パル (商業ビル)

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桑名ショッピングシティ・パル
PAL
店舗概要
開業日 1972年10月
閉業日 1997年7月31日
正式名称 パルビル(E棟)
施設所有者 桑名商業開発株式会社
施設管理者 桑名商業開発株式会社
ジャスコ株式会社
商業施設面積 23,000 m²
店舗数 JUSCOと90の専門店
後身 サンファーレ
最寄IC 桑名駅
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パルは、かつて桑名駅前に存在した再開発ビル複合商業施設桑名ショッピングシティ・パル」(くわな - )として親しまれていたが1997年に閉鎖された[1]

概要[編集]

当施設は、国の市街地再開発竣工第1号の桑名駅前再開発事業として三重県桑名市国鉄及び近鉄桑名駅東口前に、桑名市施工により建設された床面積23000平方メートル、地下1階地上6階の商業ビルで、ジャスコを核店舗に90の専門店で構成された。

桑名市内の中心部の大部分は、戦災を受けたため戦災復興土地区画整理事業が施工されたが、桑名駅前の大半は非戦災地区のため、施工区域より除外された。このため建築物のほとんどが戦前からの老朽木造家屋や終戦直後に建築された粗悪な木造建築物で、そのうえ飲食店や小売店などが住居と混在した木造家屋密集地域であった。また、交通量が急激に増加したにもかかわらず、駅前広場も規模は戦前のままで狭隘を極めていた。

このような状況から桑名駅前市街地再開発事業が1970年5月に事業認可され、施設建築物E棟(パルビル)は1971年3月4日に着工した。1972年10月にパルビルは完成し、「桑名ショッピングシティ・パル」として開業。当時、桑名市内で唯一の大型商業施設であった。1973年10月にはN棟(メイトビル)が完成するとともに駅前広場と街路の一部が完成し供用を開始した。また、1975年には駅前歩道橋が完成し、1977年8月に駅前広場と街路の未完成部分の整備を終えて、再開発事業は完了した[2][3]

「パル」の名称は、「仲間、仲よし」が由来である[4]

1996年12月にパルビルの管理会社「桑名商業開発(株)」が和議の申請をし、翌1997年3月にジャスコ(現在のイオン、現在のイオンモール桑名内にあるイオン桑名店とは無関係)が退店した以降も、7月まで残された有志で営業を続けたが、1997年7月末日をもって完全に閉館し、空きビルとなった。

跡地は新しい複合商業施設「サンファーレ」として再々開発され、2006年4月28日に完成した。

歴史[編集]

  • 1970年(昭和45年) 2月17日 駅前地区の整備改善のため、桑名駅前市街地再開発事業都市計画決定。
  • 1972年(昭和47年)10月10日 桑名市施工で施設建築物E棟(パルビル)開店
  • 1973年(昭和48年)10月10日 桑名市施工で施設建築物N棟(メイトビル)開店
  • 1977年(昭和52年)8月31日 駅前広場整備、桑名駅前市街地再開発事業工事完了
  • 1997年(平成 9年) 桑名商業開発㈱倒産。ジャスコ撤退。専門店も撤退し、パルビル閉鎖。
  • 2001年(平成13年) 桑名市、商工会議所他出資による株式会社まちづくり桑名設立。
  • 2003年(平成15年) 国の都市再生モデル調査地区となり、桑名パル跡地再開発の事業計画決定。ビル解体。
  • 2004年(平成16年) 跡地に再々開発の建築工事着工。
  • 2006年(平成18年) 再々開発事業としてサンファーレ完成、オープン
  • 2020年(令和2年)N棟(メイトビル)が老朽化により閉鎖。ビル解体時期は不明。それに伴い東海三県唯一の「ドムドムハンバーガー」が閉店。

入居していた店舗[編集]

地階
  • ジャスコ食料品
  • ととや(鮮魚)
  • くさりや(鮮魚)
  • 三崎屋(精肉)
  • スガキヤ(ファーストフード)
  • モンテカウベル(ファーストフード)
  • インディア(カレー)
  • ヒロ(喫茶店)
  • ラパンドール(パン)
  • 中川ベーカリー(喫茶、ケーキ)
  • 花乃舎(和菓子)
  • 柏屋(和菓子)
  • 総本家貝新(時雨蛤
  • かぶら煎餅(和菓子)
  • ゑびすや(和菓子)
  • つたや(和菓子)
  • とらや(和菓子)
  • 明月堂(和菓子)
  • 万其園(茶)
1階
  • ウシオ書房(書籍)
  • 川スミ(眼鏡・時計・宝飾)
  • まつ重(文房具)
  • シルバー模型(模型玩具店)
  • エリートクリーニング(衣料クリーニング)
  • 北勢堂(レコード)
  • ワタナベ(靴)
  • 東山ツーリスト(旅行)
  • ほった写真(DPE)
  • 内山薬局(薬局)
  • グリーンハウス(ジーンズ)
2階
  • ジャスコ婦人衣料
  • いづみ屋呉服店(呉服)
  • こんちう(呉服)
  • オーサカヤ(衣料)
  • プランタン(喫茶)
  • 不二家(喫茶)
3階
  • ジャスコ紳士衣料
  • くわなメンズカジュアルショップ(紳士衣料)
  • いずみ屋呉服(呉服)
4階
  • ジャスコ子供衣料
  • コマチヤ(おもちゃ)
5階
6階
  • ジャスコ生活用品
  • 吉川歯科医院
  • ひらの(ラーメン)
  • 一力亭(うどん)
  • 内田画廊
  • 桑名商業開発(株)事務所
  • 催事場
屋上
  • ペットショップ山下
  • 屋上遊園地

関連項目[編集]

パルのうた…館内で流されていたテーマソング。同時期にジャスコ直営売り場で流れていた「ジャスコであいましょう」とともに、店内で流れていた曲。

稲沢グランドショップ・パル稲沢グランドパレス内の桑名と同じくジャスコを格店舗としたグランドパレスビルおよび専門店街を持つショッピングセンターであった。専門店街は稲沢グランドボウルの1Fフロアと西側に増築した店舗部分で構成されていた。1997年に閉店。跡地は稲沢パールシティフィールEQVO!エディオンが核店舗)になっている。稲沢グランドパレスビルにはかって飲食店、小売店などが入っていたが殆どが撤退し一時は空きビルだったが、2013年6月下旬よりカラオケJOYJOYが入居している。

イナベパル…員弁町(現:いなべ市)にあった商業施設。1993年に現在のヨシヅヤ員弁店がある場所に移転して「パリオ」と名前を変えて営業していた[5]が、桑名パルと同様、桑名商業開発(株)が運営していたため倒産とともに売り場が縮小され、閉鎖となった。なお、現在のヨシヅヤ員弁店はこのパリオ閉鎖後数年後に居抜き物件として再オープンしたものである。

脚注[編集]

  1. ^ 参考資料:通産省産業政策局「全国市町村別大規模小売店舗要覧 -第1種大規模小売店舗と商業状況一覧-」1984年。2012年4月17日閲覧)
  2. ^ 桑名市教育委員会 編『桑名市史 続編』1987年。 
  3. ^ 『桑名市都市計画の概要 1997』桑名市役所、1997年。 
  4. ^ 桑名市総務部庶務課 編『広報くわな 総集編 昭和45・46年度』1972年、表表紙頁。 
  5. ^ 「日本のSC――新員弁パル「パリオ」(三重県員弁町/解説)」『ショッピングセンター』第242巻、日本ショッピングセンター協会、1993年12月、17-19頁、doi:10.11501/2838214 

外部リンク[編集]