ヒダテラ科

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ヒダテラ科
クロンキスト体系
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 単子葉植物綱 Liliopsida
亜綱 : ツユクサ亜綱 Commelinidae
: ヒダテラ目 Hydatellales
: ヒダテラ科 Hydatellaceae

Hydatella
Trithuria

ヒダテラ科(Hydatellaceae)は被子植物の科で、2属10種ほどがオーストラリアニュージーランドインドの各一部に分布する。小型の一年生水草である。は細長く、の基部に集中する。水底にを下ろす。は単性で、いずれも無花被、単一の雄蕊雌蕊からなる。心皮は嚢状で先端(柱頭部分)に数本の毛がある。茎頂に小穂状または頭状の花序をなし、苞葉に囲まれている(この”花序”については下記参照)。果実袋果または痩果で1個の種子を含む。

ヒダテラ科はその形態から従来、単子葉類イネ科ホシクサ科などに近いと考えられ、カツマダソウ科(Centrolepidaceae)に含められることもあった。クロンキスト体系ではユリ亜綱(単子葉類)の中の単独のヒダテラ目としている。

ところが最近、Saarelaらによる複数の遺伝子による分子系統学的研究[1]で、スイレン目の姉妹群であること、すなわち単子葉類とは異なる原始的被子植物の1系統であることが明らかにされた。表現型から見ても、単子葉類よりむしろスイレン目に共通点が多い[1]

APG植物分類体系(APG II:2003年現在の情報に基づく)ではイネ目に入れている。しかしこれの根拠になっているrbcL遺伝子の解析結果は誤りであった(イネ科サンプルが混入したか)とされる[1]。Angiosperm Phylogeny Website(2007年3月17日改訂)ではヒダテラ科をスイレン目の中に入れている[2]

化石被子植物で、最も原始的な形態を示すといわれるアルカエフルクトゥス(やはり水生とされており、スイレン目に類縁があるとの考えもある)では、雄蕊と雌蕊が茎頂について花序のような形になっているが、この全体が1つの花に相当するとの考えもある。ヒダテラ科とアルカエフルクトゥスの”花序”が相同かどうかも今後の検討課題である。

文献[編集]

  1. ^ Saarela, J. M. et al. Hydatellaceae identified as a new branch near the base of the angiosperm phylogenetic tree. Nature 446, 312-315 (2007).
  2. ^ Angiosperm Phylogeny Website[1]

  3. The Families of Flowering Plants: Hydatellaceae[2]