バンパイアハンターD

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吸血鬼ハンターD
ジャンル ファンタジーSF吸血鬼
映画:バンパイアハンターD
Vampire Hunter D: Bloodlust
監督 川尻善昭
制作 マッドハウス
配給 アメリカ合衆国の旗 アーバンビジョン[1]
日本の旗 日本ヘラルド映画[1]
ドイツの旗 Rapid Eye Movies[1]
封切日 カナダの旗Flag of Montreal.svg 2000年7月
(Fantasia)[2]
アメリカ合衆国の旗 2000年[1]8月25日
オーストラリアの旗City of Sydney Flag.svg 2000年8月25日
(Sydney 2000 Olympic
Arts Festival)[2]
大韓民国の旗 2000年10月12日
(BIFF)[2]
香港の旗 2000年10月31日[2]
日本の旗 2001年4月21日[3][4]
ドイツの旗Flag of Frankfurt am Main.svg 2001年8月2日
(Frankfurt FFF)[2]
アメリカ合衆国の旗Flag of New York City.svg 2001年9月21日
(NYC)[2]
アメリカ合衆国の旗 2001年9月28日[2]
アメリカ合衆国の旗Flag of Nashville, Tennessee.png 2001年10月31日
(Nashville)[2]
カナダの旗オンタリオ州の旗 2001年12月2日
(WFAC)[2]
ドイツの旗 2003年7月24日[2]
チェコの旗プラハの旗 2005年12月2日
(FilmAsia)[2]
上映時間 102分
ゲーム:VAMPIRE HUNTER D
ゲームジャンル アクションアドベンチャー
対応機種 PlayStation
発売元 ビクターインタラクティブソフトウェア
プロデューサー 山本又一朗、岩沢慶明
キャラクターデザイン 箕輪豊
発売日 1999年12月9日
テンプレート - ノート
ポータル 文学アニメ

バンパイアハンターD』(英題:Vampire Hunter D: Bloodlust)は、 日本のアニメ会社マッドハウスが制作したアニメ映画である。 本作は、菊地秀行の小説シリーズ『吸血鬼ハンターD』の第3作「D-妖殺行」を原作としており[5] 、「貴族」と呼ばれる吸血鬼たちが存在する遠い未来を舞台に、"D"とはじめとする吸血鬼ハンターと、「貴族」の一人であるマイエル=リンクの戦いを描いた内容である。

1999年末以降「Vampire Hunter D: Bloodlust」の題でアメリカにて先行公開され、日本では2001年4月に、音声は英語のまま日本語字幕をつけて劇場公開された[6]。DVDソフト化の際は、英語版の他に日本語吹き替え版も発売されている[6]

ストーリー[編集]

「貴族」マイエル=リンクは、都の名門エルバーン家の少女シャーロットと駆け落ちをし、貴族の安住の地とされる「夜の都」をめざし、協力者である女貴族カーミラのいる馬車を走らせる。 エルバーン家は、"D"に加え、「貴族」たちでさえ恐れる凄腕のハンター集団・マーカス兄妹にもシャーロットの救出を依頼した。

"D"、マーカス兄妹、マイエル=リンクと彼が雇った怪物の用心棒「バルバロイの民」(妖術師・ベンゲ、妖女・カロリーヌ、怪人・マシラ)が入り乱れての追跡劇が展開される。 そんな中、マーカス兄妹の一員であるレイラはDに思いを寄せ、「どちらかが死んだら、もう一方が墓に花を手向ける」という約束を交わす。

やがて、マイエル=リンクとシャーロットを乗せた馬車は、カーミラの居城・シャイテ城へ到着する。だが、マイエル=リンクとシャーロットの駆け落ちが、カーミラによって仕組まれていたことが判明する。 そして、マイエル=リンクとシャーロットの二人は、星々の果てに向けて、宇宙船で旅立った。

それから数十年後、Dは約束通り、レイラの墓参りに行った。

キャスト(映画)[編集]

それぞれ「役名 - 英語版キャスト / 日本語版キャスト」の形で記載。

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

製作[編集]

