ヒトメタニューモウイルス

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ヒトメタニューモウイルス
分類(ウイルス)
: 第5群(1本鎖RNA -鎖)
: モノネガウイルス目
Mononegavirales
: パラミクソウイルス科
Paramyxoviridae
亜科 : ニューモウイルス亜科
: メタニューモウイルス属
Metapneumovirus
: ヒトメタニューモウイルス
Human metapneumovirus

ヒトメタニューモウイルス(human metapneumovirus: hMPV)は、2001年に発見されたウイルスで、パラミクソウイルス科,ニューモウイルス亜科,メタニューモウイルス属に分類される。ヒトのウイルスの中で遺伝子が一番類似しているウイルスは、臨床症状も似ているRSウイルスである[1]

hMPV(ヒトメタニューモウイルス)は、乳幼児の気管支炎の原因としてよく見られるウイルス。 3〜6月ごろ(春先)に流行し、生後6ヶ月〜2歳までに50%、5歳までに75%、遅くても10歳ごろまでに一度は感染する。 一度の感染では十分な免疫を獲得できず、何度も感染する。 感染力は強く、高齢者施設でも流行が見られる。 他のウイルス感染時に重なって、hMPVが感染する事もある。

hMPVは、感染しても多くの人は無症状だったり、「風邪」で終わる。 乳幼児、高齢者などの免疫力の弱い人や、免疫不全状態の人では、気管支炎、肺炎をおこす。 重症例では高熱が5日間ほど続き、喘鳴を伴い、時に呼吸困難をおこす。 発熱が長期間続く時は、中耳炎、下気道への細菌感染が併発していることもある。

潜伏期間は4〜6日で、ウイルス排泄は、発熱後、1〜4日に多く、1〜2週間続く。

症状[編集]

発熱き込み、鼻汁が多く、ラ音・喘鳴もあることから、喘息様気管支炎と診断されることもある。 鼻汁を検査することにより、10分程度でhMPVかどうかが検査できる。

治療[編集]

診断はできても、hMPVに効く薬はない。 喘鳴・呼吸困難・脱水などに対しては治療が必要。 発熱が長期間続くようであれば、中耳炎や細菌性気管支炎、肺炎の合併を疑うこともある。 水分が摂れない、夜に眠れない、発熱が5日以上続くなどのときは、医療機関に再度受診した方が良いとされる。

予防[編集]

hMPVは、飛沫感染と手指を介した接触感染でうつる。 感染力は強いが、特別な治療法がない。 軽症の風邪の子どもや大人が、気づかないまま日常生活の場にいるため、保育園、幼稚園や家庭での感染を防ぐことは難しいとされている。

脚注[編集]