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パルテニオン山

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
パルテニオン山
Παρθένιον
古代ヒュシアイの壁とパルテニオン山
標高 1,215 m
所在地 ギリシャの旗 ギリシャ
アルカディア県トリポリ, コリーティオ英語版, パルテニギリシア語版
アルゴリダ県アルゴス=ミキネス英語版, アフラドカンボス英語版
位置 北緯37度29分11秒 東経22度32分51秒 / 北緯37.48639度 東経22.54750度 / 37.48639; 22.54750座標: 北緯37度29分11秒 東経22度32分51秒 / 北緯37.48639度 東経22.54750度 / 37.48639; 22.54750
パルテニオン山の位置(ギリシャ内)
パルテニオン山
パルテニオン山
パルテニオン山 (ギリシャ)
パルテニオン山の位置(ペロポネソス半島内)
パルテニオン山
パルテニオン山
パルテニオン山 (ペロポネソス半島)
プロジェクト 山
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アフラドカンポスの町と遠方のパルテニオス山。

パルテニオン山古希: Παρθένιον ὄρος, Parthenion Oros)は、ギリシャペロポネソス半島アルカディア県アルゴリダ県の県境にある山である。「乙女の山」の意。標高1,215メートル。

概要

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トリポリの東16キロ、北東のアルゴリダ県のアフラドカンボス英語版村と南西のアルカディア県のパルテニギリシア語版村の間に位置している。古代においてはテゲアの領域がパルテニオン山まで及んでおり、山がアルゴリス側のヒュシアイ英語版の小さな平野とテゲアの平原を分けていた。

ストラボンはアルカディアの有名な山として、ポロエ山、リュカイオン山、マイナロス山とともにパルテニオン山の名前を挙げている[1]

パルテニオン山はギリシア神話の英雄パルテノパイオス[2]テレポスが生まれてすぐに捨てられた場所とされる。パルテノパイオスは女狩人アタランテの息子であり、テレポスはヘラクレスアテナ・アレア神殿英語版の女神官アウゲの息子で、テゲア王アレオスの孫であった。捨てられたテレポスは雌のシカに乳を与えられて生き延びた[3][4][5][6][2]

また牧羊神パンが現れた場所としても知られる。ヘロドトスによると、パンは紀元前490年マラトンの戦いの前、パルテニオン山のそばを通ってスパルタに向かおうとしていたアテナイの伝令使フィリッピデスの前に現れた。神は大声でフィリッピデスの名を呼び、自分はアテナイ人に好意を抱いており、これまで何度もアテナイ人を助けたし、これからもそうするつもりであるのに、アテナイ人が自分に対して敬意を払わないのはどういうわけなのかと語ったことを帰って報告せよと命じた。フィリッピデスが神の言葉をアテナイに伝えた結果、アテナイ人はアクロポリスの麓にパンの聖域を創設した[7]

山中にはテレポスの神苑とパンの神域があった[6]。パルテニオン山はリュラの制作に欠かせないカメの産地としても知られていた[8]

古代ではアルゴスからヒュシアイを経由し、パルテニオン山を越えてテゲアに通じる道路があり[9][6]、現在は山の北側にアフラドカンボスを経由してトリポリにいたる国道が通じている。コリーティオ側の山麓には聖パンテレイモンの教会がある。

脚注

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  1. ^ ストラボン、8巻8・3。
  2. ^ a b ヒュギーヌス、99話。
  3. ^ アポロドーロス、2巻7・4。
  4. ^ パウサニアス、8巻48・7。
  5. ^ シケリアのディオドロス、4巻33・11。
  6. ^ a b c パウサニアス、8巻54・6。
  7. ^ ヘロドトス、6巻105。
  8. ^ パウサニアス、8巻54・7。
  9. ^ パウサニアス、8巻6・4。

参考文献

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  • アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
  • ストラボンギリシア・ローマ世界地誌』飯尾都人訳、龍渓書舎(1994年)
  • パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年)
  • ヒュギーヌス『ギリシア神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫(2005年)
  • ヘロドトス歴史(中)』松平千秋訳、岩波文庫(1972年)
  •  この記事には現在パブリックドメインである次の出版物からのテキストが含まれている: Smith, William, ed. (1854–1857). "Parthenium". Dictionary of Greek and Roman Geography. London: John Murray.

関連項目

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