二度目となる『吸血鬼ハンターD』の映像化の企画は、マッドハウスの別作品『獣兵衛忍風帖』のマスタリング期間中から始まっていた[7]。 OVA版の続編を作って欲しいというファンから要望が寄せられたことがきっかけで、『吸血鬼ハンターD』の新作映画を作ろうという話になった[8]。原作者の菊地もOVA版が安っぽいと感じていたことを気にしていたことから、新作映画の制作に賛同した[8] 。菊地は映像化にあたり、川尻善昭らに任せる姿勢を見せ、脚本の打ち合わせなどには参加しなかった[7]

『吸血鬼ハンターD』の映像化の対象として、第三作である『D-妖殺行』を選んだ理由について、監督の川尻善昭は、複雑な背景設定を説明する必要が無く、作品のテンポが映画向けだったことなどを自身のホームページの中で挙げている[7]

1997年には、川尻善昭監督・マッドハウス製作という開発体制が確立した[8] 。 川尻は準備が出来たらいつでも作品に取りかかることが出来るようにするため、絵コンテや原画のみといった単発の仕事を中心に行っていた[8]

プロデューサーの山本又一朗は、菊地の別の代表作である『妖獣都市』の権利をマッドハウスから購入したいと考えており[5]、『妖獣都市』について話し合いを進める中で、『吸血鬼ハンターD』の新作映画の話を耳にする[5]。山本は『吸血鬼ハンターD』の新作映画をOVAだけでなく、アメリカで劇場公開したいと考えた[5]

同作に登場するシャーロットは、原作である『D-妖殺行』においては名前が割り振られていないキャラクターであり、[7]。川尻は、犠牲者を出してまで禁断の恋をかなえようとする少女の姿勢をもう一人のヒロインであるレイラが許さない点を踏まえ、禁断の恋に対する責任の自覚を含め、原作における幼い少女というよりは、自らの意思を貫く強さを持った年上のキャラクターの方が相応しいと考えたと公式ホームページの中で振り返っている[7]。その一方で、川尻は女性の観客からはわがままに見えるかもしれないことを心配していたとも話している[7]

また、『D-妖殺行』では終盤に舞台がクレイボーン・ステイツという宇宙港に移行する展開を迎えるのに対し、川尻は吸血鬼ものの定番として城を出したいと考えていた[7][6]。脚本の段階では、終盤で城に眠る大昔のコンピュータが起動し、貴族のホログラムが現れる中、Dと敵の戦いが電脳世界に移行するというアイデアがあった[7]。ところが、プロデューサーはこれをよしとせず、マイエル=リンクの特殊性に着目し、正統派の吸血鬼を敵として出してはどうかと提案し、最終的にカーミラというキャラクターができあがった[7]。川尻はプロデューサーの選択が正しかったと公式ホームページの中で振り返っている[7]。また、物語の結末も同様の理由によるものである[6]

キャラクターデザイナーには『獣兵衛忍風帖』などに参加した箕輪豊が、川尻の指名によって起用された[7]。また、同作においては、3DCGをはじめとするデジタル技法が取り入れられたほか、川尻が虫プロ時代に勉強したリミテッドアニメーションという手法が用いられた[7]

アニメーション製作はマッドハウスの所有する東京のスタジオで行われたが、ポストプロダクションの作業はアメリカ合衆国カリフォルニア州にある別のスタジオで行われた。日本語版のダイアログの収録は、英語版のサウンドトラック収録後に行われた[9]

反響[編集]

日本の企業・イードが運営するアニメ専門ニュースサイト「アニメ!アニメ!」によると、本作は北米だけでも50万枚以上のDVDを売り上げたとされている[10]

評価[編集]

本作はアメリカ合衆国の批評家たちから好意的に受け入れられており、Metacriticでの点数は62点だった[11]。 オルタナティブ新聞「シカゴ・リーダー英語版」のリサ・アルスペクター(Lisa Alspector)は、シュールな冒険物語が豪華なアニメーションによって彩られたと評価している[12] 。タブロイド紙「デイリーニューズ」は、「美しくて、ウィットに富み、時には刺激的」("Beautiful, witty and provocative" )と評価し、ファンか否かにかかわらず楽しめる作品であると評した[11]。 日刊紙「サンフランシスコ・クロニクル」のエドワード・ガスマン(Edward Guthman)は、監督の川崎に魅力的なビジュアルを作るだけの才能があるとしつつも、「ストーリー展開が薄っぺらく混とんとしている」( "his story manages to be simultaneously thin and chaotic")とも指摘している[13]

