枚組。
脚注
[編集]- ↑ “ブルーノ・ガンツがヒトラー?「ヒトラー/最期の12日間」”. 映画.com. (2005年6月7日) 2021年9月13日閲覧。
- ↑ 産経新聞朝刊 2005年1月6日
- ↑ “「ヒトラー/最期の12日間」の監督が語る、ヒトラーという存在”. 映画.com. (2005年7月5日) 2021年9月13日閲覧。
- ↑ “Downfall” (英語). Rotten Tomatoes. 2021年9月13日閲覧。
- ↑ “Downfall Reviews” (英語). Metacritic. 2021年9月13日閲覧。
- ↑ “Downfall wins BBC world film gong” (英語). BBC News. (2006年1月26日) 2021年9月13日閲覧。
- ↑ “The 100 Best Films Of World Cinema” (英語). Empire. オリジナルの2011年12月2日時点におけるアーカイブ。 2021年9月13日閲覧。
- ↑ The massaging of history - The film Downfall relies on memoirs written by Hitler's allies to distance themselves from Nazism
- ↑ 「DVD ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディション」付属のブックレット
- ↑ Beschizza, Rob (2008年1月24日). “ヒトラー映画を使ったパロディビデオ『HD DVD 最期の12日間』”. WIRED.jp. コンデナスト・グループ. 2012年3月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月14日閲覧。
- ↑ Wallace, Lewis (2010年4月23日). “人気の『ヒトラー』映画パロディ、YouTubeで禁止”. WIRED.jp. コンデナスト・グループ. 2010年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月14日閲覧。
- ↑ Rosenblum, Emma (2010年1月15日). “The Director of Downfall Speaks Out on All Those Angry YouTube Hitlers”. New York 2010年1月16日閲覧。
- ↑ iOSの純正地図アプリに総統閣下もお怒り そして海外でも…… - ITmedia、2012年9月25日、2013年6月10日閲覧
- ↑ “"あそこ"以外は無料! ニコニコ映画上映会で『ヒトラー~最期の12日間~』” (2012年1月24日). 2020年6月29日閲覧。
- ↑ Helsinki Intl Film Festival 2014 trailer: Mannerheim finds out ENGLISH SUBS
- ↑ Christian Buß (2015年7月10日). “Vorsicht, Witz mit Bart” (ドイツ語). Der Spiegel. 2023年8月5日閲覧。