パネルシアター
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パネルシアターとは、パネル布を貼った舞台に絵(または文字)を貼ったり外したりして展開する、おはなし、歌あそび、ゲームをはじめとする教育法、表現法である。現在、舞台には付着力のよいパネル布(日本不織布3150番等)を、絵(文字)にはPペーパー(MBSテック130番、180番等)や和紙等が用いられている。 1973年に浄土宗西光寺の住職、古宇田亮順によって創案され(初出・古宇田亮順 家入脩 共著『パネルシアターのうた第1集』大東出版社 1974)、以来、保育園・幼稚園・小学校などの保育・教育現場を中心に、実演が広まった。
パネルシアターの利点は、ペープサートと同様に
- 動きがあって聴衆の興味をひき、集中力が持続する
- 登場人物の整理がつく
- 絵を描く量が少ない
- 裏返しによる方向転換
などを持つが、より顕著な特長は、
- 糸止めによる関節の動き
- 重ね張りによる配置換え(頭と胴体など)
- ポケットイン・ポケットアウト
- 糸釣り・スライド・裏抜き・・・
などである。
それまで包装材や防音材として使われてきた不織布の中から、古宇田が最も適性の良い素材を探しPペーパーに使用したのは非常に画期的な事であり、その意味でも、外観が似ているフランネルグラフとは表現力に大きな違いがある(参考・第五回正力賞受賞者を訪ねて『読売新聞』1981年4月8日全国版夕刊)。
古宇田の発想はそれに止まることなく、その後ブラックライトをパネル全体に当て、蛍光インクで描かれた絵を動かすブラックパネルシアターや、幻灯機をパネル布の裏から投影する影絵式パネルシアターを開発する(参考・つくる『朝日新聞』日曜全国版朝刊1977年4月17日)。
なお、古宇田はこの功績により1981年、正力松太郎賞を受賞している。