パッサカリア (兼田敏)

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シンフォニックバンドのためのパッサカリアPassacaglia for Symphonic Band)は、兼田敏が作曲した吹奏楽曲。「吹奏楽のためのパッサカリア」などと表記される[1]場合もある。

概要[編集]

音楽之友社の創立30周年を記念して委嘱され、1971年の9月から10月にかけて作曲された。初演は1972年5月30日に、東京音楽大学シンフォニック・ウィンド・アンサンブルによって行われ、音楽之友社から出版された。

「中学校や高等学校のバンドで可能な演奏技術で、音楽の楽しみや喜びが味わえるようなものを書きたいと思いました」という作曲意図の通りに作曲直後から広範に取り上げられており、吹奏楽コンクール全国大会においても、2013年9月現在までに14回取り上げられている[2]。「日本吹奏楽史に残る名曲」とも評される[2]

なお、本作品は中原達彦の手により管弦楽編成に編曲されており、2011年2月25日に下野竜也の指揮により大阪フィルハーモニー交響楽団の演奏で初演された[3]。この編曲は、2018年に下野竜也指揮、東京交響楽団の「名曲全集 第135回」にて再演される[4]

編成[編集]

編成表
木管 金管
Fl. 2, Picc. Crnt. 3 Cb.
Ob. 1 Hr. 4 Timp.
Fg. 1 Tbn. 3 シンバル(クラッシュ、サスペンデッド)、トライアングル小太鼓大太鼓
Cl. 3, E♭, Alto, Bass Eup.
Sax. Alt. 2 Ten. 1 Bar. 1 Tub.

楽曲[編集]

演奏時間は約6分半。モデラート、変ホ調(「長調でも短調でもない、変ホを中心とした調性」)、3/4拍子。

冒頭に十二半音階の音を全て用いた10小節の主題が低音に提示され、パッサカリアの形式により18の変奏が繰り返される。

主題は曲を通して常に繰り返されるが、第4変奏は4/4拍子のアレグロ・ノン・トロッポとなってテンポを上げ、第12変奏は軽快なワルツになるなど、テンポや曲調を変えながら、多彩な変奏が続く。第9変奏のように、主題が縮小形で現れることもある。最後の変奏は「グランディオーソ」と指示されたトゥッティコラールとなり、変ホ長調の主和音で力強く終結する。

注釈[編集]

  1. ^ 木村吉宏、大阪市音楽団『嗚呼! 兼田敏作品集』(ブレーン、BOCD-7404)
  2. ^ a b 富樫鉄火、石本和富、播堂力也『一音入魂! 全日本吹奏楽コンクール名曲・名演50』河出書房新社、2007
  3. ^ 大阪フィルハーモニー交響楽団<スペシャルライブ>吹奏楽meetsオーケストラ
  4. ^ http://tokyosymphony.jp/pc/concerts/detail?p_id=%2B4%2ByQWukPQ4%3D&p_concertCategoryId=a43gfip7vKk%3D

参考文献[編集]

  • 秋山紀夫『吹奏楽曲プログラム・ノート 秋山紀夫が選んだ689曲』エイト社、2003

外部リンク[編集]