パレスサイドビルディング
パレスサイドビルディング | |
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情報 | |
用途 | オフィスビル |
設計者 | 日建設計 |
施工 | 大林組、竹中工務店 |
建築主 | 株式会社パレスサイド・ビルディング(毎日新聞社、リーダーズ・ダイジェスト社、東洋不動産) |
構造形式 | 鉄骨鉄筋コンクリート構造 |
敷地面積 | 11,275 m² |
建築面積 | 8,596 m² |
延床面積 | 119,625 m² |
階数 | 地上9階、地下6階、塔屋3階 |
着工 | 1964年 |
竣工 | 1966年 |
所在地 |
〒100-8051 東京都千代田区一ツ橋一丁目1番1号 |
座標 | 北緯35度41分27.5秒 東経139度45分26.7秒 / 北緯35.690972度 東経139.757417度座標: 北緯35度41分27.5秒 東経139度45分26.7秒 / 北緯35.690972度 東経139.757417度 |
パレスサイドビルディングは、東京都千代田区一ツ橋一丁目(竹橋駅前)にある高層ビルである。1964年着工、1966年竣工。毎日新聞社系列の「株式会社毎日ビルディング」が運営している。建築設計は日建設計であり、林昌二がチーフアーキテクトを務めた。
概説[編集]
「パレスサイド」の名の通り、皇居の北の丸のお濠端に位置する。建物は地上9階+塔屋3階、地下6階建てで構成されている。敷地が道路と日本橋川にえぐられた細長い形状となっているため、2棟をずらして雁行状に配置し、それぞれの外側端部に、エレベーター、トイレ、階段など配した2本の円柱状のコアが付けられている。地下2階で東京メトロ東西線竹橋駅に直結しており、竹橋駅の地上出入口(1b)も本ビル内にある。
毎日新聞東京本社、並びに毎日新聞社と資本関係のある企業が多数入居しているほか、地下1階・地上1階には一般市民が利用できるレストラン街などがある。地下2階から下は駐車場が大部分を占めているが、2003年までは毎日新聞の印刷工場(毎日新聞社竹橋工場)があった。
2005年4月1日をもって、毎日新聞社各本社社屋を管理・運営していた株式会社毎日大阪会館、株式会社毎日西部会館及び株式会社毎日名古屋会館を吸収。株式会社パレスサイド・ビルディングを存続会社として株式会社毎日ビルディングが管理・運営することとなった。
1960年代を代表する大規模複合建築として、その後のオフィス建築のプロトタイプになった建築であり、日本近代建築の傑作の1つとして知られている。
略歴[編集]
1963年、当時、千代田区有楽町にあった毎日新聞東京本社の社屋が手狭になったことから、雑誌『リーダーズ・ダイジェスト』の日本法人、並びに三和銀行(現・三菱UFJフィナンシャル・グループ)グループの東洋不動産(現・三信株式会社)の3社共同出資により、一ツ橋のビジネス街に高層ビルを建設することを目的とした株式会社パレスサイド・ビルディングが設立された。建設予定地にはアントニン・レーモンドの設計によるリーダーズ・ダイジェスト東京支社ビル(1951年竣工)が建っていたが、1963年に取り壊され、その跡地に建設されることとなった。
工事は1964年7月から着工し、1966年10月1日に竣工。この日より毎日新聞、スポーツニッポン新聞の東京本社(但しスポニチ東京本社の編集機能のみ港区芝浦に所在)、並びにリーダーズ・ダイジェスト日本法人がここに本社機能を移転した(なお、リーダーズダイジェストは1985年に日本法人を清算解散、スポニチ東京本社も1988年に江東区越中島の新社屋・STビルに移転。編集機能も集約した)。
施設の老朽化を考慮し、1990年から「ビルリフレッシュ5年計画」というプロジェクトを実施、1992年には建設省の外郭法人・建築・設備維持保全推進協会主催の「BELCA賞ロングライフビル部門」に「築20年を経過しながらも美しく機能的に管理していること」から表彰される。また1999年には「日本の近代建築を象徴する円・線・表面の組み合わせが美しい」という理由で、DOCOMOMO日本支部・日本建築学会主催の「日本の近代建築20選」に戦後建てられたオフィスビルとして唯一選定された。
その他[編集]
- 1967年(昭和42年)11月27日に、天皇皇后両陛下(昭和天皇・香淳皇后)が当ビルディングの視察に訪れた。屋上からは「我が家」である皇居を観覧し、毎日新聞社では当ビルディングを視察中の両陛下の写真と記事が輪転機で印刷され夕刊となる様子を視察した[1]。
- 3社ニュース(かつての日本テレビ・TBSの夕方ニュース)や、5社ニュース(関東のUHF放送各局)で行われた毎日新聞ニュースのテーマタイトルに当ビルディングが使用され、鳩が飛び交う場面が紹介された。
- 桜田門の警視庁と同様に皇居を臨むことのできる高層ビルという貴重なロケーションのため、『BOSS』『東京DOGS』『相棒』などの刑事ドラマで警視庁の屋上シーンのロケ地として使われることが多い[2]。
主なテナント[編集]
現在[編集]
- 毎日新聞社
- マイナビ
- 毎日新聞出版
- 毎日広告社
- とちぎテレビ東京支社
- NPO法人世界遺産アカデミー
- NPO法人日本ニュース時事能力検定協会
- 全国高等学校体育連盟
- パレスサイドビル内郵便局
- 毎日企画サービス
- 丸紅ユティリティ・サービス
- 国際協力銀行
- NTTビジネスアソシエ
- 大阪ソーダ
- メディアドゥ
元テナント[編集]
- 三和銀行東京本部(1973年まで、丸の内にあった同行東京支店と共にこの年竣工したサンワ東京ビルへ移転)
- 毎日放送東京支社(2008年2月まで、それ以降は、赤坂Bizタワー28階)
- メガポート放送→日本BS放送(2008年3月まで)
- 日立造船東京本社(2006年5月まで)
- パソナ(2010年2月まで)
- 日本証券新聞社(2012年9月まで)
- 東京地図出版
- スポーツニッポン新聞東京本社(本社事務所のみで、編集部は港区芝浦に所在していた。1988年に江東区越中島の東日印刷本社ビル内に機能を集約)
- ラジオ福島東京支社
- 毎日映画社 (日本BS放送(BS11)のニュース番組で使用されるスタジオと副調整室を保有していた。2015年にBS11ビル内に移転)
位置情報[編集]
関連文献[編集]
- 毎日ビルディング・編 『パレスサイドビル物語 -- ビルに歴史あり』 毎日新聞社 2006年10月 ISBN 978-4-620-60620-0
脚注[編集]
- ^ 『パレスサイドビル物語 -- ビルに歴史あり』70頁
- ^ 春ドラマで5作品! パレスサイドビルが“ロケ御用達”の理由とは?