ゲーム[編集]

『VAMPIRE HUNTER D』は、1999年12月9日にビクターインタラクティブソフトウェア[注釈 1]より発売された[14]PlayStation用のゲームソフトであり、本作をもとにした物語が展開される。

キャスト(ゲーム)[編集]

スタッフ(ゲーム)[編集]

  • 原作 - 菊地秀行(朝日ソノラマ刊)、劇場版アニメーション「VAMPIRE HUNTER D」
  • 劇場用アニメーション監督 - 川尻善昭
  • キャラクターデザイン - 箕輪豊
  • 脚本 - 本田暁、永原めぐみ
  • 構成 - 富永和也、岩沢慶明
  • 音響プロデュース - 寺澤和宏
  • 音響監督 - 佐藤敏夫
  • プログラム - 山木光人、牛田喜巳、黒木正輝
  • プロダクションデザイン - 増尾隆幸、野口浩司、尾崎省之
  • モーションエディット - 久保英紀
  • サウンド - 古川博、永井誠一郎橋本彦士多和田吏
  • ムービー・モーション監修 - 板野一郎(スタジオD.A.S.T)
  • ムービー制作 - ルーデンス、増尾隆幸、藤中修一、澤田元春、室隆之、大西宗
  • 録音スタジオ - オムニバス・ジャパン
  • 音響製作 - T's MUSIC
  • 製作協力 - マッドハウス、株式会社ドーモコーポレーション
  • プロデューサー - 山本又一朗、岩沢慶明
  • 制作・企画 - フィルムリンク・インターナショナル
  • 制作 - ソニー・ミュージックエンタテインメントニッポン放送、サブウォーカーズ、ソフトキャピタル
  • 制作・開発 - ビクターインタラクティブソフトウェア

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ プレイステーションソフトウェアカタログでは、再編後の会社であるマーベラスインタラクティブとなっている。

出典[編集]

  1. ^ a b c d Vampire Hunter D: Bloodlust (2000)”. IMDb(Company Credits). Amazon.com. 2020年6月14日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k Vampire Hunter D: Bloodlust (2000)”. IMDb(Release Info). Amazon.com. 2020年6月14日閲覧。
  3. ^ バンパイアハンターD(2001) - 日本映画情報システム。2021年8月17日閲覧。
  4. ^ バンパイアハンターD(2001)…劇場公開日 2001年4月21日”. 映画.com. 株式会社エイガ・ドット・コム. 2020年6月14日閲覧。
  5. ^ a b c d Patten, 2004. p.343
  6. ^ a b c d クリエイターズ・セレクションVol.16 監督:川尻善昭 インタビュー”. バンダイチャンネル (2014年11月25日). 2021年8月17日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l ロングインタビュー 川尻善昭 自作を語る 第2部『妖獣都市』から『バンパイアハンターD』へ 第4回 映画なら『D』をやります”. 川尻善昭公式サイト (2001年). 2019年9月25日閲覧。
  8. ^ a b c d Patten, 2004. p.342
  9. ^ Patten, 2004. p.344
  10. ^ 「吸血鬼ハンターD」日米共同製作でフルCGアニメに デジタルフロンティア、米国で発表” (2015年7月7日). 2021年8月17日閲覧。
  11. ^ a b Critic Reviews for Vampire Hunter D at Metacritic”. Metacritic. 2021年7月22日閲覧。
  12. ^ Alspector, Lisa. “Vampire Hunter D: Bloodlust”. Chicago Reader. 2021年7月22日閲覧。
  13. ^ Guthmann, Edward (2001年10月5日). “FILM CLIPS”. San Francisco Chronicle. 2011年8月5日閲覧。
  14. ^ バンパイアハンターD - ウェイバックマシン(2020年9月19日アーカイブ分) - 2021年8月17日閲覧

参考文献[編集]

  • Patten, Fred (2004). Watching Anime, Reading Manga: 25 Years of Essays and Reviews. Stone Bridge Press. ISBN 1-880656-92-2 

外部リンク[編集]